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平成30年1月理事長定例記者会見

理事長定例記者会見

奥村理事長の定例記者会見のトピックスをお伝えします

日時:平成30年1月12日(金) 13:30-14:15

場所:JAXA東京事務所 B1F プレゼンテーションルーム

司会:広報部長 庄司 義和

新年年頭あいさつ

 皆様、あけましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願いします。

 今年は、JAXAの第3期中期計画が3月で終わり、4月から新しい中長期計画期間に入ります。第4期につながるであろう大きな項目としては、1つ目は、次世代大型ロケットH3に向けた第1段エンジン「LE-9エンジン」の開発です。既に燃焼試験を開始しており、現在のところ順調に開発が進んでいます。2020年に初飛行を目指すH3ロケットは、目下のところ、JAXAの大きな課題です。
 2つ目として、宇宙分野以外でも認められるような新しい宇宙の成果を生みだすこと、いわゆる「アウトカム」です。これまでに、人工衛星が防災情報の情報収集手段として認められ、国の防災基本計画に記載されました。今後もこうしたJAXAの機能を十分に発揮できるよう、ミッションを企画していかなければならないと考えています。
 3つ目として、将来の探査について日本政府としての議論の方向性が出されたことが挙げられます。第4期を迎えるに当たって、JAXAとしても、国内外の大きな動きを十分消化して、効果的にミッションを遂行してまいります。特に、国際宇宙探査については、JAXAも昨年の夏ごろからミッション提案を国内外に紹介し、また宇宙開発利用部会国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会での議論にもご活用いただき、その議論が実を結んだと理解しております。昨年12月、宇宙開発戦略本部において安倍首相から「近年の月周辺の宇宙空間の開発など、人類の活動領域が大きく広がりつつあります。こうした動きを踏まえ、米国などの関係国との協力を強化し、国際宇宙探査の議論を加速してください」とのご発言がありました。今後、政府の方針として、国際宇宙探査計画の具体化が進むと期待しており、我々としては日本の得意技術をもってプレゼンスを示す活動をさらに強化する必要があると考えております。

 JAXAは2015年に国立研究開発法人化し、「我が国全体での研究開発成果の最大化」を目指す組織になりました。すなわち、JAXAの成果をJAXA内だけにとどめることなく、我々の成果や知見を生かし、日本全体の成果として受け取れるような形にしていくという方針転換があったことを意味します。そうした背景を踏まえ、JAXAは産業振興や防災の分野への貢献を着実に進めてきました。今後とも、さらに活動の対象を広げ、また、既に始まっている活動については、より進化させていきたいと考えています。

新年度予算について

 平成30年度予算の政府原案が決定されました。JAXAにとっては新中長期計画の初年度に当たる予算となります。
 その原案によりますと、JAXAの本予算額は1540億円、前年度比4億円プラスで設定頂いております。また、補正予算がございますが、これも前年度比11億円プラスの291億円を計上いただいております。
 厳しい財政事情の中で、このように前年比増の予算を措置していただいておりますので、その意味するところを十分斟酌し、効果的、効率的な研究開発を進めてまいりたいと考えております。

役員人事について

 この1月1日付で、人事、総務、財務等の管理部門を所掌する理事を新たに任命しました。坪井前理事の後任の鈴木理事です。
 任務の詳細は既にホームページに上げておりますので、ご覧いただけたらと思います。今日は鈴木理事にこの場に来てもらっていますので、皆様方にひとこと挨拶させていただきます。

今年度の基幹ロケット打上げについて

 4つ目の事項は、今年度末までの間の基幹ロケットの打上げについてです。来週1月17日にイプシロン3号機の打ち上げ、その後、2月25日にH-IIAロケット38号機を打ち上げる予定です。
 イプシロン3号機は、今回初めて受託衛星を打ち上げる役割を担います。確実に打ち上げを成功させたいと考えております。

