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小惑星探査機「はやぶさ」(MUSES-C) トピックス

トピックス一覧

2016年6月22日 更新
微粒子表面の模様に残る小惑星イトカワ、40億年の歴史

松本徹率いる研究チームは、小惑星探査機「はやぶさ」が小惑星イトカワから回収し、地球に持ち帰った微粒子の表面模様を分析しました。その結果、40億年以上昔から現在に至るまでの歴史が刻まれていることを発見しました。
研究チームはX線マイクロトモグラフィー(X線CT)や走査型電子顕微鏡を用いて、微粒子表面の微細構造を観察しました。これまでは一種類しかないと考えられていた表面模様のパターンは、少なくとも4種類あることがわかりました。
その中の一つは、イトカワ母天体に由来するもの、つまり40億年以上前に作られたと考えられる模様でした。その他にも、太陽風に長時間さらされたために形成したとみられる模様や、粒子同士がこすれて摩耗した模様なども見つかりました。これらの模様は100万年から1000年のタイムスケールの表面進化を示しています。
本研究の手法は貴重な微粒子を傷つけることなく、多くの情報を得ることができます。将来のサンプルリターンミッションで必須かつ最初に行う分析手法になるでしょう。

微粒子表面の模様に残る小惑星イトカワ、40億年の歴史

2013年6月26日 更新
小惑星「イトカワ」の微粒子を公開!

小惑星探査機「はやぶさ」が2010年6月に地球に帰還し、小惑星「イトカワ」から持ち帰った微粒子を、国立科学博物館及び相模原市の協力により、公開展示を行います。公開展示の詳細は、プレスリリースをご覧ください。

  • 国立科学博物館
    7月17日から常設展示
  • 相模原市立博物館
    7月17日~28日
    はやぶさ2応援企画展「片道から往復へ~新たな宇宙時代の到来~」
    ※光学顕微鏡による観察には整理券か、事前の申込みが必要です。

2013年5月31日 更新
第2回「はやぶさ」サンプル国際研究公募の結果について

小惑星探査機「はやぶさ」が持ち帰った小惑星「イトカワ」の微粒子(サンプル)について、第2回国際研究公募(国際AO)の選定結果をお知らせいたします。第2回国際AOは、2013年1月から3月までの公募期間を経て、18件の研究提案を受領しました。審議の結果そのうち16件を選定し、6月以降に採択された研究者に粒子の分配を開始します。
なお、第3回国際AOは、2014年1月以降に公募を開始する予定です。

2013年1月9日 更新
第2回「はやぶさ」サンプル国際研究公募を開始

小惑星探査機「はやぶさ」が持ち帰った小惑星「イトカワ」の微粒子(サンプル)について、第2回目の国際研究公募(国際AO)を開始しました。この国際研究公募は、世界の研究者にサンプルを提供することで世界の惑星科学の発展に貢献することを目的としています。応募条件をご確認の上ぜひご応募ください。

研究提案の受付開始:2013年2月12日
応募の締切:2013年3月9日24:00(15:00 世界時間)

2012年6月13日 更新
第1回「はやぶさ」サンプル国際研究公募の結果について

小惑星探査機「はやぶさ」が持ち帰った小惑星「イトカワ」の微粒子(サンプル)について、第1回国際研究公募(国際AO)の選定結果をお知らせいたします。第1回国際AOは、2012年1月から3月までの公募期間を経て、31件の研究提案を受領しました。審議の結果そのうち17件を選定し、6月以降に採択された研究者に粒子の分配を開始します。
なお、第2回国際AOは、2013年1月以降に公募を開始する予定です。

2012年4月6日 更新
もう一つの旅が終了~「はやぶさ」帰還カプセル巡回展示~

「はやぶさ」が私たちに残してくれた「あきらめない心」と「帰還カプセル」。
この「あきらめない心」という想いと、プロジェクト成果を国民の皆様と分かち合いたいとの想いを込めて、「帰還カプセル」は日本各地を巡回する"もう一つの旅"を続けていました。
2010年7月相模原キャンパス特別公開を皮切りにスタートし、同年11月からは本格的に各地を巡る旅路につき、2012年4月3日をもって全行程を終了しました。最後の会場である愛知県刈谷市では、記念となる「巡回展示ご来場882,300人目(8823=はやぶさ)」を迎えるなど、全69会場で延べ89万人の皆様に「はやぶさ」の軌跡をご覧いただきました。
「はやぶさ」が小惑星イトカワに届けたターゲットマーカーには、「星の王子様にあいにいきませんか」キャンペーンにご賛同いただいた88万人の皆様のお名前が刻まれています。巡回展示にご来場いただいた人数が、偶然にもこれとほぼ同数となりました。これも何かの縁かもしれません。
ご来場いただいた皆様、展示実施にご協力いただきました主催者、関係者の全ての皆様に、改めまして御礼申し上げます。
私たちJAXAは、巡回展示をする中で皆様から頂いたご意見・応援の声を励みに、今後も一層気を引き締めてプロジェクト・事業に取り組んでまいります。

