
ロケットについてのFAQ(よくある質問と回答)
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※ロケットについてのご質問は、こちらもご覧下さい。
- Q1
- H-IIAロケットは何でできているのですか?
- A1
- H-IIAロケット(標準型)は、大きく分けて4つの部分から構成されています。
まず、一番大きな部分で打ち上げ初期からロケット全体の上昇・加速を行なうための第1段液体燃料ロケット、第1段目の両脇に取り付けられ打ち上げ当初の推力を増強する2本の固体燃料ロケット(SRB-A)、第1段燃焼終了・切り離し後、衛星などを最終加速し正確な軌道に乗せるための第2段液体燃料ロケット、さらに打ち上げ時の空気抵抗、空力加熱、外部音響などから衛星を守るためのカバーである衛星フェアリングからなっています。
第1段で一番大きな部分は、燃料(液体水素)と酸化剤(液体酸素)のタンクになります。タンクはロケット外壁と共通になっており、その材料はアルミ合金製です。これらタンクは質量を極力軽くし、かつ強度を保つため、内面が格子状に機械加工されています(アイソグリッド構造)。第1段にはタンクのほか、メインエンジンである高性能なLE-7Aエンジンや各種搭載電子機器、ヘリウム加圧タンクなどがあります。固体燃料ロケットは、固体推進剤(過塩素酸アンモニウムとアルミニウムを合成ゴムに混ぜて固めたもの)を使用しており、炭素系複合材料製の機体の中に納められています。
第2段は、第1段と同じく液体水素タンクおよび液体酸素タンクが一番大きな部分で、これらはともにアルミ合金製です。また内面はアイソグリッド構造となっています。この他第2段にはLE-5Bエンジン、慣性誘導装置・電子機器などがあります。
ロケットの先端部分である衛星フェアリングは、素材としてはアルミ合金製ですが、円錐部分にはロケット飛行中の空力加熱を防ぐためのシリコン系の断熱材が塗布されています。
- Q2
- ロケットの噴射の力はどうやって出すのですか?
- A2
- ゴム風船にいっぱい空気を吹き込んでから手を離すと、風船は空気を吹き出しながら飛んでいきます。このとき風船を動かしているのは、空気を吹きだした反動による力(推力)です。
推力は、空気が吹き出される向きとは反対の向きに働きます。ロケットが飛ぶ原理もこれと同じです。ロケットは、エンジンの中で高圧の燃焼ガスを大量に作って、それを後方に高速で噴射することによって、前方に対する推進力を得ています。
- Q3
- ロケットの燃料は何でできているのですか?
- A3
- ロケットの燃料は大きく分けて、固体燃料と、液体燃料の2種類に分けることができます。それぞれ特徴があり、用途によって使い分けます。
固体燃料ロケットの推進剤は、一般的に燃料(ブタジエン系の合成ゴムなど)と酸化剤(過塩素酸アンモニウムなど)を均一に混ぜ合わせて固めたものを使用しています。固体燃料ロケットは、誘導制御などが比較的難しく、制御の面では液体ロケットに劣りますが、構造が簡単なので、信頼性が高く、後に述べる液体ロケットに比べて開発・製作・取り扱いが容易であると同時に同じ大きさの液体燃料ロケットと比較すると、大きな力(推力)を出すことができます。JAXAの母体の一つであるISASの場合、すべてのロケットに固体推進剤が使用されてきました。科学衛星打ち上げ用ロケットであるM-Vの場合、酸化剤に過塩素酸アンモニウム、燃料にアルミニウム、粘結剤にポリブタジエンが使われています。ポリブタジエンは合成ゴムで、燃料にもなります。これについてはQ4で詳しくお答えします。
一方、液体ロケットの推進剤は、一般的に燃料(液体水素など)と酸化剤(液体酸素など)が別々のタンクに入れられ、それぞれ燃焼室に送られます。燃焼室に推進剤を送り込む方法として、「ガス圧式」、「タービン式」などがあります。構造が複雑なため、固体ロケットに比べ開発・製作・取り扱いなどが容易でないのですが、誘導制御が容易であるという利点があります。
現在、H-IIAロケットのLE-5BやLE-7Aといったロケットエンジン(Q8参考)では、酸化剤に液体酸素(LOX)、燃料として液体水素を組み合わせた「水素推進系」を使っています。また現在、液化酸素と、安価でロケットの小型軽量化が可能な液化天然ガス(LNG)を使用する「LNG推進系」の研究も進められています。
- Q4
- 固体燃料と液体燃料の別方式があるのはなぜですか?
