
宇宙空間という特別な環境を利用して、地球・天体の観測や、宇宙での実験・研究などを行うのが国際宇宙ステーション(ISS)計画です。日本初の有人実験施設となる「きぼう」日本実験棟は、船内実験室と船外実験プラットフォームの2つの実験スペースからなり、船内実験室は長さ11.2メートル、直径4.4メートルの大きさです。船外実験プラットフォームは、宇宙空間を長期間利用する実験や天体観測・地球観測などに使われる予定で、船外環境をそのまま使用することができるISSの中でも独自の施設です。
2008年3月に船内保管室、2008年6月に船内実験室、2009年7月に船外実験プラットフォームがそれぞれ取り付けられ、「きぼう」日本実験棟は完成しました。
この「きぼう」の運用・管制は、現在筑波宇宙センターにある運用管制室で24時間体制で行っています。
「きぼう」では、私たち人類の将来に望みを託す実験や研究、技術開発が行われる予定です。その一つが地球観測です。現在、地球はオゾン層の破壊や温暖化・砂漠化といった深刻な環境問題にさらされています。これを地球外から観測・調査し、解決の糸口を見つけることが目的で、オゾン層を破壊する微量気体やオゾン層が発する短い電波(サブミリ波)の観測を行います。船外実験プラットフォームに搭載される世界最大の高視野X線カメラで、銀河系外の天体状況や銀河の分布の調査など天体観測も可能です。また宇宙実験では、重力のほとんどない環境を利用して、高品質なタンパク質結晶を作り、病気の原因解明や医薬品開発に役立てます。微小重力や放射線などが人間や動植物に与える影響を調べます。さらにロボットや通信・エネルギーなどの試験を重ねて技術開発も行う予定です。