2012年1月24日 更新
「はやぶさ」サンプル国際研究公募を開始

JAXAは、小惑星探査機「はやぶさ」が持ち帰った小惑星「イトカワ」の微粒子(サンプル)の初期分析を進めてきましたが、この度、微粒子(サンプル)の分析について国際公募を開始することになりました。
国際公募は複数回に分けて行うことを予定しており、研究成果が期待できる研究者にサンプルを提供いたします。第1回目の公募は2012年1月24日から実施いたします。
応募締切:2012年3月7日24:00(15:00世界時間)

2011年8月26日 更新
米科学誌「サイエンス」が「はやぶさ」特別編集号を発行

現在JAXAは、小惑星探査機「はやぶさ」搭載の帰還カプセルにより持ち帰られた、小惑星「イトカワ」の微粒子の採集とカタログ化を進めており、電子顕微鏡観察で岩石質と同定した微粒子の初期分析を実施中です。
この度、その初期分析の成果の一部が2011年8月26日発行のアメリカの科学誌「サイエンス」の表紙を飾るとともに6編の論文が掲載され、「はやぶさ」の特集が組まれました。

2011年6月13日 更新
「はやぶさ」がギネスに認定されました!

約7年間、幾多の困難を乗り越えて2010年6月13日に無事地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」。本日、地球帰還から1周年を迎えました。
この度「世界で初めて小惑星から物質を持ち帰った探査機」として「はやぶさ」がギネスに認定され、その認定書がJAXAに届きました。

2011年5月23日 更新
「はやぶさ」プロジェクトチームがフォン・ブラウン賞を受賞

5月20日、アラバマ州ハンツビルにて開催された、第30回国際宇宙開発会議にて、「はやぶさ」プロジェクトチームが、ナショナル・スペース・ソサエティから、フォン・ブラウン賞(Von Braun Award)を受賞しました。
受賞理由は、「初の太陽周回天体表面への往復と試料の帰還」(FIRST ROUND TRIP TO AND SAMPLE RETURN TO EARTH FROM THE SURFACE OF AN OBJECT IN SOLAR ORBIT)に成功したことです。

2011年3月11日 更新
「はやぶさ」カプセル内の微粒子、初期分析の中間結果を報告

小惑星探査機「はやぶさ」搭載の帰還カプセルにより持ち帰られた微粒子の初期分析が2011年1月下旬から行われており、その中間結果が第42回月惑星科学会議で報告されました。
SEM(走査型電子顕微鏡)の観察結果で岩石質と同定された微粒子の主要元素組織などを分析した結果、微粒子の物質科学的特長が特定種の石質隕石の特徴と合致していること分かりました。また、ひとつの岩石に複数の鉱物が存在する複雑な3次元構造をしており、宇宙風化作用の痕跡などからはイトカワ表面に由来するものであることが明らかとなりました。今後も引き続き微粒子の初期分析が行われます。

2010年11月16日 更新
はやぶさカプセル内の微粒子が小惑星イトカワ由来のものと判明

小惑星探査機「はやぶさ」搭載の帰還カプセルにより持ち帰られた微粒子をSEM(走査型電子顕微鏡)にて観察および分析した結果、1,500個程度の微粒子を岩石質と同定いたしました。更にその分析結果を検討したところ、微粒子の鉱物の成分比率が隕石の特徴と一致し、地球上の岩石と合わないことから、そのほぼ全てが地球外物質であり、小惑星イトカワ由来であると判断するに至りました。
採集された微粒子のほとんどは、サイズが10ミクロン以下の極微粒子であるため取扱技術について特別なスキルと技術が必要な状況です。JAXAは初期分析(より詳細な分析)のために必要な取扱技術と関連装置の準備を進めています。

2010年10月8日 更新
「はやぶさ」カプセルから採取された微粒子の電子顕微鏡写真

現在、宇宙航空研究開発機構(JAXA) 相模原キャンパス内のキュレーションセンター(※1)において、「はやぶさ」サンプルコンテナ(※2)内より、テフロン製ヘラで採取された微粒子の電子顕微鏡による観察を行っていますが、ヘラを用いて回収された試料を走査型電子顕微鏡により直接観察を行った結果、多数の微粒子が確認されました。
なお、これらが小惑星「イトカワ」の物質であるかどうかの判断には、今後予定している初期分析の結果を見る必要があります。

