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平成28年12月理事長定例記者会見

理事長定例記者会見

奥村理事長の定例記者会見のトピックスをお伝えします

日時:平成28年12月16日(金) 13:30-14:00

場所:JAXA東京事務所 B1F プレゼンテーションルーム

司会:広報部長 庄司 義和

こうのとり6号機の打上げについて

 すでにご案内のとおり、こうのとりを12月9日に打ち上げて、14日に無事にISSに結合し、主たる搭載品であるリチウムイオン電池等をISSに届けることができました。必要な物資に加えて、今回は7機の超小型衛星も積んでおりました。たまたま今回は、打上げ直前の12月1日のロシアのプログレスの打上げ失敗がおき、私どももたいへん緊張したのですが、無事に届けることができ、私のみならず関係職員もほっとしているところです。ただし、まだ、これで我々の仕事が終わったわけではありませんので、更に気を引き締めて業務に励んでいくように言っております。
 今回の打上げに関しては、外国の方が打上げをご視察されております。具体的には、駐日トルコ大使、あるいは米国とフランスの首席公使といった方々、更にはISSにリチウムイオン電池を運ぶということで、NASAのISSプログラムの副マネージャや、リチウムイオン電池のプロジェクトマネージャーがご視察になり、なかなか見事な打上げであったとの言葉をいただいております。
 前にもご報告したとおり、トルコとは国際宇宙ステーション日本の実験棟「きぼう」における研究に関して協力協定を結んでおります。今回こうのとり6号機にトルコの実験材料を積んでおります。そうした関係でトルコ大使がご視察くださっております。少し長いのですが、トルコ大使から頂いたお言葉を皆様にご紹介したいと思います。大使からは、「協力の枠組みで、『きぼう』」の実験が実現されたことを歓迎します。古い歴史を誇るトルコと日本の友好関係が、このような形で宇宙技術の分野でも具体的に進展していることの意義は大変大きいと思っております。国際社会の科学技術の発展と繁栄に共に貢献していくことを祈念しており、日本の関係者に謝意を示したい。」とおっしゃっていただきました。私どももお言葉の趣旨を生かすべく今後も努力してまいりたいと考えております。

大西飛行士について

 大西宇宙飛行士は11月に一時日本に帰国しましたが、その後米国ヒューストンへ戻り、リハビリや医学データの採取等を行ってきております。今月下旬頃には再び帰国する機会が得られまして、その機会に、長期滞在成果をご報告したいと考えています。 日程などが決まり次第、お知らせします。

宇宙科学分野について

 昨年および一昨年の12月には非常に重要なイベントがありました。まず昨年12月7日には金星探査機「あかつき」の金星軌道投入が行われました。今からちょうど1年前になります。その後、「あかつき」は金星の状態を長時間にわたり観測してきました。スーパーローテーションという大気の流れがあるという、たいへん不思議な現象があることは、皆様もご記憶と思いますが、その解明について着々とデータが得られていると聞いております。いずれ論文として発表され、また皆さま方にその成果をご報告できる機会がくると思います。今しばらくお待ち頂きたいと思います。
 もう2年前のことですが、2年前の12月には、「はやぶさ2」が12月3日に打ち上げられ、小惑星リュウグウへの旅路に出発しております。すでにご紹介のとおり、この11月末には第2期イオンエンジン連続運転を開始しております。この運転を来年5月まで行って速度を上げて、2018年夏には目的地である小惑星リュウグウに到着するということで、今のところ順調にリュウグウに向かっているという状況にあります。到着まであと1年半くらいかかる予定ではありますが、研究者はこの「はやぶさ2」のサイエンスに関する国際会議を開催するなど、着々と準備を進めております。また、小惑星に到着するまで時間がかかりますので、国民の皆様のご関心も継続して持っていただきたいと私どもも考えています。プレスイベント等も何かやりたいなと考えておりますので、もし、皆様にも何かいいお考えがあれば、教えていただけるとたいへんありがたいなと思っております。
 もう1件、深宇宙の探査を支えるアンテナの話もご紹介したいと思います。長野県の臼田宇宙空間観測所はご存じだと思いますが、ここで「はやぶさ」および「はやぶさ2」の運用を、実施しております。口径64mのアンテナで、国内唯一の深宇宙探査用地上局として、約30年にわたりJAXAの探査ミッションを支えてきました。しかしながら、このアンテナも設計寿命を大幅に超えており、加えて、ミッションが非常に高度化してきております。そういったこともあって、新しい深宇宙探査用地上局を作るということをお認めいただきまして、建設を開始しております。現在は、建設用地の造成に着手したところです。平成31年度には運用開始する予定で進めております。

宇宙ベンチャー企業との連携

 宇宙ベンチャー企業との連携について、2件ご紹介します。「HAKUTO」を運営している株式会社ispaceと覚書を締結することになりました。ispaceさんは、将来、月をターゲットとした事業を展開されることをお考えのようでございますが、今回ispaceさんとJAXAは、両者が持っている知見をあわせて、月の資源の採掘、輸送及び利用等に関する産業の創出・展開に向けた構想を、具体的に検討しようということで、JAXAには新事業促進部という部署がありますが、そこが中心となってispaceさんと構想の検討をするということになりました。これ以外にも、関係する我々の事業といたしましては、宇宙探査オープンイノベーションハブを相模原地区に置いていますが、地球以外の重力天体への進出を想定したインフラの構築に関する基礎研究を進めております。そういった知見も生かして、ispaceさんとの今後の構想の検討を進めていく予定です。
 もう1件は、アクセルスペース、この企業についても皆様ご存知と思いますが、今回連携のための覚書を締結することとなりました。アクセルスペースさんが計画されている事業として、50機の超小型衛星で構成される地球観測インフラ、「AxelGlobe(アクセルグローブ)」の構築を推進されていらっしゃいます。これに関して、アクセルスペースさんが観測するデータから地球観測のプロダクツを生成することについて、私どもが技術的助言等を行うことを骨子としております。一方、私どもは、アクセルグローブから得られるデータを提供いただいて、地球観測に関するプロダクトについて、より中身のあるものを構築していけるのではないかと期待しております。両者それぞれのメリットがあるということで、覚書を締結して一緒にやっていこうということになったわけでございます。
 今年宇宙2法が成立して、いよいよ民間企業によって宇宙を積極的に産業利用をしていくという時代を迎えた日本の中で、JAXAとしてもできるだけこういった企業活動を後押しできるように支援していくという基本的な方針に沿って、今申し上げた2社ともそれぞれのメリットのあるような覚書を締結して、これから連携してまいりたいと思います。

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