ページの先頭です

平成29年7月理事長定例記者会見

理事長定例記者会見

奥村理事長の定例記者会見のトピックスをお伝えします

日時:平成29年7月14日(金) 13:30-14:00

場所:JAXA東京事務所 B1F プレゼンテーションルーム

司会:広報部長 庄司 義和

金井宇宙飛行士の近況について

 金井宇宙飛行士は4月に一時帰国した後、ヒューストンに戻っており、日本時間7月29日にカザフスタンのバイコヌールから打ち上げ予定のソユーズ51Sのバックアップクルーとして訓練をしております。
 このバックアップクルーのアサインがなければ、任命が解かれた後、12月頃に予定されている53Sソユーズの打上げに向けて引き続き訓練に入ることになっております。宇宙飛行士として習熟しなくてはいけない技能はいくつもあり、宇宙服を着用しての訓練や、まだ正確なミッションはまだ決まっていないものの医師としてのバックグランドを活かし、軌道上で実施する可能性のある様々な医学や生物実験の訓練をヒューストンのジョンソン宇宙センターで行っております。また、打上げのタイミングの近くになりましたら、新しい情報を皆様方に紹介したいと思っております。
 最近では、将来の宇宙探査に関する検討会も文部科学省でも行われております。2025年以降の有人探査に繋がる技術の獲得につながるよう、金井宇宙飛行士をはじめ、金井宇宙飛行士のミッションに携わる皆さんに頑張ってほしいと、私はお願いしております。

国際宇宙ステーション「きぼう」船内用の船内自在移動カメラ「Int-Ball」(イントボール)について

 国際宇宙ステーション日本実験棟「きぼう」の内部で自在に動き、映像を撮る基本機能をもつ新しいシステムをご紹介いたします。

 私共は、「きぼう」において宇宙飛行士が行う船内作業について、宇宙飛行士の行動分析を行ってきました。宇宙飛行士の皆さんには、宇宙飛行士でないと出来ない作業、実験、業務に集中していただきたく、船内作業の中で自動化できるものについては可能な限り自動化して行こうという方向性をもって検討を進めております。今日ご紹介したいのは、「きぼう」内部の撮影を行う機能を持った一種のボール型カメラドローンです。行動分析をしますと、宇宙飛行士の作業時間の中に撮影という作業が10%ぐらいを占めます。これは大変大きな比率ですので、なんとか自動化したいと今回の開発を進めてまいりました。現在、「きぼう」の中で検証中であるカメラドローン「Int-Ball」といいますが、基本的には筑波の管制室から遠隔操作で「きぼう」船内を自由に移動して、静止画及び動画を撮影することができます。技術的な特徴としては、今回JAXAが開発した世界最小サイズの超小型三軸姿勢制御モジュールを搭載しており、ドローンの位置と姿勢を三軸で制御しております。このような機能を持ったものは、ISSの中ではInt-Ballが初めてになります。実証実験が終わった後には、定常運用フェーズでも活用していきたいと思っております。
 今後の有人活動についてはこれから議論されていきますが、このような技術は、将来のミッションにも引き継がれていく可能性の大きい技術であろうと考えております。
 本日、本邦初公開で皆様にご紹介させていただきました。

太陽観測衛星「ひので」(SOLAR-B)の皆既日食観測について

 今年、日本時間で8月22日に、北米大陸にて皆既日食のチャンスがあります。このチャンスを活かし、「ひので」の観測と米国航空宇宙局(NASA)等の地上観測チームが連携して、太陽観測を行います。特に、皆既日食のときにしか見ることが出来ない白色光コロナと「ひので」が観測するX線コロナを比較することで、コロナの電子密度を求めることができます。これらの観測結果から、コロナの構造やそこで頻発する太陽ジェットのメカニズムの解明に役に立つと期待されています。このような滅多にないチャンスを活かして得られた情報は、太陽の構造や特徴を理解するうえでも重要ですし、さらに広げて言えば、気候変動との相関或いは地球環境にも影響を及ぼしますので、実生活においても役に立つ情報が得られると期待しております。

H3開発に関するエンジン燃焼試験の進捗について

 LE-9エンジンの開発において、設計後初めてのエンジンシステムとして第1シリーズの燃焼試験を進めて参りまして、7月12日に第1シリーズを終了することができました。

LE-9実機型#1-1エンジン第10回目燃焼試験(グランドデッキ)

LE-9実機型#1-1エンジン第10回目燃焼試験(グランドデッキ)

 今回の実験の結果、起動/停止のシーケンス、各コンポーネントの性能データ取得といった当初目的のデータが得られたと判断しております。今回の第1シリーズの試験は、エンジンシステムとしては初めての燃焼試験であり、大変慎重に進めて参りました。
 今回は、打上げとの干渉を避けるなど、種子島ではいろいろな工夫をして、ほぼ当初目的どおりの実験を行うことができました。今後、今回得られた実験結果をさらに詳細に解析して、第2シリーズのエンジン試験も予定をしております。引き続き、気を引き締めつつ、着実に燃焼試験を進めて参りたいと考えております。

PAGE TOP