(※1)キュレーションセンター:試料の受入、処理、保管を行う施設
(※2)サンプルコンテナ:カプセル内にあり、サンプルを格納するための専用コンテナ

2010年9月1日 更新
「はやぶさ」カプセル等の展示協力機関を公募

これまで相模原市立博物館や筑波宇宙センター、丸の内オアゾなどで、小惑星探査機「はやぶさ」のカプセルの一部を展示してきましたが、より多くの方に「はやぶさ」のカプセルを通じて宇宙に興味を持っていただき、また宇宙活動を知っていただくため、展示団体を公募することにしました。
募集期間は9月30日(木)まで。2010年11月中旬~2012年3月に展示が可能な国内の公益団体・法人で、公益目的の展示が対象となります。
日頃から宇宙に関連する活動をされている科学館、博物館、地方公共団体などは、ぜひご検討下さい。
(画像:池下章裕)

2010年8月19日 更新
「はやぶさ」カプセル来場者10万人を突破!

相模原市立博物館、筑波宇宙センター、丸の内オアゾで開催した小惑星探査機「はやぶさ」カプセル展示の来場者は、本日丸の内での展示を終了した時点で、合計101,091人となりました。
10万人目の中島茂江(もえ)さん(11歳)には、JAXAから記念品を贈呈しました。
「はやぶさ」カプセルの一部は今後、8月26~30日に日本科学未来館、9月11、12日にJAXA角田宇宙センターで展示をする予定です。お近くの方は、7年間宇宙を旅したカプセルをぜひこの機会にご覧下さい。

2010年7月8日 更新
「はやぶさ」回収したカプセルなどを展示

6月13日に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」のカプセルの一部などをこの夏、相模原市立博物館、JAXA筑波宇宙センター、丸ノ内オアゾ1階○○広場(おおひろば)で展示いたします。
7年の旅を経て地球に戻ってきた実物を、この機会にぜひご覧ください。

2010年7月5日 更新
「はやぶさ」サンプルコンテナの中に、微粒子の存在を確認

相模原キャンパス内のキュレーションセンターで、6月24日から開始した「はやぶさ」のサンプルコンテナの開封作業において、微粒子の存在を確認しました。
なお、この微粒子がイトカワの物質か地球上の物質かは現段階では不明で、今後詳細に検討していきます。(画像:サンプルコンテナのフタを開封した所)

2010年6月24日 更新
「はやぶさ」サンプルコンテナ開封作業を開始

6月13日に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」のカプセルは、18日に相模原キャンパスのキュレーション設備に搬入され、カプセルの検査や分解などを行ってきました。
24日から、いよいよカプセル内のサンプルコンテナの開封作業に着手しました。開封終了までには1週間程度かかる見込みです。

2010年6月14日 更新
おかえりなさい「はやぶさ」!幾多の困難を乗り越え、地球に帰還

小惑星探査機「はやぶさ」は、6月13日19:51に無事カプセルを分離し、22:51頃に大気圏に突入してその運用を終えました。
着陸後、オーストラリア・ウーメラ立入制限区域内をヘリコプターでカプセル本体を捜索し、23:56にその位置を確認しました。
2003年5月にM-Vロケットで打ち上げられてから約7年間、「はやぶさ」は小惑星「イトカワ」に着陸し、サンプル採取作業を行い、再び地球へ帰還するという難事業を、幾多の困難を乗り越え成し遂げることができました。
(画像:はやぶさが撮影した地球)

2010年6月5日 更新
「はやぶさ」オーストラリアに着陸へ

小惑星探査機「はやぶさ」は、6月13日(日)の地球帰還に向け、日本時間6月5日13:44に3回目の軌道修正(TCM-3)が正常に実施されたことを確認しました。
これにより、地球外縁部から着陸想定地域のオーストラリア・ウーメラ立入制限区域への誘導目標変更が完了しました。

2010年4月21日 更新
「はやぶさ」搭載カプセル地球再突入は6月13日に

小惑星探査機「はやぶさ」の搭載カプセルの着陸について、オーストラリア政府と調整してきた結果、オーストラリア・ウーメラへの着陸許可が得られました。
「はやぶさ」のカプセルは、日本時間6月13日(日)23時頃(協定世界時14時頃)地球へ再突入し、ウーメラ立入制限区域への着陸を目指します。今後「はやぶさ」は、精密に落下させるため、数回の軌道修正(TCM)を実施していく予定です。
特設サイト「はやぶさ、地球へ~帰還カウントダウン~」では、応援メッセージを募集しています。「はやぶさ」と「はやぶさ」を支えるプロジェクトチームへの応援をお待ちしています。Twitterも絶賛更新中。

2010年4月15日 更新
「はやぶさ、地球へ~帰還カウントダウン~」特設サイトオープン!

