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プレスリリース

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国産高精度ガス計測センサの開発

平成29年3月10日

日本電波工業株式会社
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構

 日本電波工業(株)と国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は共同で、真空環境下において宇宙用材料等から放出されるガス(アウトガス)を計測するための新システムTwin QCMを世界で初めて開発しました。今回開発したシステムは、従来品に比べてその精度、安定度に優れた新しい方式のセンサで、今後、JAXAや国内のみならず世界の宇宙機開発におけるコンタミネーション対策に大きく貢献できるものです。

 宇宙空間においてはプラスチックや接着剤等の材料から放出されるアウトガスによるコンタミネーション(汚染)が問題となっております。地球観測衛星や天文観測衛星の望遠鏡レンズ表面等でコンタミネーションが生じると、光学性能や画質を低下させ、寿命が短くなります。このため、材料からのアウトガスの発生を可能な限り抑えられるよう、正確な計測結果に基づく部材選定が重要になります。

 アウトガス計測の分野では、従来から、水晶振動子センサによる QTGA 計測法(※1)が用いられています。参照用センサと計測用センサの差分を計測することでアウトガスの付着量を計測し、センサ温度を制御することで、物質の付着・脱離特性から何のガスかを同定しています。しかし、2つの水晶振動子センサ間の特性差や温度差が、高精度な計測を妨げる要因となっていました。この課題を解決するため、JAXAと日本電波工業(株)は共同で、独自のツインセンサ技術に基づく新型のコンタミネーション計測センサの研究開発に取り組み、開発に成功しました。

 今回開発した Twin QCM(Quartz Crystal Microbalance:水晶振動子式微小天秤)センサは、1枚の水晶振動子センサ上に参照用電極と計測用電極を設けたツインセンサ方式のため、従来品の課題であったセンサ間の特性差や温度差のバラつきの問題が解消されます。このツインセンサ技術は、日本電波工業(株)が販売中のバイオセンサ“NAPiCOS”シリーズで培った技術を用いています。またJAXAは、日本電波工業(株)とともにアウトガス計測における従来の技術的課題解決に取り組み、開発品の評価実験などを担当しました。

 日本電波工業(株)では、今後、国内外の宇宙開発機関・関連産業向けの販売を行うとともに、JAXAとの共同開発品であることを示す“JAXA COSMODE(※2)”付与製品として、コンタミネーション抑制のためアウトガス計測を必要とする半導体や建材メーカー市場等一般産業分野への展開も予定しています。

以上

(※1) QTGA (QCM Thermo-Gravimetric Analysis)
水晶振動子の電極に物質が付着するとその質量に比例して周波数が低下する「質量付加効果」によるQCM法を原理とした計測法です。
(※2) JAXA COSMODE
企業等と連携し、宇宙開発の成果を広く社会に還元し、宇宙航空の魅力を地上の生活へ届けるためJAXAが展開している「ブランド」です。COSMODE付与対象となるのは、JAXAの特許・技術を利用して生まれた商品や、JAXAの画像・映像等の著作物を活用し生まれた商品です。
Twin QCM センサ外観写真
Twin QCM センサ外観写真
専用コントローラ外観写真
専用コントローラ外観写真
販売開始時期

2017年4月

製品特性
Twin QCM センサ
基準発振周波数 10.278 MHz(基本波)
30.833 MHz(3倍波)
感度 2.39 × 108 (Hz/g)/cm2(基本波)
6.27 × 109 (Hz/g)/cm2(3倍波)
計測温度範囲 -196 ~ +125℃
外形寸法 Φ35.0 × 23.3(H)mm (突起部を除く)
専用コンローラ (最大4ch同時計測可)
計測周波数範囲 30.833 MHz ± 500 kHz
10.278 MHz ± 180 kHz
周波数分解能 ≦ 0.01Hz
動作温度範囲 +10 ~ +40 ℃
電源電圧 AC 100 ~ 240 V
外形寸法 440(W)× 132(H)× 500(D)mm
重量 10kg 以下

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