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宇宙環境の利用 「きぼう」日本実験棟/国際宇宙ステーション(ISS)

国際宇宙ステーションと「きぼう」日本実験棟 とは

国際宇宙ステーション(ISS)は、地上約400km上空に建設された、人類史上最大の宇宙施設です。その大きさは約108.5m×72.8mとほぼサッカー場ほどの大きさとなり、質量は約420トンにもなります。

ISSは地球1周約90分で自由落下しながら回っているため、その中は地上の100万分の1ほどの重力しかありません。

また各種の宇宙放射線が降り注ぎ、ISSの周りは大気がほとんどがありません。

こうした特別な環境を利用して、宇宙での実験・研究や地球・天体の観測などを行うプロジェクトが国際宇宙ステーション(ISS)計画です。

科学・技術をより一層進歩させ地上の生活や産業に役立てることを目的としています。

ISS計画にはアメリカ、ロシア、ヨーロッパ、カナダ、日本の15ヶ国が参加しており、各国が最新技術を結集したこの国際プロジェクトに、日本も「きぼう」日本実験棟や宇宙ステーション補給機(HTV)などで参加しています。

国際宇宙ステーションと「きぼう」日本実験棟の特徴

1.日本初の有人実験施設「きぼう」日本実験棟

日本初の有人実験施設となる「きぼう」日本実験棟は、国際宇宙ステーション(ISS)の中で、最大の実験モジュールです。

船内実験室と船外実験プラットフォームの2つの実験スペースからなり、船内実験室は長さ11.2m、直径4.4mの大きさで、内部は1気圧に保たれており、宇宙飛行士は普段着でISSの他のモジュールと行き来をすることができます。

船内実験室では、実験ラックを使用して微小重力環境や宇宙放射線などを利用した科学実験が行われています。

船外実験プラットフォームは宇宙空間に直接曝されており、宇宙空間を長期間利用する実験や天体観測・地球観測などができるISSの中でも独特の施設です。船内実験室にはエアロックがあり、「きぼう」のロボットアームを操作して、エアロックから船外実験プラットフォームへ実験装置を直接出し入れすることが可能になっています。

2008年3月に船内保管室、2008年6月に船内実験室とロボットアーム、2009年7月に船外実験プラットフォームがそれぞれ取り付けられ、「きぼう」日本実験棟は完成しました。

2.有人宇宙技術を獲得するために

宇宙飛行士の滞在するISSには、非常に高い安全性が求められます。

その構成部品一つ一つが人体に対して安全であるのはもちろんのこと、どこかに不具合が発生しても決して人命には危害を及ぼさないよう、二重、三重の安全策がとられています。

これまで有人宇宙施設を持っていなかった日本にとって、「きぼう」日本実験棟の開発は新しい挑戦の連続でしたが、NASAなど諸外国から有人宇宙技術を吸収することで、日本独自の技術として昇華させた結果、「きぼう」日本実験棟は外国人宇宙飛行士からも称賛される、非常に完成度の高い実験モジュールとなりました。

また、「きぼう」日本実験棟は、運用管制チーム(JFCT)により、 筑波宇宙センターの「きぼう」運用管制室から24時間体制で監視・運用されています。

ISSを安全に運用するためには、ISSを構成する各国との連携が重要です。有人宇宙施設を運用するノウハウも、「きぼう」日本実験棟を通じて、獲得することができました。

これらの技術と経験は宇宙ステーション補給機(HTV)宇宙ステーション補給機(HTV)の開発・運用にも生かされています。

3.「きぼう」日本実験棟のさらなる活用

宇宙航空開発で培った技術はこれまで様々な分野に転用(スピンオフ)されてきました。

特にこれまでアメリカやロシアを中心に発展してきた有人宇宙技術は既に私たちの生活に密着した分野で応用されています。

「きぼう」日本実験棟が完成したことで、日本が優先的に利用できる有人宇宙施設を保有することができました。これからは「きぼう」日本実験棟をいかに利用していくかが課題になっていきます。

JAXAでは、「きぼう」を利用した実験テーマを大学などから公募したり、企業と共同研究を行っています。また企業が有償で「きぼう」を利用できる制度も始まっています。

今後、「きぼう」日本実験棟を通じて、宇宙実験や利用が、ますます私たちに身近になっていくことでしょう。

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