小惑星探査機「はやぶさ」は、2010年6月の地球帰還に向け、3月27日にイオンエンジンによる連続軌道制御を終了し、現在、精密に落下させるため、数回の軌道修正(TCM)を行っています。
帰還までの最新情報をお伝えするため、特設サイトをオープンしました。はやぶさの運用状況はもちろん、はやぶさライブBlogや、はやぶさプロジェクトチームによるTwitterも開設。応援メッセージの募集も開始しました。「はやぶさ」と「はやぶさ」を支えるプロジェクトチームへの応援をお待ちしています。

2010年3月29日 更新
「はやぶさ」イオンエンジンの連続運転による軌道制御を終了

「はやぶさ」は、2010年6月の地球帰還に向け、2009年2月から搭載イオンエンジンの連続運転(第2期軌道制御)を実施してきました。
2010年3月27日15:17(日本時間)、第2期軌道制御を終了し、地球の中心から約2万kmの位置を通過する軌道への誘導に成功したことを報告いたします。
今後、数回に分けて軌道修正を行い、カプセルが正確に地球大気圏内に再突入する軌道に向けて、徐々に精密誘導していく予定です。

2010年3月1日 更新
「はやぶさ」月の内側を通過する軌道へ

地球帰還に向けて航行している「はやぶさ」が、月の内側を通過する軌道にのったことが確認されました。現在の軌道での地球からの最接近距離は、約31万kmになっています。 3月初めには、一旦イオンエンジンの運転を止め、精密な軌道推定を行う予定です。

2010年1月14日 更新
「はやぶさ」地球引力圏軌道へ!地球まであとわずか

地球帰還に向けて航行している小惑星探査機「はやぶさ」は、徐々に地球へ近づく軌道へと移り、地球の引力圏の内側(約140万km)を通過する軌道に乗ったことが確認されました。
現在「はやぶさ」は、地球から約6,000万kmの距離を航行しています。今後はさらに地球へ近づけるため、月軌道半径を通過する軌道へと移行する計画です。

2009年11月19日 更新
「はやぶさ」2つのイオンエンジンを組み合わせ、帰還再開

地球帰還に向けた第2期軌道変換実施中の11月4日に、イオンエンジン1基の自動停止が確認された小惑星探査機「はやぶさ」は、その対応策を検討した結果、運用を休止していたスラスタAの中和器とスラスタBのイオン源を組み合わせることにより、イオンエンジン1基分の推進力を得られることが確認できました。
今後この状況を維持することができれば、2010年6月に地球帰還できる見通しです。引き続き、注意深く運用を続けてまいります。

2009年11月9日 更新
「はやぶさ」のイオンエンジン異常について

小惑星探査機「はやぶさ」は2010年6月の地球帰還に向けて、第2期軌道変換を実施中でしたが、11月4日(水)(日本時間)に、作動していた主たるイオンエンジン1基(スラスタD)の中和器の劣化による電圧上昇により、自動停止していることが確認されました。以降、同スラスタの調査及び復旧を試みてきましたが、現時点では、まだ再起動に至っておりません。
JAXAでは、現在、探査機の状況を確認するとともに、地球への帰還に向けた対策について検討を進めています。検討結果がまとまり次第、あらためてお知らせいたします。
画像:はやぶさのイオンエンジン(スラスタA~D)注)イオンエンジン3基稼働時の想像図です。

2009年3月3日 更新
小惑星イトカワの地名、新たに14個をIAUが承認

「はやぶさ」が探査した小惑星イトカワは、大きさが500m程度の非常に小さな天体ですが、その表面には大きな岩(ボルダー)やクレーター、そして平らな領域などの多くの特徴があります。「はやぶさ」プロジェクトチームでは、そのような特徴的な地形や地標に名前を付けてミッションや研究活動に使ってきましたが、そのうち14個の名称が新たに国際天文学連合(IAU)で認められました。

2009年2月4日 更新
「はやぶさ」イオンエンジン再点火 地球帰還へ向け第2期軌道変換を開始へ

2005年に小惑星「イトカワ」に到着し、2010年6月の地球帰還ヘ向けて運用を続けている小惑星探査機「はやぶさ」は、2月4日11時35分にイオンエンジンを再点火し、動力飛行を開始しました。今後、2010年3月頃までイオンエンジンによる加速を徐々に行い、地球帰還へ向けた第2期軌道変換を実施していく予定です。
画像:小惑星イトカワに着地する「はやぶさ」(想像図) ©池下章裕

2008年6月2日 更新
「はやぶさ」、地球から最遠に到達

「はやぶさ」、地球から最遠に到達 5月末現在、「はやぶさ」探査機は、太陽の向こう側、地球から距離2.5天文単位に到達しました。地球から望むと、太陽の脇12度に見えるはずです。一方、「はやぶさ」からは、太陽のすぐそば8度に地球が位置します。