- A4
- 打ち上げに使われる固体燃料と液体燃料にはそれぞれの長所と短所があります。主な比較は、下の表に示してありますが、ここでは固体燃料についてご説明しましょう。
1955年に水平試射されたペンシル・ロケット以来、日本では科学観測に固体燃料のロケットを用いてきました。1970年に日本最初の人工衛星「おおすみ」を打ち上げてからも、固体燃料のロケットである「Mロケット」のシリーズを改良してきました。科学衛星の打ち上げに使われてたM-Vロケットは、輸送能力・制御能力などすべての点で、固体燃料ロケットにおける世界最高の水準にあり、世界のロケット技術において高く評価されています。
液体燃料ロケットに比較して、固体燃料ロケットは、極端に精確な制御能力は持っていませんが、科学観測のための衛星においては、実用衛星に比べると、軌道に投入されてから精確に軌道決定されれば観測に支障のないものが多く、今日まで固体燃料ロケットが使われているゆえんです。この固体燃料ロケットの強力なバックアップを得て、日本の宇宙科学は1970年代から1990年代にかけて、世界に例を見ない飛躍的な発展を遂げ、X線天文学、宇宙プラズマ物理学、太陽物理学などにおいて、世界のリーダーとなる顕著な成果を挙げてきています。
一方1960年代において、宇宙開発の実利用が進むにつれて、日本もこの分野に乗り出すべく準備が進められ、1969年にNASDAが設立されました。NASDAが担当する実用衛星は静止軌道に投入されるものが多く、制御能力にすぐれた液体燃料ロケットを開発すべく、アメリカからの技術導入に頼って技術の開発に努め、H-IIロケットに至って、ついに国産化に成功したのです。しかし第1段の推力を補強する補助ブースターにおいては、アメリカのスペースシャトルと同様に固体燃料には捨てがたい魅力があり、H-IIAロケットにおいても、ISASが開発し世界の最高水準にある日本の固体燃料ロケット技術が活用されています。
固体燃料と液体燃料という2つの方式は、決して一方だけで宇宙輸送をなしうるものではなく、補い合いながら効率的なシステムを構築しています。液体燃料ロケットが主流となるかに見えた昨今、アメリカ、ヨーロッパ、ロシアにおいて期せずして固体燃料ロケットへの見直しが始まっているのは、こうした背景があるからです。
固体燃料ロケットと液体燃料ロケットの比較
<固体燃料ロケット>
1.構造が簡単なので取り扱いが容易である。
2.誘導制御が難しい。
<液体燃料ロケット>
1.構造が複雑なので取り扱いが難しい。
2.誘導制御において優れている。
- Q5
- H-IIAロケットには、なぜ固体ロケットブースタ(SRB-A)がついているのですか?
- A5
- SRB-AのSRBとはSolid Rocket Booster(ソリッド・ロケット・ブースター)の略で、固体燃料を使ったロケットのことです。
H-IIAロケットは固体ロケットブースタ(SRB-A)を両脇に抱えています。直径約2.5メートル、全長約15メートル、重量約75トンのこのSRB-Aは世界で3番目に大きい固体ロケットブースタです。衛星搭載時280トン以上にもなるH-IIAロケットを地上から一気に持ち上げるための力は、並大抵のものではありません。そこでこのSRB-Aが第1段の液体燃料を使用したLE-7Aエンジンと力を合わせて、H-IIAロケットを一気に上昇させるのです。SRB-Aを両脇につけているもう一つの理由は、もっと重い衛星を打ち上げる際にわざわざ専用のエンジンや機体を新たに開発することなく、今あるロケットにブースタを追加する方が効率的だという発想です。2006年12月18日に打ち上げたH-IIAロケット11号機では、SRB-Aを4本取り付け、打ち上げ能力をさらに高めています。
- Q6
- LE-7Aエンジン、LE-5Bエンジンとはどのようなエンジンですか?
