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平成29年6月理事長定例記者会見

理事長定例記者会見

奥村理事長の定例記者会見のトピックスをお伝えします

日時:平成29年6月9日(金) 13:30-14:00

場所:JAXA東京事務所 B1F プレゼンテーションルーム

司会:広報部長 庄司 義和

株式会社日本政策投資銀行との連携協力について

 株式会社日本政策投資銀行(DBJ)との連携協力に関する5月22日のプレスリリース以降、多くの方面から大変ご関心を持っていただき、また私自身もDBJ幹部とお会いし、JAXAへの連携協力に対する役割について、期待の大きさを実感したところです。
 航空分野については1年前から協力関係を結び、先進技術の動向調査を行い、私共の知っている限りの情報を提供して協力してまいりました。その結果、具体的なファイナンスの案件調整に入るところまできております。航空分野における研究開発の加速を目指し、JAXAはDBJのお持ちになっている投資機能や市場動向把握機能を期待して、今後も各重点課題の技術選定などを通じ、協力を図っていきたいと考えております。
 宇宙分野については、先般のプレスリリース以降、これから具体的な準備に入りますが、既に社内に連携協力をできる体制を整えつつあります。今後、政策投資銀行との協力体制の整備を更に加速していきたいと考えております。こういった活動を通して、今、政府で準備されている「宇宙産業ビジョン2030」にも貢献できるのではないかと、私自身も期待しております。

空港低層風情報ALWINの実運用結果について

 以前紹介したとおり、気象庁とJAXAが連携して、航空機の着陸時における空港の気象状況、風速、風向といった情報を、ライダやレーダを使って測定し、機長にリアルタイムで情報提供し、より安全な着陸をしていただこうという技術開発を進めてきました。この技術開発は、国土交通省航空局が定める「将来の航空交通システムに関する長期ビジョン(CARATS)」の一環として取り組んできました。2013年から日本航空株式会社(JAL)、全日本空輸株式会社(ANA)と協力関係を結び、この技術の有効性、実効性を検証した結果、パイロットの約9割から安定した着陸に繋がるというポジティブな評価をいただき、羽田空港と成田空港で実運用が始まりました。また6月1日には、JAL、ANAから感謝状を贈呈いただきました。このようなシステムは、世界初のものです。現在は羽田と成田の2つの空港だけですが、観測機器であるレーダやライダが必ずしも十分に備わっていない地方空港でも実運用が可能なシステムの開発を引き続き進めております。日本の航空機の安全な運航に貢献できるよう、JAXAは関係府省、関係機関の皆様と協力して、研究開発を進めて参りたいと考えております。

温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)の観測データによるメタンの全大気平均濃度データについて

 温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)によるメタンの全大気濃度測定データを、先日、環境省及び国立環境研究所(NIES)とともに公表しました。メタンは温室効果ガスの中でも、二酸化炭素に比べると大変高い温暖化効果のある元素として知られており、その地球温暖化への寄与は同じ量の二酸化炭素の約25倍と言われています。このメタンを正確に測ることが、将来の地球の温暖化の予測をするうえで、極めて重要です。メタンについては、かねてより地表近くの測定データはありますが、地表から高い高度における領域まで含めた、地球全体を取り囲むメタンの総量を測ることは人工衛星でないと出来ません。この度、私共が得たデータが、世界初のメタンに関する濃度変化の情報になります。地球温暖化を検討している国連気候変動に関する政府間パネル等でも、メタンの全球的な濃度に注目しており、私共のデータはそういった分野における要求に対して整合が取れていると考えております。これまで約8年間に亘り「いぶき」のデータを取得しており、今後どのように活用していくかはまだまだ検討の余地はあります。私共宇宙機関としては、更に精度向上に資するよう観測技術を磨き、地球温暖化問題の解決に向け、この分野における日本の貢献・JAXAの貢献を果たしていきたいと考えております。

国際宇宙ステーション日本実験棟「きぼう」から放出する超小型衛星BIRDSについて

 九州工業大学で人材育成を目的として立ち上げた「BIRDSプロジェクト」に関して、モンゴル、ガーナ、バングラディッシュ、ナイジェリア、タイの留学生が主体的に開発した最初の超小型衛星5機が、7月7日に「きぼう」から放出される予定です。今回も放出の様子を筑波宇宙センターで公開する予定です。
 放出の際には、先ほど申し上げた国々の関係の皆様にもおいでいただけると聞いております。詳細が決まりましたら皆様にもお知らせいたします。

国際宇宙ステーション日本実験棟「きぼう」を利用した高品質タンパク質結晶生成実験

 「きぼう」の微小重力環境を活用して新薬開発目的の高品質なタンパク質結晶化実験を進めていることは、以前報告いたしました。その中で、民間の大学発ベンチャーであるペプチドリーム株式会社と有償契約で協力関係を築いてきました。今年の2月から3月にかけて「きぼう」で宇宙実験を行い、高品質のタンパク質結晶を作っていましたが、その際、新たに結晶化させる技術を採用しました。従来は約20℃で結晶化させてきましたが、さらに高品質を狙い約4℃で結晶化させる技術を適用した結果、ぺプチドリームから提供された難しいタンパク質と特殊環状ペプチドの結晶化に成功しました。これはこれまで得られなかった結晶で、新しい情報が抽出できるのではないかと期待されております。
 この結果に基づき、ペプチドリームからさらにサンプル数を増やしたいとの要請があり、これまでの取り決めのサンプル数の6倍に増やして、創薬デザインの支援を私共JAXAとしても進めていくことにしております。この後プレスリリースを出しますので、技術的な内容等についてはそちらをご覧ください。

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