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X線天文衛星「すざく」(ASTRO-EII) トピックス

トピックス一覧

2015年10月20日 更新
「すざく」約1000万光年スケールで均一な元素組成、明らかに

「すざく」約1000万光年スケールで均一な元素組成、明らかに

JAXAのオーロラ・シミオネスク(Aurora Simionescu)研究員が率いる研究チームは、X線天文衛星「すざく」によるおとめ座銀河団の広域観測から、銀河団の内側から外縁部にわたって元素組成が一定であり、それは太陽系周辺の組成とほぼ同じであることを明らかにしました。

2015年8月26日 更新
「すざく」科学観測終了

「すざく」科学観測終了

2015年6月1日以降、通信不良が続いていたX線天文衛星「すざく」は、正常観測への復帰を目指し復旧運用を行ってきましたが、その後、通信、バッテリ、及び姿勢制御の状況から、科学観測を再開することが困難な状態であるとの判断に至りました。
今後は、運用終了に向けた作業を実施していきます。

2015年6月12日 更新
「すざく」通信不良~正常観測への復帰を目指す

「すざく」通信不良~正常観測への復帰を目指す

目標寿命の約2年を超えて運用を続けているX線天文衛星「すざく」(ASTRO-EII)は、2015年6月1日(月)以来、衛星の動作状況を知らせる通信が間欠的にしか確立できない状態が続いています。現時点で、通信不良は電力不足に起因すると推測しており、間欠的な衛星の動作状況を知らせる通信データの蓄積から、衛星状況の把握に努めています。
今後少なくとも1~2ヶ月間にわたって正常観測への復帰を目指し、まずは姿勢の安定と、安定した電源を確保する方法を模索することになります。

2015年3月27日 更新
超巨大ブラックホールが引き起こす銀河スケールの物質流出

超巨大ブラックホールが引き起こす銀河スケールの物質流出

米国メリーランド大学の研究者を中心とするチームは、X線天文衛星「すざく」の観測データなどから、超巨大ブラックホールが大量の物質を勢いよく飲み込む際、ブラックホールから外向きに強力な「風」が発生し、それが銀河スケールで起こる物質流出の原因であることを初めて見出したとの報告を行いました。「すざく」に搭載されたCCDカメラにより取得した分光データを詳細に解析することで、中心の巨大ブラックホールのごく近傍から、毎年、太陽1.5個分の質量で、光速の30%にも達する活動銀河核風が吹き出していることがわかったとのことです。さらに、中心のブラックホール活動と銀河内の物質の相互作用は、銀河の星形成活動にも影響を及ぼすと述べています。 本研究成果は、銀河中心のブラックホールの活動が銀河進化を理解するための鍵となることを示唆しています。

2014年1月10日 更新
宇宙の瞬間湯沸かし器

宇宙の瞬間湯沸かし器

NASAゴダード宇宙飛行センターの山口弘悦研究員を中心とする研究グループは、442年前に爆発した「ティコ・ブラーエの超新星残骸」の衝撃波において、気体中の電子が約2億度まで瞬間的に加熱されている証拠を世界で初めて捉えました。これは、X線天文衛星「すざく」による良質な観測データと、研究グループが最新の物理学を駆使して開発した理論的手法の組み合わせによって得られた画期的な成果であり、宇宙空間で普遍的に存在する「無衝突衝撃波」の理解に大きな進展をもたらすものです。
本研究成果は、米国の科学誌 『アストロフィジカル・ジャーナル』(780号:2014年1月10日発行) に掲載されました。また、『アストロノミー』をはじめとする米国各種メディアでも紹介されています。

2013年10月31日 更新
「すざく」が初めて明らかにした鉄の大拡散時代

「すざく」が初めて明らかにした鉄の大拡散時代

X線天文衛星「すざく」を用いた観測により、スタンフォード大およびJAXAの研究者たちが、100億年以上前の太古に、鉄などの重元素が宇宙全体にばらまかれた時代があり、それが現在宇宙に存在するほとんどの重元素の起源であることを 確認しました。
なお、この成果は英科学誌「ネイチャー」の2013年10月31日号に掲載されました。