- A6
- LE-7A、LE-5Bエンジンは、日本が独自に開発したエンジンで、それぞれH-IIAロケットの第1段、第2段に使用されています。どちらのエンジンも燃料/酸化剤として、液体水素/液体酸素を使用した高性能エンジンです。
第1段のLE-7Aエンジンは真空中で約112トンもの大推力を発し、このタイプの中で世界最大級のものです。燃焼方式は、「2段燃焼サイクル」を採用しています。まず液体水素と液体酸素の一部を燃焼させ、そのガスでターボポンプが駆動。その後、さらに液体酸素を加えて再度燃焼させるという効率の良い方式です。
H-IIAロケットの第2段エンジンとして開発されたLE-5Bエンジンは、H-IIロケットの第2段のLE-5Aエンジンをさらに改良したものです。推力は真空中で約14トン、構造もシンプルでトラブル発生率の低い高品質、高信頼のもので、LE-5Aと同様にエンジンを2回燃焼させる再着火機能を持っています。つまりエンジンを1回燃やして速度を出し、火を消してしばらくおき、さらに再び燃焼させ、また速度を出す、という2段分のような働きが得られます。また1回目、2回目の燃焼時間も自由に設定できるので飛行がより柔軟に設定でき、さまざまな軌道に投入することが可能です。
- Q7
- エンジン開発に必要な、風洞実験設備はいくつありますか?
- A7
- 6.5メートル×5.5メートル低速風洞、2メートル×2メートル低速風洞、2メートル×2メートルm遷音速風洞、0.8メートル×0.45メートル高Re数遷音速風洞、1メートル×1メートル超音速風洞、0.2メートル×0.2メートル超音速風洞、1.27メートル極超音速風洞、0.5メートル極超音速風洞、0.44メートル極超音衝撃風洞、磁力支持風洞、小型低乱風洞、高温衝撃風洞の12個が主な風洞です。
- Q8
- ロケットの名前はどのようにして決まるのですか?
- A8
- 基本的には、ロケットを開発している機関が命名しています。
日本の戦後のロケット開発は、1955年、東京大学生産技術研究所の長さ23cm、直径1.8cmの開発によって始まりました。当初ロケットを順次大型化していく計画の中で、その名称はとりあえず「タイニー・ランス」→「ベビー・ランス」→「フライイング・ランス」の順で開発を進めることになりました(ランスとは投げ槍のことです)。最初に開発された鉛筆程度の大きさのこのロケットは、文字通り「ペンシルロケット」と言われました。
また並行して、固体燃料を使用した長さ1メートル程度のロケットを開発、「ベビーロケット」と命名されました。その後、上層大気を観測するためのロケットとしての本格的な固体燃料ロケットが開発されました。このロケットは「フライイング・ランス」ではなく結局は「カッパー(K)」と命名されました。これは「カッパ」という言葉の歯切れの良さと、架空の動物「河童」とは関係はありませんが語感がユーモラスであるということがありました。カッパーロケットは4型、6型、8型、9型、10型など各種が開発され、地球の上層大気の観測に大きな貢献をしました。
その後さらに大型の「ラムダ(L)ロケット」が開発され、我が国初の人工衛星の打ち上げが行われました。1970年のことです。その後、科学衛星打ち上げ用の固体燃料ロケットとして、「ミュー(M)ロケット」の大型化を進めてきました。名称の流れを見ますと、ペンシル→ベビー→カッパー(K)→ラムダ(L)→ミュー(M)の順になっています。
一方、実用衛星打ち上げ用型ロケットして開発した液体燃料ロケットは、固体燃料ロケットのK、L、Mに続くもの、また日本の頭文字として、「Nロケット」と命名されました。NロケットはI型およびII型が開発・運用されましたが、その後より大型のロケットの開発が行われました。そのロケットの名称は「Hロケット」となりました。実はこのロケットの第2段には高性能の燃料である水素が使われています。そこでこのロケットの名称として、水素の頭文字(H)を使用することとなったのです。H型のロケットもI型およびII型が開発され、現在II型の発展型であるH-IIAロケットが運用されています。このように日本のロケットの名称は、それまで開発された多くの小型ロケットも同様に、簡単な記号で表しており、かつその名称は開発した機関が命名してきました。
- Q9
- 切り離したロケットはどうなるのですか?
- A9
- 切り離したロケットなどは、そのまま海に落下させます。H-IIAロケットの場合は、第1段目に固体ロケットブースタを装着した2段式になっています。従って、燃焼の終了したロケットから順次切り離しを行い、海に投棄していきます。もちろん切り離しをしたロケットの落下予想海域を指定し、打ち上げ時間帯にその海域には入らないよう各方面に協力をお願いするとともに、ロケット打ち上げにあたってはその海域に船舶などが入っていないことを確認した上で打ち上げを行います。
- Q10
- H-IIAロケットは、なぜ種子島で打ち上げるのですか?