金井飛行士の近況について

 5つ目の事項は、ISS関係です。
 まず皆さんにお知らせしたいのは、金井宇宙飛行士の近況です。今月29日に、金井飛行士が船外活動を行うことが決まりました。作業の中身、詳細についてはまだ調整中で、18日にNASAから公表されるとのことです。今、私どもが理解している範囲ですと、金井宇宙飛行士はアメリカの宇宙飛行士とともに、カナダが開発したロボットアームの部品交換を担当する予定です。
 金井宇宙飛行士はTwitter等でも発信しているとおり、ISS到着直後から少し仕事をし過ぎじゃないかと思うくらい、業務を始めております。精力的にミッションの実行・遂行を行っているという報告です。
 特に彼なりに思い入れのある研究、すなわち、アルツハイマー病の原因分子とされる「アミロイド線維」の形成機構を調べるための実験準備や試料の保管など、彼自身が一連の実験を展開しているようです。また、先日の軌道上記者会見に引き続き、1月8日には横浜のこども宇宙科学館との交信イベントにも登場するなど、大変忙しい日々を送っているようです。私としても、ぜひいい成果を上げてもらうよう期待しております。
 ISSに関して申し上げますと、2018年は、ISS建設開始からちょうど20周年を迎える年です。また、日本実験棟「きぼう」がISSに取りつけられて、実験開始から10周年ということで、それぞれ節目の年となります。今月1月24日と25日には、ISS日本実験棟「きぼう」に関する2つのシンポジウムを開催いたします。1つはこれから「きぼう」利用をご検討されている方への橋渡しや交流の場である「きぼう利用シンポジウム」です。「きぼう」ユーザーの範囲がどんどん広がってきており、「きぼう」利用をすでに実施していらっしゃる企業や大学等の方々から「きぼう」利用の進捗、成果、展望などを発表いただき、今後の課題などを改めて振り返り、将来のステップに生かしたいと思っています。
 これに合わせて、1月25日にはISSに関する「JAXA/NASAジョイントワークショップ」を開催いたします。平成27年に日米両政府によって表明された日米協力の新しい枠組みである「日米オープン・プラットフォーム・パートナーシップ・プログラム、JP-USOP3」のもとで、JAXAおよびNASAが、積極的にISSの相互利用をしようと協力して検討を進めております。今回、NASAのISSプログラム関係者を東京にお招きして、これまでの実績、あるいは今後の展望について議論を展開させていただきたいと考えております。ぜひ皆様方にもご参加いただけたらと思います。

宇宙探査イノベーションハブのJST中間評価結果について

 次は、科学技術振興機構(JST)に予算を措置していただき、相模原地区に活動拠点を置いている宇宙探査イノベーションハブが受けた中間評価についてです。
 このプログラムは、平成27年度に国立研究開発法人が発足した際に、研究開発法人のシステム改革を促進するという政策目的の一環として設置されたものです。その際、私どもが応募して採択されて、平成27年度から2年半にわたり、JSTのご支援のもと事業を進めてまいりました。
 評価項目は、1番目がイノベーションハブの構築及び法人のシステム改革の状況、2番目が研究開発法人の状況、3番目が今後の見込みで、この大きな柱のもとに個別の評価を受けております。結果を申し上げますと、総合評価で「A」をいただきました。今後ともイノベーションハブ構築が期待できるという評価をいただいたと考えております。
 この活動でJAXAが特に意図して進めてきたポイントは、日本のいわゆる狭い意味での宇宙産業に属さない企業の皆さま方、あるいは中小企業の皆さま方、そういった方々との知恵の交流をし、新しい技術を日本から発信するということです。参画企業58社のうち50社はこれまで宇宙とはかかわりのない分野の企業の方々で、今回ポジティブな評価を受ける1つの要因になっております。非宇宙分野の企業からもユニークな技術を提案いただいており、今後ともこの事業をさらに前向きに発展させていきたいと考えております。

GCOM-C初画像の取得について

 本日、この会見後に、GCOM-Cの初画像の取得について紹介する記者説明会を開催します。GCOM-Cは12月23日に打ち上げたばかりですが、かなりきれいな画像が撮れました。皆さま方に紹介し、画像の見方や意義についての詳細な解説をさせていただきます。本会場にて実施予定です。引き続き、ご参加いただければと思います。

SJパワーMOSFETの開発について(技術紹介)

 最後に、JAXAの研究開発成果をひとつ紹介します。すべての宇宙機にとって不可欠な電源のもとになる半導体素子です。
 このたび、新しく優れた性能のデバイスを、民間事業者とともに共同開発しました。これは、損失低減を特徴とする「SJ構造」と、JAXAの耐放射線技術を融合したものです。耐放射線設計と試験をJAXAが、基本設計、製造を富士電機(宇宙用パワーデバイスの開発実績のある企業)が担当しました。
 共同開発の結果、JAXA既存製品比最大75%の電力損失低減、かつ放射線エラーを10分の1以下に低減させることができ、「損失低減」と「放射線耐性」の両面で世界最高性能を達成することができました。

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