2012年3月23日 更新
共食いする「毒蜘蛛」中性子星―新種のパルサー発見に、日本の総力を結集―

東京工業大、早稲田大の研究グループは、ガンマ線天文衛星「フェルミ」が発見した謎のガンマ線源「2FGLJ2339.6-0532」の正体を探るため、X線天文衛星「すざく」と世界規模の望遠鏡ネットワーク「光・赤外線天文学大学間連携(OISTER)」を駆使した観測を行いました。
その結果、半径1.6km・温度100万度の高温かつ小さな領域から熱的な成分を検出し、X線の放射源が中性子星であることを初めて明らかにしました。さらに、OISTERによる可視光観測の結果と併せ、この天体が二つの星がペアになって公転する連星系であり、高温・高速で回転する中性子星(主星)から吹き出すプラズマが伴星を加熱し、今まさに蒸発させつつあることを突き止めました。
図:「毒蜘蛛」中性子星(左)と蒸発する伴星(右)の想像図

2011年11月24日 更新
「すざく」が捉えた銀河団の衝突と合体

X線天文衛星「すざく」が、Abell2256という銀河団をX線で観測し、大小二つの銀河団が、秒速約1500kmという高速で衝突している証拠を捉えました。
この測定は、銀河団プラズマ同士が衝突・合体している現場を世界で初めて直接的にとらえたものです。 これまでプラズマ同士がこれほど激しく運動しているとは考えられておらず、プラズマの圧力だけを支えていると仮定して推定されていた銀河団中の暗黒物質の質量は、実際にはさらに大きい可能性があります。
今後このような銀河団プラズマの運動の測定を系統的に行うことで、その運動を支配している暗黒物質の総量や分布を正確に推定することができます。

2011年4月27日 更新
「すざく」とMAXIが切り開くX線天文学

JAXAと理化学研究所は、X線天文衛星「すざく」と全天X線監視装置MAXIの特長を最大限活用するため、2010年2月から「すざく」-MAXI共同観測プロジェクトを実施してきました。これまでに、中性子星連星GX304-1の中性子星の磁場がX線パルサーの磁場としては最強であることを明らかにし、物質をゆっくりと飲みこむ「草食系」ブラックホールの発見とその質量の計測に成功するなど、成果を上げています。

2011年3月25日 更新
「すざく」が銀河団外縁部を解明

X線天文衛星「すざく」はペルセウス銀河団を観測し、銀河団のサイズ、重さ、構成物質を詳細に調べることで、銀河団の外縁部では数百万度のガスが大量の塊にわかれて、むらむらを作って存在している証拠を得ることができました。銀河団中の普通の物質(バリオン)と暗黒物質(ダークマター)の比は宇宙の典型的な値(NASAのWMAP衛星の値) と同等であると予想されていますが、これまでの銀河団の観測からは、銀河団中のバリオン量はそれを下回っていました。今回「すざく」は、近傍銀河団の暗い縁に至るまで観測し、淡いガスからのX線をとらえることに成功しました。その結果、初めてバリオン量の食い違いを解決し、この結果は2011年3月25日発売の、米Science誌で発表されました。

2011年1月17日 更新
「あかり」と「すざく」が超新星爆発に伴う塵生成の兆候を確認

赤外線天文衛星「あかり」とX線天文衛星「すざく」は「(通称)ティコの超新星残骸」の観測を行っています。
観測では、超新星から放出された元素が凝縮して、塵が新たに作られる可能性を世界で初めて示しました。惑星の原料ともなる塵が、超新星爆発に伴ってどのように作られ、壊されるのかはいまだに全容がわかっておらず、惑星や生命の起源の解明に繋がる非常に貴重なデータとなりました。

2010年5月7日 更新
「すざく」論文がPASJ論文賞を受賞

金沢大学理工研究域数物科学系宇宙物理研究室 藤本龍一准教授を中心とする研究グループの成果「謎のX線放射の起源は太陽風だった!~「すざく」がとらえた地球近傍における太陽風からの輝線放射~」が、第15回日本天文学会欧文研究報告論文賞を受賞しました。この研究により、1990年代に軟X線領域で発見された正体不明の変動するX線の発生源が太陽風であったことが判明しました。

2010年4月12日 更新
「すざく」で宇宙最大の構造が成長する現場をとらえる

理化学研究所の川原田 円(かわはらだ まどか)基礎特別研究員(現JAXA宇宙航空プロジェクト研究員)を中心とする理化学研究所・台湾中央研究院の研究グループは、地球から24億光年離れた銀河団A1689を「すざく」で観測し、この銀河団が、その外側に連なるより大きなスケールの大規模構造と作用しながら成長していく姿を捉えることに成功しました。今後の理論的研究やシミュレーションと比較することで、動的に成長する宇宙の姿がますます明らかになることが期待されます。