1天文単位の距離を電波が走るのに約8分かかるので、2.5天文単位の位置にある「はやぶさ」と地球間の通信には、往復約40分の時間(専門用語で伝搬遅延時間)を要します。

既にご案内している通り、イオンエンジン噴射を休止してスピン姿勢安定を維持しています。これまでは、スピン周期10分のうち、アンテナが地球を向いたタイミングでしか「はやぶさ」からの電波を受けることができず、間欠的な受信となっていました。しかし、前述のように地球と太陽の離角がたいへん小さくなってきたため、太陽電池に光が当たる姿勢を保ちながら、常時アンテナを地球に向けることが可能となり、今では連続的に電波を受信することができます。この状態は2009年初頭まで続く見込みです。
「はやぶさ」は、地球帰還に向けて英気を養う期間にあり、しばらくは活動のレベルをさげて健康維持に専念しています。一方地上においては、2010年に迫ったカプセル回収に向けて、準備を鋭意進めているところです。

はやぶさ運用チーム

2008年3月6日 更新
「はやぶさ」、3回目の遠日点を無事通過

昨年10月からスピン姿勢安定にて弾道飛行を続けている「はやぶさ」は、2月28日に3回目の遠日点(太陽距離1.63天文単位)を無事通過しました。
過去2回の遠日点(1.7天文単位)に比べ太陽距離は近いものの、この間、徐々に発生電力が低下したため、各部の温度維持に注視しながら、1月より消費電力の削減を行っていました。
以降しばらくの間、発生電力は改善されますが、急激に地球距離が拡大し、5月末には最遠2.5天文単位に達します。
次は、イオンエンジンによる動力航行にて、あともう1度、遠日点を回り、2010年6月地球に帰ります。

はやぶさ運用チーム

2007年10月29日 更新
「はやぶさ」復路第1期軌道変換を完了!

はやぶさ「はやぶさ」は、本年4月よりイオンエンジンによる動力航行を実施しておりましたが、予定通り第1期軌道変換が達成できたので、10月18日にイオンエンジンを停止させました。
ここまで、イオンエンジンの宇宙作動時間合計は3万1千時間、軌道変換量1,700m/sに達していますが、推進性能も推進剤残量も十分に余力を残しています。精密な軌道決定の結果、目標通りの誘導が確認できたので、24日にリアクションホイールを停止して、姿勢制御を一旦スピン安定モードに移行させました。スピン安定に入っても発生電力を最大限に維持するため太陽を追尾し続ける必要があります。キセノン推進剤を温存するためガスジェットを用いずに、太陽輻射圧を用いたスピン軸制御のみで、太陽電池を常に太陽指向させる微妙な姿勢制御を実施します。
この方法で2009年2月まで運用し、その後第2期軌道変換としてリアクションホイールとイオンエンジンを再起動し、2010年6月の地球帰還に向けて動力航行を再開する予定です。今後も引き続き各搭載機器の状態に注意を払いつつ、最大限の努力をもって、「はやぶさ」運用に取り組んで参ります。地球帰還までに必要な軌道変換量は、たったの400m/sです。

2007年8月16日 更新
イオンエンジン-Cへの切り替えに成功

「はやぶさ」は、2005年11月に小惑星イトカワから離陸後、化学エンジン燃料漏洩と、同エンジンの機能が復旧できない状態から、2007年4月にイオンエンジンとリアクションホイール1基(姿勢制御用リアクションホイール3基のうち2基に不具合が生じている状態)を用いた巡航運転のための姿勢制御方式を確立し、地球帰還に向けた本格的巡航運転段階に移行しました。

2006年の復旧オペレーション(2006年3月7日付トピックス参照)では、エンジン-BとDはイオン加速できたものの、エンジン-Cは起動できないままでした。帰還オペレーションでは、軌道変換ノルマを残存機器に分散して、リスクを低く押さえることが至上命題であり、そのために駆動できるイオンエンジン数を増やすことが課題になっていました。一連の再起動作業の結果、7月28日にエンジン-Cのプラズマ点火に成功し、現在「はやぶさ」は同エンジンを用いて2010年の地球帰還をめざして動力航行を継続しています。

当初は、近日点通過時の探査機の温度が高い時期に合わせて、エンジン-Cの点火および起動を試みる予定でした。しかし、逆に温度が高過ぎて、事前に脱ガスを行った際の温度を超えて危険な状態に入る可能性が出てきたために、これを延期し、むしろ姿勢を傾けて太陽光の入射を避け、低温化を図ってきました。幸い6月7日無事に近日点(太陽距離0.95天文単位)を通過させることができました。なお、この間もエンジン-Dによる軌道変換を計画通りに継続しました。

