
JAXAでは、従来の大型・中型科学衛星を補完し、特徴ある宇宙科学ミッションを迅速かつ高い頻度で実現するため、小型科学衛星シリーズ(SPRINTシリーズ)を開発しています。宇宙科学コミュニティが提案するミッションの多様性を吸収し、タイムリーに小型宇宙科学観測、実験の機会を整備するためには、短期間で開発が可能な小型衛星が適しています。
小型科学衛星を低コスト、短期間で開発できるようにするため、衛星バス(電源・通信・姿勢制御という人工衛星の基本機能を提供する部分)をモジュール化し、その仕様をカタログ化することにより、多様なミッションの要求を吸収するような標準バスの開発を目指しています。これにより、搭載されるモジュールの共通利用性を高め、シリーズとしてのコスト低減を目指しつつ、各科学衛星のミッションの要求に応える、セミオーダー型の人工衛星を実現できます。
小型科学衛星シリーズを支える標準バスを設計し、実証することを目的に、小型科学衛星1号機「SPRINT-A」の開発を進めています。
「SPRINT-A」は地球を回る人工衛星軌道から金星や火星、木星などを遠隔観測する宇宙望遠鏡です。金星、火星、木星を極端紫外光(EUV)で観測することで、木星の衛星イオから流出するプラズマ領域の観測を行い、そのエネルギーがどのように供給されているかを調べたり、金星、火星など地球型惑星の大気が宇宙空間に逃げ出すメカニズムを調べます。