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平成29年3月理事長定例記者会見

理事長定例記者会見 奥村理事長の定例記者会見のトピックスをお伝えします

日時:平成29年3月10日(金) 13:30-14:00
場所:JAXA東京事務所 B1F プレゼンテーションルーム
司会:広報部長 庄司 義和

超小型衛星放出利用の拡大に向けた北海道大学/東北大学との包括連携協定

 国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」からの超小型衛星放出利用の拡大に向けて、昨日(3月9日)、北海道大学、東北大学とJAXAが包括連携協定を締結しました。JAXAは「きぼう」から超小型衛星を放出する事業に力を入れており、前にも報告したように、放出能力も上げております。アジアを中心として超小型衛星のニーズが非常に高いと認識しておりまして、両大学の実績、今後の展開能力、それにJAXAの知見を加えるとさらにアジア地区の超小型衛星の開発を促進できるのではないかと考え、この度協定を締結しました。
 昨年4月、「きぼう」からフィリピン初の衛星で、50kg級の衛星DIWATA-1を放出しましたが、これも、北海道大学と東北大学がフィリピンと共同開発したものです。また、昨年11月には、両大学が中心となって、アジアの9か国16機関が参加するアジアマイクロサテライトコンソーシアム(AMC)を立ち上げ、各国、各機関と連携して、超小型衛星の利用拡大に積極的に取り組んでおられます。
 以上のような背景、実績のもと、今回さらに両大学と協力して、アジア諸国のニーズに応え、その地域の人材育成や国際貢献の役に立てればと思っております。

国際会合(GSTC: Global Space Technology Convention)への参加

 2月23日、24日に、シンガポール宇宙技術協会主催の国際宇宙技術会議(GSTC)に参加してきました。この会合は、2008年から毎年シンガポールで開催されており、今年が10年目に当たります。日本、インドネシア、フィリピンといったアジアの国々はもとより、フランス、英国等の宇宙機関、欧米の宇宙関連企業が多く参加していました。
 シンガポールとは深い付き合いはしてきておりませんが、今回会議に参加して、非常に高い技術力を持っている企業、大学の研究者がいらっしゃり、積極的に宇宙利用を展開されているという勢いを感じました。特に今回の会議がニュースペースと言われる宇宙新興企業と小型衛星ビジネス展開が話題の中心で、今のシンガポールの実態に合っているということを痛切に感じました。私共も、機会があればこういった国々の機関、企業、大学等と連携していく必要性を感じています。
 この機会に宇宙関連のスタートアップ企業2か所を視察しましたが、優れた方が事業展開されており、優れた技術等をお持ちだと感じております。良い意味で、今後協力関係、場合によっては競争になる局面もあるかもしれませんが、協力関係を探っていきたいと思います。
 昨年大西飛行士がISS滞在中に、アジアン・トライ・ゼロGという、アジア各国の学生が提案した簡単な物理実験を行いました。今回の会合ではその様子も映像で紹介され、「きぼう」の活動がアジアの人々にも広く行き渡る機会になっており、現地の方々の馴染みになってきたのかと感じております。これを機会に、さらにアジアの方々との協力関係を進めて参りたいと考えております。

宇宙探査イノベーションハブ

 宇宙探査イノベーションハブ事業は、地上の技術を宇宙に活用しようと、また成果を宇宙に活用すると同時に地上の成果にも結び付けようと、やや欲張った事業でございますが、現在までに2回研究公募を行い、40件を選定しております。今回、第1回提案時に採択された研究の成果が出ましたのでお知らせします。
 建築機械のアタッチメントメーカである株式会社タグチ工業を中心とするチームが、軽金属とCFRPでアームを試作しました。特にCFRP製の油圧シャベル用のアームについては、従来の鉄製に比べると重さは1/3となり、かつ、建機の機能も向上しています。具体的には、泥を掘るときの掘削量が増え生産性も上がるということで、軽量化の効果が出てきています。因みに、この開発には、東京農工大、また、JAXAの複合材研究チームが協力しております。将来、月などに行き、現地で建築物を作るとき、こうした機械を使用することになると思います。これからも成果が出てくることを期待しておりますので、その都度皆様方にお知らせしていきたいと思っております。

海外寡占部品の国産化例としての高精度ガス計測センサ

 JAXAでは宇宙開発の自律性確保のため、宇宙機に使われる部品で、海外に独占・寡占されている重要部品について、国産化を図るよう企業の皆さんと研究開発を続けています。今日報告するのはその一例です。
 宇宙機は飛んでいるときに自らの機体からガスを放出しますが、それが宇宙機の望遠鏡など光学機器の表面に付着すると、曇って観測する光量が落ちます。これまで活躍した、太陽観測衛星「ひので」、X線天文衛星「すざく」にしても、そうした経験があり、汚れを出さないということが重要なニーズになっています。現在のところ、出来るだけ揮発しない材料を使う、あるいは打ち上げる前にベーキングをして、出るものは強制的に出してしまう、そうした対応をして打ち上げています。その際、どれだけガスを放出しているかきちんと計測する必要がありますが、残念なことに計測センサはアメリカのある特定の企業1社にしか供給元がありません。また、私共JAXAだけではなく国内のメーカも含めて、価格及び性能については必ずしも十分に満足していないと聞いており、何とか国産化しようと、JAXA研究開発部門と企業とが一緒に努力してきました。今回、日本電波工業株式会社と共同で新しい方式のセンサを開発することが出来ました。具体的なスペックは後ほど発出するプレスリリースをご覧ください。機能、価格等についても十分競争力のあるものと自負しており、企業の方でも商品化を検討していると聞いております。こういった仕事も続けておりますので、ご紹介させていただきました。

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