探査機の温度が十分に降下した7月下旬になって、数日間をかけてエンジン-Cの電源をヒータで昇温させ、新たな立上げ手順によって同エンジンの再起動を試みたところ、7月28日にイオン加速に成功しました。これにともない、これまで連続運転してきたエンジン-Dを停止させ、エンジン-C単独運転に移行させました。エンジン-Cの累積運転時間は短く余力十分のため、これに切り替えたものです。同エンジンについては、2005年8月以来の運転であり、制御手順や調整および姿勢制御装置との連動運転の調整にしばしの時間を要しましたが、現在のところ安定な運転状態を維持しています。

「はやぶさ」は、ホイールなど各機器の残存寿命になお大きな課題を抱えていますが、利用できるエンジンが増えたことはとりあえず帰還オペレーションとって好材料といえます。搭載されている各イオンエンジンのこれまでの運転状況は以下のとおりです。

 スラスタA: 待機
 スラスタB: 約9,500時間
 スラスタC: 約7,000時間
 スラスタD: 約13,500時間
 合計:   約30,000時間

「はやぶさ」は、軌道変換に効率のよい時期に対応する本年11月まで、イオンエンジン-Cによる動力航行を継続し、それ以降はしばらく冬眠モードで弾道飛行させる計画です。また新たな情報が得られ次第、逐次報告をいたします。

2007年4月25日 更新
地球帰還に向けた本格巡航運転開始!

「はやぶさ」は、平成22年6月の地球帰還に向けた本格巡航運転を開始するため、平成19年2月から現在まで、イオンエンジンとリアクションホイール1 基(姿勢制御用リアクションホイール3基のうち2基に不具合が生じている状態)を用いた巡航運転のための姿勢制御方式を確立し、慎重に準備を進めてまいりました。
準備を進めていく際には、イオンエンジン運転の推力方向のアライメントを維持する姿勢制御機能の確立に時間を要したことや、イオンエンジンの経年劣化を踏まえた運転方法の確立に十分な検討が必要であったことなどの課題がありましたが、それらに対する方策に目処がつきました。
これにより、4月25日14:30から実施した「はやぶさ」運用をもって、地球帰還に向けた本格的巡航運転段階に移行したことをお知らせいたします。
なお、「はやぶさ」運用は、残り1基のリアクションホイール、イオンエンジン及び各搭載機器の状態に注意を払いながらの厳しい運用状況にあります。引き続き、細心の注意と最大限の努力をもって運用に取り組んでまいります。

2007年4月4日 更新
いよいよ4月中旬に「はやぶさ」地球へ帰還開始!

2005年11月、小惑星イトカワに着陸した探査機「はやぶさ」は、2007年1月に、探査機内の試料採取容器を帰還カプセル内に搬送、収納し、カプセルの蓋閉め、密封作業(ラッチとシール)を実施しました。
2月からイオンエンジンの運転のための新たな姿勢制御方式を試験し、3月下旬から徐々にイオンエンジンの運転を試みています。
4月中旬よりいよいよ地球への帰還へ向けた本格的な巡航運転を開始する予定です。
「はやぶさ」の運用は、依然厳しい状況ですが、2010年6月の地球帰還へ向け、最大限の努力を図ってまいります。

2006年6月2日 更新
科学雑誌「サイエンス」が「はやぶさ」による観測成果を特集

昨年11月、小惑星イトカワに着陸した探査機「はやぶさ」は、イオンエンジンの起動試験に成功し、2010年6月の帰還を目指しています。その「はやぶさ」が行った小惑星イトカワの科学観測成果が、米国の権威ある科学雑誌「サイエンス(Science)」6月2日号に特集として取り上げられました。「はやぶさ」は、高度3~20kmの距離からイトカワの形状、地形、反射率、鉱物組成、重力などを観測し、イトカワが「がれきの寄せ集め」構造の惑星である点などを明らかにしました。「サイエンス」誌は今回、計7本の「はやぶさ」関連論文を掲載していますが、同誌が日本の惑星探査で特集を組むのは初めてのことです。「はやぶさ」プロジェクトは、5月にロサンゼルスで行われた国際宇宙開発会議でも、米国宇宙協会から「Space Pioneer Award」を受賞しています。

