

将来、人間が宇宙で生活するときには、水、空気(酸素)、食料の自給自足ができる環境が必要です。そのためJAXAでは水と空気とゴミを再利用する技術開発を行っています。人間が物を食べれば排泄があり、呼吸をすれば炭酸ガスを排出し、水を使えば廃水があるといったように、人間の生活では必ず廃棄物が発生します。地球では、排泄物を微生物が分解し、それが植物の栄養となり、その植物を人間や動物が食料として摂取するという物質循環があります。このような地球の環境を、人工的に宇宙で作ることを計画しています。どんな種類、どんな性質のゴミ(有機物/燃えるゴミ)も短時間で確実に分解します。これは、現在のゴミ・環境問題にもすぐに役立つ技術です。
人類が宇宙開発を始めてから約50年。これまで数千回の打ち上げが行われ、数千トンにも及ぶ人工衛星などの人工物体が宇宙に運ばれました。その大部分は、ミッションが終了した後、スペースデブリ(宇宙ゴミ)として、軌道上に放置されてきましたが、これらは、細かい破片となって急激にその数を増し、最近ではスペースシャトルや人工衛星への衝突が危惧されています。
JAXAでは、宇宙環境で、地球と同じ過ちを起こさないためにも、最先端の科学技術を駆使してこの問題の抜本的解決に取り組むべく、その研究を行っています。アプローチとしては、まずスペースデブリの実体を把握すること、回収・除去すること、また他の宇宙機がデブリに衝突されないように守ること、そして今後デブリを増やさないようにすることが考えられています。
宇宙は、真空、放射線、ロケット打ち上げ時の加速度など、人間にとって過酷な環境です。宇宙で人間が活動するためには、生命維持装置が必要ですが、宇宙ロボットには必要なく、太陽電池等の電源と通信機能だけで動作します。その上、広い作業領域や大きな構造物に対して効率良く自動で作業ができます。このため、宇宙ロボットなどの無人機でできる作業は極力無人機にやらせることが、安全の面でも効率の面でも望ましいのです。
JAXAでは、宇宙での探査、組立、保守などの作業を宇宙ロボットなどで行う自律制御方法、宇宙ロボットやセンサの研究開発を行っています。
宇宙エネルギーの利用を推進するシステムとして、マイクロ波による宇宙太陽発電システムと宇宙レーザーによる高効率水素製造システムの研究開発を実施しています。また、熱制御技術、マイクロ波関連技術、レーザー関連技術などの要素技術研究も実施しています。
2011年11月30日
宇宙ゴミの除去による地球軌道の環境改善を急ぐ
木部勢至朗
2010年4月30日
宇宙での太陽光発電、実用化に向けて
福室康行
2008年7月1日
私たちの地球を守るために〜環境問題に貢献するJAXAの取り組み〜