2010年1月26日 更新
「すざく」のデータにより、木星のまわりに大きく広がる硬X線放射を発見

首都大学東京大学院理工学研究科の江副祐一郎助教らを中心とするグループは、X線天文衛星「すざく」のデータから、木星周辺に広がる硬X線放射を発見しました。
これまで他のX線天文衛星の観測から、木星本体やイオ衛星の軌道(5.9木星半径)から比較的低いエネルギーのX線(軟X線)が放射されていることは知られていましたが、イオ軌道の2倍以上もの広がりにわたって、高エネルギーX線を発見したのは世界で初めてのことです。
図:「すざく」で観測した木星周辺の硬X線画像(首都大学東京プレスリリースより)

2009年12月14日 更新
「すざく」が明かした新タイプの超新星残骸

理化学研究所と京都大学、首都大学東京は、X線天文衛星「すざく」を用いてふたご座のクラゲ星雲(約4000年前に爆発した超新星の残骸)のX線画像を撮影し、爆発直後には太陽の1万倍以上も熱い巨大な火の玉であった証拠を世界で初めてとらえました。
(画像:理化学研究所プレスリリースより)

2009年11月2日 更新
「すざく」が銀河の外で大量のレアメタルを発見

地球から2億5千万光年かなたにあるペルセウス座銀河団をX線天文衛星「すざく」で観測し、微量元素であるクロムとマンガンからのX線を検出しました。これは、世界で初めての銀河の外(すなわち銀河間空間)からの検出です。今回の結果は、「宇宙の元素量」測定の先駆けとなり、宇宙の元素合成の歴史を探る上での貴重な手がかりとなります。


X線で見たペルセウス座銀河団X線
天文衛星「あすか」で取得されていたX線画像に、「すざく」で今回観測を行った範囲(ピンクの四角)を重ねてあります。

2009年7月15日 更新
「すざく」打ち上げから4周年、最近の成果を報告

2009年7月10日に打ち上げから4周年を迎えたすざくは、現在もさまざまなX線天体の観測を行ない、日々新しい発見をもたらしています。
最近の成果として、「超高エネルギーまで電子を加速するTeVガンマ線連星」「新星は新たな宇宙線の起源か?」「すざくが解明した天の川分子雲の3次元分布」等、5つの論文が発表されました。
写真:世界初のX線投影写真

2008年11月4日 更新
「すざく」、50億光年のかなたに宇宙で最もホットなガスを確認

地球から約50億光年の距離にある銀河団RXJ1347を「すざく」衛星で観測し、その銀河団の中に3億度という宇宙で最も温度の高いガスが存在していることを確認しました。これは銀河団同士が高速で衝突、合体し、激しいガスの加熱がおきた証拠であり、銀河団がより巨大な天体へと成長していくまさにその過程をとらえた成果であると考えています。

2008年9月11日 更新
「すざく」レアメタルの生成現場を宇宙で初めて確認

理化学研究所の 玉川 徹 専任研究員を中心とする研究グループは、「すざく」衛星でティコの超新星残骸を精密に観測し、そこでクロム、マンガンが生成されていることを発見しました。その生成現場が特定されたのは初めてのことです。クロムとマンガンは、生成現場の温度や物質密度に敏感なため、星の爆発メカニズムを知る最も重要な元素だと考えられています。今回の発見で、超新星爆発の燃焼に衝撃波が関与していたことを示唆する結果を得ました。

2008年4月17日 更新
300年前に眠りから覚めた天の川銀河中心のブラックホール

われわれの銀河中心にあるブラックホールが300年ほど前に大爆発を起こしたことを、日本の研究チームが、日本のX線天文衛星「あすか」と「すざく」、NASAのチャンドラX線天文台、ヨーロッパ宇宙機関のXMM-ニュートンX線天文台の観測結果を総合して導き出しました。

2008年1月17日 更新
「すざく」、白色矮星パルサーを発見

埼玉大学の寺田幸功准教授を中心とする研究グループは、X線天文衛星「すざく」の観測データから、白色矮星と普通の星の連星系である「みずがめ座AE星」からのエネルギーの高いX線が、白色矮星の自転に同期して、周期33秒の鋭いパルス状の時間変動をしていることを突き止めました。

2007年10月4日 更新
「すざく」の観測成果ネイチャー誌に掲載

宇宙科学研究本部の内山泰伸研究員を中心とする研究グループは、日本のX線天文衛星「すざく」とアメリカのX線天文衛星「チャンドラ」を用いた観測により、さそり座にある超新星残骸の一つで、電子・陽子のエネルギーと磁場のエネルギーが互いに増幅しあうことにより、とてつもない速さで高エネルギー宇宙線が生成され続けていることを突き止めました。
これらの発見は英科学誌ネイチャー10月4日号に掲載されています。