詳細はこちら>>

2006年3月7日 更新
「はやぶさ」探査機の状況について

「はやぶさ」探査機は、昨年11月に小惑星イトカワから離陸後、化学エンジンからの燃料漏洩と、同エンジンの機能が復旧できない状態が続き、12月8日に加わった燃料等のガス噴出によると思われる外乱により姿勢を喪失し、同日以来、地上局との交信が途絶していました。電力と通信を満たす姿勢条件は、向こう1年間に60~70%の確率で両立することや、この間、探査機を地上局のアンテナビーム内にとどめて追跡できることが確認できていたため、2007春に地球への帰還軌道に載せ、2010年6月に地球に帰還させる計画を採ることとしました。12月13日以来、救出運用に切り替え、通信の復旧にむけて努力を行うこととしてきたところです。
その後、本年1月下旬に「はやぶさ」からの電波が受信されるようになりましたが、きわめて脆弱な交信状況に留まっていました。続いて2月末になって、ようやくテレメトリデータを取得することができ、探査機内部の状態が確認できました。さらに、3月6日に軌道をあらためて推定することができ、確度は依然低いものの、現在の位置・姿勢情報、ならびに現在の状況をおおまかに把握することができましたので、本日これまでの経緯と状況についてとりまとめることといたしました。
なお、今後引き続き、2010年6月の地球帰還に向けて努力していきます。

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2005年10月26日 更新
「はやぶさ」航法カメラ画像を使った相対距離の推定について

はやぶさには、物体との距離をレーザ光で測るためのレーザ高度計が搭載されています。それに加え、カメラの画像からイトカワとの位置を測定する方法を考えてみました。

詳細はこちら>>

2005年10月25日 更新
近赤外線分光器(NIRS)の観測の状況

はやぶさには、表面の鉱物の種類や状態を調べるための近赤外分光器(NIRS)が搭載されています。現在までに、イトカワの赤道付近を中心に観測を行いました。

詳細はこちら>>

2005年10月17日 更新
レーザ高度計によるイトカワの形状推定

「はやぶさ」に搭載されている、レーザ高度計によって、イトカワの形状測定が行われています。このレーザ高度計のデータを使って、イトカワの3次元的な形状を知ることができます。

詳細はこちら>>

2005年10月12日 更新
小惑星「イトカワ」の形状モデルについて(初期形状モデル)

「イトカワ」の初期形状モデル
現在、会津大学の研究グループと共同で、「はやぶさ」が撮像した画像からイトカワの3次元数値形状モデルを構築しています。形状モデルは、サンプル採取のための降下及び着陸の運用、また重力モデルの構築に用います。
ゲートポジション(イトカワから約20kmの距離)において観測した全球のマッピングデータをもとに初期形状モデルを作成しました。下図に、作成した形状モデルを示します。
初期形状モデルでは、イトカワの凸の部分の復元を行いました。現在は、移動ステレオ視や陰影情報を用いて、凹んだ部分の形状復元を進めています。また、ホームポジション(イトカワから約7kmの距離)で観測したデータをもとに、より詳細な形状モデルを作成中です。


イトカワの形状モデル



作成した形状モデルの検証
「はやぶさ」が撮像したカメラ画像と形状モデルから再生成したCGカメラ画像を比較しました。検証結果を下図に示します。輪郭がほぼ一致しているのがわかります。

撮像した
カメラ画像
形状モデルから
再生成したCG 画像
撮像したカメラ画像と形状モデルから再生成したCGカメラ画像との比較



「イトカワ」の形状モデルの作成方法
初期形状モデルの作成方法について説明します。まず、輪郭情報を利用して形状復元を行いました。形状復元の手順は以下のとおりです。
(1)1枚の画像からイトカワの存在領域を求めます。
(2)次に、イトカワの自転を利用して、複数の視点からの画像を用い、平面内での存在領域を限定していきます。
(3)そして、すべての平面について同様の計算を行い、形状を絞っていきます。

輪郭情報を用いた存在可能領域の抽出 平面内における存在領域の限定


実際の形状モデル作成のプロセスを以下に示します。まず、各画像上でイトカワの輪郭を抽出します。続いて輪郭情報を用いて、イトカワの存在領域を求めます。

「はやぶさ」が
撮像した画像
抽出された輪郭
(赤線)
イトカワの輪郭抽出結果


存在領域絞込み過程

2005年10月4日 更新
「はやぶさ」のホームポジション到着と現在の探査機の状況について

「はやぶさ」の現状については、以下のPDFファイルをご覧ください。
(PDF:210KB)

2005年10月3日 更新
ゲートポジションからの撮像と位置保持について

・ゲートポジションからの撮像履歴

「はやぶさ」は、9月12日に、高度約20km のゲートポジションに到着して以来、9月中に、ほぼ赤道面の全方位からの撮像を行いました。
図は、イトカワに対して行われた撮像方向と、撮像距離を示したものです。ほぼ距離を保ってくまなく撮影されていることがわかります。
(イトカワの大きさは誇張されています。)

