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平成25年7月理事長定例記者会見

理事長定例記者会見

奥村理事長の定例記者会見のトピックスをお伝えします

日時:平成25年7月18日(木) 11:00-11:40

場所:JAXA東京事務所 B1 プレゼンテーションルーム

司会:広報部長 寺田弘慈

冒頭挨拶

この1カ月間の間に、急ぎ足ではありましたが欧州と米国の宇宙機関を訪れ、各機関長の方とお話しをする機会を得ました。
私がJAXAの理事長に就任して以来、出来るだけ早い時期に、宇宙の先進諸国の様子を自分の目で確かめたいという強い思いを持っていました。

まず6月の中旬に欧州を訪れ、欧州宇宙機関(ESA)のドーダン長官、ロシア宇宙庁(ROSCOSMOS)のポポフキン長官、英国宇宙庁のパーカー長官、ドイツ航空宇宙センターのヴァーナー長官とそれぞれ個別にお話しをさせていただきました。
その後、オランダのノルドバイクにある欧州宇宙機関の中核的研究開発センターである欧州宇宙技術研究センター(ESTEC)と、ドイツのケルンにあるドイツ航空宇宙センター(DLR)の本部とその研究開発施設を訪ね、各機関の研究開発の現場を視察して参りました。

欧州の予算規模についてみますと、ESAはJAXAの約3倍の規模となっています。
加えて、欧州各国は独自の宇宙政策を推進しており、フランス(16億ユーロ)とドイツ(12.1億ユーロ)は、JAXAと同等の予算規模となっています。その他の国もこれより額は小さいですが、国ごとに予算措置して独自の政策を進めています。

欧州訪問では、特にドーダン長官のお話しが印象に残りました。ドーダン長官は、宇宙開発というのは国際的に協調して進める部分と、ある種の競合する部分があって全体が進むといった趣旨のお話しをされました。私の経験上、これはおそらくどの分野・業界でも言えることで、協調と競合のうえに健全な発展があると思いますので、大変共感したところです。

次に各機関の研究開発施設の印象ですが、現場を視察し、欧州では堅実・着実に研究開発を進めているという印象を受けました。
これは我々JAXAの研究開発の進め方と似ていると思います。もう一つの印象は、ある種の事業環境が似ているということです。
今年6月にJAXAとESAとの間で結んでいる宇宙用部品の協力協定を延長しましたが、同じように事業環境そのものもある種の制約のなかで両国とも進めています。マーケットサイズの違いなどもあり、米国のように自由にキーコンポーネントの調達が出来ない環境という制約を、両国ともに抱えているわけです。これは私の持論ですが、このような制約環境のなかにあってこそ技術の進歩が促されるという側面もあります。
従いまして、JAXAとしてESAとの結び付きについて大変重要なことと考えています。
またESA側からも、JAXAを重要なパートナーとして高く評価しているというお話しがありました。
こうした期待を裏切らないよう、努力して参りたいと思います。

その後、先週(7月8日~13日の間)となりますが米国を訪問しました。NASAと米国海洋大気庁(NOAA)の本部を訪ね、NASAやNOAAの長官をはじめ、大勢の宇宙関係者の方々とお話しする機会を得ました。また、ヒューストンにあるNASAの有人宇宙開発の拠点のジョンソン宇宙センター、ワシントンDC郊外にあるNASAの宇宙科学と地球観測の拠点ゴダード宇宙飛行センター、そして米国の衛星、ロケット開発の新興中堅企業であるオービタルサイエンス社を訪ね、米国の宇宙開発の最前線を視察しました。

他の科学技術政策でも傾向が強くみられますが、どの分野でもリーダーシップをとるという米国の考えは、宇宙分野においてもその基本ポリシーが同じであると改めて感じました。例え技術的困難な場面でも、リーダーシップを発揮して強い意志のもとに果敢にチャレンジしていくというその姿勢は、宇宙分野においても貫かれていると実感した次第です。

NASAはJAXAの10倍近い予算規模(170億ドル)となりますが、実はジョンソン宇宙センターの予算だけでJAXAを超えます。このようにNASAの事業は大変規模が大きいので、JAXAとしてどう参考にしていくか、改めて日本流の宇宙開発の在り方を考える必要があると、ある種の宿題を背負った思いでありました。個々のプロジェクトにつきましては、仕事の質や仕方など、欧州訪問の際と同様にパートナーとして高く評価しているとお話しいただきました。

もうひとつ、米国ではNASAの国際宇宙ステーション(ISS)計画への考え方についてお話しを伺いました。
ISS計画の基本的な方針として、まずこの計画は国際協力でしか成し得ない事業であるという意味で、科学的な国際協力とともにナショナルセキュリティー・安全保障の確保にも役立つ側面があるというのがNASA側の見解でした。
広義には、ISS計画は様々な性格を持つ科学開発事業であるというお話しを伺い、今後JAXAが計画に参加していくうえで大いに参考になるという印象を受けました。