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    2007年9月25日 更新
    「すざく」が明らかにする宇宙の重元素合成の歴史

    「すざく」は、銀河が数十から数千個も集まった「銀河団」を多数観測し、その強い重力に捕らえられている高温ガス中の重元素を詳しく調べています。このような観測により、われわれ生命体に欠かせない炭素、酸素や鉄などの元素が、宇宙でいつ、どのように作られてきたのかという「重元素合成史の全容解明」の研究が進められています。



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      2007年8月28日 更新
      極限まで圧縮された物質の状態を調べる新しい方法を開拓

      日本の「すざく」衛星と欧州のXMM-Newton衛星観測により、3つの中性子星近傍からアインシュタインの理論が予言する時空の歪みが検出されました。これは、極限まで圧縮された中性子星のような天体の性質を詳しく調べるための新しい手法です。

      図:中性子星の回りを旋回する熱いガスからなる降着円盤の想像図


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        2007年7月31日 更新
        「すざく」新しいタイプのブラックホールを発見!

        京都大学・上田佳宏准教授、愛媛大学・寺島雄一准教授を中心とする研究グループとNASAの国際共同チームは、最近NASAの X線天文衛星スウィフトによって新しく見つかった2つの硬X線源を、日本のX線天文衛星「すざく」 で精密に観測した結果、厚い塵に隠されてこれまで見落とされてきた新しいタイプのブラックホールを発見することに成功しました。

          2005年8月26日 更新
          ケンタウルス座の巨大ブラックホールの観測成功

          X線CCDカメラによる観測開始に引き続き、3つ目の観測機器である硬X線検出器 (HXD:Hard X-ray Detector)の立ち上げを無事に行い、8月19日には、距離1500万光年にある楕円銀河「ケンタウルス座A」(図1)から信号を検出することに成功しました。これによりHXDは、所期の性能をもつことが確認されました。
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            2005年8月18日 更新
            「すざく」搭載観測機器で小マゼラン星雲の超新星残骸の撮影成功

            7月10日に打ち上げられた X線天文衛星「すざく」は、8月12日夕方から13日夕方にかけた運用で、4台のX線CCDカメラ(XIS)のカバーを開き、小マゼラン星雲にある超新星残骸(星の爆発の痕)のX線像を観測することに成功しました。
            「すざく」が観測したエネルギー帯に見える輝線は、窒素や酸素が出すものであり、生命のもととなるこれらの元素の宇宙における生成・流転について、新しい知見が得られることが期待されます。
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              2005年7月29日 更新
              宇宙空間での極低温新記録 60mK(ミリケルビン)を達成

              7月27日午前1時15分(日本時間)ごろ、「すざく」に搭載されている「XRS(X線分光検出器)」が60mK(ミリは1000分の1の意、ケルビンは絶対温度の単位)に達し、検出器が正常に動作していることが確認されました。
              「XRS」の断熱消磁冷凍機を動作させて到達した「60mK」(セ氏換算でマイナス273.09度C)という極低温は、宇宙空間で人工的に作り出された史上最低温度であり、X線観測における「すざく」の高性能を担保するものでもあります。
              チームは8月中旬のファーストライトに向けた作業を続けています。

                2005年7月21日 更新
                「すざく」の運用状況について

                宇宙航空研究開発機構が平成17年7月10日12時30分(日本標準時、以下同じ)に内之浦宇宙空間観測所から打ち上げた第23号科学衛星「すざく」(ASTRO-EII)は、現在順調に運用されており、衛星の状況は正常です。

                本日、5時7分ごろから5時12分ごろにかけて、最終のペリジーアップマヌーバ(近地点高度を上昇させる操作)を実施し、無事終了しました。これにより、予定していた高度約570Kmの円軌道となりました。
                今後は、機器の試験等の初期運用を経て、8月中旬ごろから観測を開始する予定です

                  2005年7月10日 更新
                  M-V-6/ASTRO-EII 打ち上げ成功。衛星名は「すざく」に

                  7月10日12時30分、M-V(ミューファイブ)6号機は、X線天文衛星ASTRO-EII(アストロ・イーツー)を搭載し、内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられました。
                  ロケットは正常に飛行し、衛星を所定の軌道に投入したことが確認されました。
                  また、ASTRO-EIIからの信号をサンチャゴ局、内之浦局で受信し、衛星が正常に分離されたことを確認しました。
                  軌道に投入されたASTRO-EIIは「すざく」と命名されました。
                  今回の打ち上げに際しご協力いただいた関係各方面、及びご支援いただいた国民の皆様に深く感謝いたします。