- A10
- 地理的条件、安全性、経済性など、いろいろな要因を検討した結果、種子島に射場を設置して打ち上げを行っています。
需要が多い通信・放送衛星、気象衛星などが利用する赤道上空約36000kmの高さを西から東へ回る静止軌道(衛星の周期が地球の自転周期と同じで、地上から見ると衛星が常に静止しているように見える軌道)に向けてロケットを打ち上げる場合、エネルギー的に最も有利になるのは赤道上からの打ち上げです。
その一番の理由は、多くのエネルギーが必要となる軌道面を変える制御が必要ないからです。例えば、緯度30度の地点から東に向かってロケットを打ち上げ、高度約36000kmの円軌道に乗せた場合、赤道上空の静止軌道に対し30度の傾き(軌道傾斜角)が生じます。よって静止軌道に移すためには、軌道面を30度傾けなくてはならず、この制御には多くのエネルギーが必要となります。打ち上げ場所が赤道に近ければ近いほど、この軌道傾斜角は小さくなり、軌道面を傾けるためのエネルギーが少なくて済みます。
違った見方をすると、同じロケットで赤道上空の軌道に打ち上げる場合、赤道の近くから打ち上げた方がより重い衛星を軌道に乗せることができることになります。
また、赤道付近が有利になるもう一つの理由として、地球の自転エネルギー(速度)を最大限利用できるという点が挙げられます。地球は西から東に自転しており、一番速度が速い赤道上では秒速約464m、種子島付近でも秒速約400mもの速度で動いているため、ロケットを東向きに打ち上げる場合、この運動エネルギーをロケットのスピードに加算できるのです。
一方、地球を東から西に回る逆行軌道の場合は、地球の自転速度が無い方が打ち上げに必要なエネルギーは小さくなります。例えば、地球を観測する衛星の代表的な軌道である太陽同期軌道(太陽との角度が常に一定となる軌道)に衛星を投入する場合には、軌道傾斜角が約98°の逆行軌道を取る必要がありますので、地球の自転速度が小さい方が好ましく、打ち上げ射場は極付近にあったほうがエネルギー的に有利になります。
このように、東向きに回る軌道に人工衛星を打ち上げる場合と、西向きに回る軌道に打ち上げる場合とでは、地理的に有利になる条件がまったく異なりますが、衛星の需要を考えると、東向きに打ち上げるものが多いことから、多くの国がそうしているように、日本もできるだけ赤道に近く(南側)、東側が開けている場所に打ち上げ射場を設置することにしました。
その他、場所の選定にあたって留意すべき点としては、打ち上げ方向に定期的な航空路や航路がなく、射場を設置するための広大な敷地が容易に確保できること、打ち上げ時の安全を確保するため射場周辺に民家などがないこと、打ち上げ作業などを進めるにあたり交通の便がよいことなどがあげられます。現在の種子島宇宙センターは、これら全ての条件を完璧に満たしているわけではありませんが、他の場所との比較により、最も条件に合った場所であるとの判断により選ばれました。
- Q11
- 種子島のほかにロケット発射場はありますか?
- A11
- 国内では、内之浦宇宙空間観測所でロケットの打ち上げを行っています。内之浦宇宙空間観測所は鹿児島県大隅半島の東方に位置する内之浦町に1962年2月に建設されました。広さはトータルで71ヘクタールあり、起伏の多い地勢の山腹を削って造成された台地に発射台地、テレメータセンター、ロケット・衛星の追跡局、そして光学観測室などの施設があります。1962年以来、人工衛星打ち上げロケットを含む300機以上のロケットが打ち上げられました。
- Q12
- なぜ日本は独自の有人(宇宙飛行士を乗せた)ロケットを打ち上げないのですか?