少し長くなりましたが、今回の欧州と米国の宇宙機関の訪問では、これまでのJAXAの取り組みが高く評価されていると改めて感じました。
また、私の方から新しい宇宙基本計画に基づくJAXAの事業計画等のお話しをさせていただきました。
その内容に理解を示しつつも我々の活動の基本は「宇宙の技術開発にある」ということで、欧州及び米国の宇宙機関から意見を求められましたので、その点はJAXAも同じであるという回答をいたしました。

次に、話しは変わりますが7月2日に今年4月にわかったJAXAのサーバーに対する不正アクセスについての調査結果を公表いたしました。
JAXAでは情報セキュリティ事案が続いていることを深刻に受け止め、JAXA全体の情報セキュリティを抜本的に見直し、強化することに尽力いたします。また、外部有識者からなる外部アドバイザー委員会を設置し、情報セキュリティの弱点及び改善点について適宜助言をいただきながら、今後の情報セキュリティの強化を進めて参ります。

トピックス

I. 安全保障・防災
II. 産業振興
III. 宇宙科学等のフロンティア
IV. 教育・普及・国際協力など

I. 安全保障・防災

8月に予定される「H-IIBロケット4号機」及び「イプシロンロケット試験機」の打ち上げについて、順調に準備作業が進んでいます。
6月19日には、種子島宇宙センターにおいて「こうのとり」4号機の機体公開(※)を行い、多くの報道関係者の方にお集まりいただきました。
また7月20日には、内之浦宇宙空間観測所において「惑星分光観測衛星(SPRINT-A)」の機体公開(※)を行いました。

いずれも報道関係者向けのイベントとなります。

H-IIBロケット4号機による宇宙ステーション補給機「こうのとり」4号機の打上げ

打上げ予定日 平成25年8月4日(日)
打上げ予定時刻 4時48分頃(日本標準時)
打上げ予備期間 平成25年8月5日(月)~平成25年 9月30日(月)
打上げ場所 種子島宇宙センター 大型ロケット発射場

(H-IIBは、今回から三菱重工業に民間移管して初めての打ち上げ。)

イプシロンロケット試験機による惑星分光観測衛星「SPRINT-A」の打上げ

打上げ予定日 平成25年8月22日(木)
打上げ予定時刻 13時30分~14時30分(日本標準時)
打上げ予備期間 平成25年8月23日(金)~平成25年9月30日(月)
打上げ場所 内之浦宇宙空間観測所

II. 産業振興

低ソニックブーム設計概念実証 第2フェーズ試験(D-SEND#2)

D-SENDプロジェクト第2フェーズ試験を、7月25日から8月24日(現地時間)の間にスウェーデン、キルナ市にあるエスレンジ実験場で計画していますJAXA側の準備状況ですが、7月25日からの実験開始に向けて、順調に進んでいます。

III. 宇宙科学等のフロンティア

観測ロケットS-520-27号機及びS-310-42号機の打上げ

平成25年度第1次観測ロケット実験として、7月20日(土)の23時から25時の間にS-310-42号機及びS-520-27号機のロケット飛翔実験を行います。今回の実験では、電離圏(E領域、F領域)における電気的・磁気的な力、中性大気とプラズマ間のエネルギーのやりとりを解明する事であり、世界に先駆けて「月光によるリチウム発光撮像」を試み、風向風速を推定します。

なお発光撮像は地上から光学機器にて行いますが、JAXAの実験用航空機「飛翔」にて航空機からも撮像する予定です。

IV. 教育・普及・国際協力など

(1)イトカワ微粒子一般公開

小惑星探査機「はやぶさ」が平成22年6月に地球に帰還し小惑星「イトカワ」から持ち帰った微粒子について、国立科学博物館及び相模原市(※)の協力により、平成25年7月17日(水)より公開展示いたしました。

公開では、世界で初めて、微粒子を光学顕微鏡にて観察いただけます。

相模原市の公開は、期間限定です。
はやぶさ2応援企画展「片道から往復へ~新たな宇宙時代の到来~」
相模原市立博物館(神奈川県相模原市中央区高根3-1-15)
展示期間:平成25年7月17日~28日

(2)はやぶさ2メッセージ募集結果

はやぶさ2への応援メッセージについて、全国からたくさんのご応募をいただき大変嬉しく思っております。

今週16日(火)が応募の締め切り(※)でしたが、更により多くの方にご応募いただくため、締切りを延長することにいたしました。

8月9日(金)までご応募いただけますので、ぜひこの機会にご応募ください。

WEB締め切り8月9日(金)17時、郵送9日(金)必着

(3)相模原キャンパス特別公開

JAXA相模原キャンパスの特別公開を、今年は7月26日(金)・27日(土)の2日間にわたって開催します。

いつもは見られない施設の公開や、最新の研究内容をわかりやすく紹介します。衛星やロケットの模型展示、宇宙学校スペシャル、水ロケット教室などイベントも盛りだくさんです。

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