                    2005年5月25日 更新
                    打ち上げへ向けラストスパート

                    「ASTRO-EII」衛星は、間近に迫った打ち上げへ向け、ラストスパートに入っています。打ち上げ場所は、鹿児島県東部、大隅半島の内之浦宇宙空間観測所です。衛星は、5月半ばに生まれ育った相模原キャンパスを離れ、筑波宇宙センターに立ち寄った後、5月26日に内之浦に到着しています。衛星とともに、スタッフも順次移動を開始しており、6月26日予定の打ち上げへ向けて、現地での準備が進められています。
                    「ASTRO-EII」はX線観測で宇宙の激しい活動の正体を探る天文衛星です。ブラックホール、銀河、銀河団、誕生したての星、超新星の残骸など多種多様な天体を観測します。
                    この衛星計画は、JAXA宇宙科学研究本部が主導する国際ミッションで、打ち上げ後には、世界に開かれた軌道天文台として運用されます。日米の大学、研究機関を中心に、世界各国の研究者の協力を得ています。ASTRO-EIIは宇宙X線の放射源を理解する優れた能力を持っており、その科学的成果に、大きな期待が寄せられています。

                    [写真] 相模原キャンパス出発直前のASTRO-EII衛星。外観はすでに打ち上げ時の状態そのものとなっています。上部には白いカバーで保護されたX線望遠鏡が5台、下部には検出器が6台搭載されています。軌道上で展開される「太陽電池パドル」は衛星に巻き付くように固定されています。金色に輝いているのは、衛星内部の温度制御のための断熱シートです。

                      2004年7月30日 更新
                      打ち上げ前の最後の試験が始まる

                      X線天文衛星「Astro-EII」は、来年に予定されている打ち上げに向け最後の試験となる「総合試験」に入りました。この4月からまる9か月をかけ、衛星本体の組み上げ、組み上げた衛星の真空中での動作確認、打ち上げを模擬した振動/衝撃試験などを行います。

                      7月末現在、衛星本体はほぼ組み上がり、8月に予定されている「真空試験」の準備が進められています。衛星本体が着々と組み上げられていく様子は、関係者にとって胸躍るものであると同時に、身の引き締まる緊張感を与えてくれるものでもあります。

                       X線天文衛星「Astro-E2」は、世界中の研究者に開かれた宇宙天文台です。8月中旬には、運用開始から最初の1年分の観測テーマの公募が締め切られ、多くの提案の中から科学的意義の高いものが選りすぐられることになります。日本の研究者は、海外の研究者と協力と競争を続けながら、ブラックホールや超新星、銀河団など宇宙の高エネルギー現象の解明を目指しています。

                      写真は「総合試験」のひとこま。
                      強力な照明を当て、太陽電池パネルの起電力で衛星の動作を確認している。

                        2003年12月19日 更新
                        第1次噛み合わせ試験が無事終了

                        ASTRO-EIIの科学ミッションに共同研究者として関わる多くの方々の参加を得て、2003年7月1日から行われていた第1次噛み合わせ試験が無事終了しました。
                        国内の大学や研究機関をはじめ、NASAのゴダード宇宙飛行センターやマサチューセッツ工科大学からの研究者や技術者も加わり、打上げ実機の組み立てに続いて、電気系のコマンド動作確認などが行われました。
                        今回の噛み合わせ試験ではいくつかのマイナーな不具合が発見されましたが、衛星システムには問題ないことが確認されています。今後は、これらの不具合の改修を行いつつ準備や解析を続け、春からの最終組み立てと確認試験(総合試験)に備えます。
                        ASTRO-EIIは2005年初頭の打ち上げを予定しています。

                        写真:最下部の銀色の部分は、ASTRO-EIIの性能の鍵を握る冷却機構です。X線分光器「XRS」は、X線が吸収された時に生じる、検出器のごくわずかの温度上昇を測ることで、高い精度でX線のエネルギー(波長)を決定するものですが、検出器を絶対零度近くの極低温に保つことが、検出精度の向上に欠かせません。
                        ASTRO-EIIはこのタイプの検出器を搭載して軌道上に打ち上げられる、初めての科学衛星となります。

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