- A12
- 人間を宇宙に送り活動を行うためには、ロケットの打ち上げや飛行中に宇宙飛行士の生命を守るためのさまざまな環境維持システム、およびロケット自体の徹底的な高信頼性化が必要です。現在の日本の主力ロケットであるH-IIAロケットを有人仕様にするためにはさらに高い信頼性が必要であり、いくつもの技術的な壁を乗り越えなければなりません。さらには、宇宙で生活することにより人間の身体にどのような影響があるかといった生物学的・医学的問題の解決や、日本人宇宙飛行士の搭乗訓練など、さまざまな知識や技術の蓄積も必要です。
現在の日本では、有人宇宙輸送をロシアのソユーズに頼っていますが、今後宇宙での有人活動が活発化されることが予想されるため、JAXAでは再使用型輸送システムの基礎的、先行的な研究を進めています。
- Q13
- 1955年に実験が行われた「ペンシル・ロケット」は、水平に発射されたそうですが、なぜですか?
- A13
- ロケットは普通、上に向かって打ち上げられるのに、ペンシルはなぜ水平に打ち上げられたのかという質問は、よく聞きます。第2次世界大戦前のロケット技術が戦後に引き継がれなかった日本にとって、「ペンシル」はほとんど初めてと言っていいロケット実験でした。もし上に向かって打ち上げれば、ロケットの性能を知るためには、それを追い掛けるレーダーが必要です。ところが当時の日本のレーダー技術はそれほど優れていなかったので、水平に飛ばして、高速度カメラやオッシロスコープなどを使ってロケットの飛び方を見ようとしたのです。
- Q14
- M-Vロケットはなぜ斜めに発射していたのですか?
- A14
- M-Vの制御力は、垂直発射をしてもよいレベルに達していました。しかし発射直後の安全という観点から言えば、できるだけ早く海の上に飛び出た方が、何か起きた時の危険は少なくすみます。よって特に保安上の考慮から斜めの発射にしていました。
- Q15
- ロケットのレーザージャイロは、どのような働きをするのですか?
- A15
- ジャイロというのは、回転するコマがその姿勢を変えにくく、傾けるときには力が必要になるという原理を利用したもので、飛行中のロケットの姿勢を検知するための装置です。
通常この回転体(コマ)を縦、横、高さ方向の三軸にそれぞれ1個、計3個をロケットに取り付け、ロケットの姿勢が変わったときに、この回転体(コマ)にかかった力を電気的に測定して、ロケットの姿勢の変化を検知します。
これら機械式のジャイロに対して、レーザージャイロとは、回転体(コマ)の代わりにレーザー光を使用したジャイロです。三角形の各辺に沿ってレーザー光線を走らせますが、その時同じレーザー光線を2つに分け、左回りと右回りに走らせます。ロケットの機体が右に回転すると、右回りに走っているレーザー光線の進む距離が増え、逆に左回りに走っているレーザー光線の進む距離が減ります。戻ってきた2つの光を比べると、ロケットがどちら周りにどの程度回転したかを計算することができます。機械式ジャイロと同じように、レーザージャイロも三軸方向にロケットに取り付けていますので、ロケットの全方向での姿勢の変化を検知することができます。
このレーザージャイロは、機械式のジャイロに比べて、システム全体が小型・軽量にすることができ、また、機械的な動作を行わないため故障率が減ることにより信頼性が向上し、かつ、ロケットの姿勢の検知の精度が向上するという利点があります。
- Q16
- スペースシャトルが打ち上げから間もなく機体をぐるっと回転させるのはなぜですか?
- A16
- スペースシャトルの発射台は、スペースシャトルのために建造されたものではなく、アポロ計画のサターンV型ロケットを打ち上げるために建造したものを転用しています。そのため、スペースシャトルは南方向に背を向けた状態で発射台に乗せられます。
通常、スペースシャトルは東方向に打ち上げられるので、機首を東へ向けるためと、緊急時に操縦者(コマンダーとパイロット)がすぐに地上を見られるように、打ち上げ後に機体を回転させ、地上を背にして飛行していきます。
- Q17
- 今までにロケットの打ち上げに失敗したことがありますか?
- A17
- 固体燃料ロケットの場合、1970年2月に日本初の人工衛星「おおすみ」を打ち上げる以前に、軌道投入に4回の失敗を経験しています。その後ミュー(M)ロケットが運用状態に入ってからの失敗は、1976年のCORSA-a、1996年のEXPRRESS、2000年のASTRO-Eの3つが失敗しています。
液体燃料ロケットでは、ここ数年では1998年2月のH-II5号機、1999年11月のH-II8号機の打ち上げに2回連続で失敗しました。JAXAでは、2003年11月にH-IIAロケット6号機の打ち上げに失敗しました。