・高分解能の画像などの web 公開について
「はやぶさ」では、このように非常に多くの画像情報を取得しています。Web の読者の方々からは、もっと高解像度の画像や多くの情報を提供してほしいとの声があります。
幸いにも、「はやぶさ」はとても科学的に価値の高い貴重な観測データをたくさん得ています。しかし、とくに画像情報は、高解像度であればあるほど、そのまま科学的な解析に使うことができるため、不適切な解釈や見解を生む可能性があります。またプロジェクトは税金によってまかなわれているので、成果を正しくみなさまに還元していきたいと考えているところです。
正しく装置の校正を行い、また科学的な推論や考察を行ったうえで、我が国の成果として公開をしてきたいと考えております。どうぞご理解をお願いいたします。

・ゲートポジションでの、位置の保持とイトカワへの指向

地球に画像などの観測データを送信する場合には、パラボラアンテナを正確に地球に向ける必要があります。しかし、一方では、イトカワを詳細に観測するためには、地球への伝送速度を犠牲にしてでも、ある期間は、観測器の視野の中心にイトカワをとらえなくてはなりません。
観測と伝送を両立させるためには、「はやぶさ」のイトカワに対する相対位置を非常に精度よく制御する必要があるわけです。
この図は、「はやぶさ」がイトカワからみて地球方向からどれだけ離れたかを角度で示したものです。黄色の帯の中では、「はやぶさ」は高速の伝送速度を保ったままで、イトカワを視野の中心に据えて観測できています。

・レーザ高度計と画像距離計測

「はやぶさ」には、レーザ距離計が装備されていて、表面の起伏を 1m 程度の誤差で詳細に計測することができます。(図のLIDAR RANGE)一方、自動的に探査機の位置をイトカワと地球に対して保つ機能も装備されていて、画像上のイトカワの照度(面積)を計算して、擬似的な距離情報を出力する機能があります。(図のONC-S)イトカワが自転するのにともなって照度が周期的に変化しています。
この図からわかるように、両者は非常によく相関していて、良好な計測ができていることがわかります。

2005年9月22日 更新
小惑星イトカワ上の代表的地形の名称の提案


太陽系天体の表面地形に名称を付ける場合、「100 メートル程度より大きさの地形には、神の名、国際的に著名な地名をつけるべきである」という国際天文学連合(IAU)のガイドラインがあります。イトカワ上の目立つ地形には、「はやぶさ」プロジェクトとして、以下のような名称を考えています。小規模な地形については、今後、分析科学者の呼称に沿って個々に命名していきたいと考えています。

代表的地形の名称の提案とその理由:

  • ミューゼスの海(Muses Sea):
    なめらかな地形であり、「はやぶさ」プロジェクトのコード名 ‘MUSES-C’をも意味し、ギリシャ女神 Muse にちなんで提案する。
  • 内之浦 (Uchinoura Bay):
    おそらくクレータであり、「はやぶさ」の母港である、内之浦(現肝属町)の、JAXA 鹿児島宇宙センター内之浦宇宙空間観測所にちなんで提案する。
  • ウーメラ砂漠(Woomera Desert):
    おそらくは大型クレータで、「はやぶさ」搭載カプセルの回収予定地域である、豪州のウーメラ特別制限区域(WPA) にちなみ、試料の回収に期待をこめて提案する。「はやぶさ」の帰港域である。

2005年9月12日 更新
はやぶさ、イトカワに到着

日本時間9月12日午前10時、はやぶさはイトカワに到着しました。現在、「はやぶさ」は小惑星イトカワから約20キロメートル離れた場所にほぼ静止しています。
写真は、狭視野光学航法カメラ(ONC-T)が、静止する直前の9月12日8時35分に撮影したイトカワの画像です。視野は2度です。
岩石や起伏に富む部分と、比較的滑らかな部分に分かれている様子がはっきりと捉えられています。このような地形の成り立ちは、イトカワの起源を考える上で重要な鍵になる可能性があります。
この後、約2ヶ月にわたって、サンプル採集や地形測定を含むイトカワの詳細な科学観測が行われる予定です。

下の図は、JAXA 臼田深宇宙局にて取得されたドプラーデータで、イトカワと「はやぶさ」探査機の距離変化率の差を表したものです。途中でプロット点が一段階落ちてゼロに到達していることがわかります。これが探査機が搭載の化学推進器を噴射して減速を行い、イトカワとの相対速度をゼロにしたことを示しています。図において値が正であることは、イトカワへ接近していることを示していて、イトカワとはやぶさの相対速度の往復分である2倍の数値が表示されています。縦軸の単位は、km/秒です。横軸は臼田局で受信した時刻を世界時で表示していて、探査機上での世界時1時に実施された結果が、臼田局では1時17分頃に取得されたことを示しています。減速噴射の実施後のイトカワとの相対速度は、約0.25mm/秒となったことが確認されました。

2005年9月11日 更新
9月10日の小惑星イトカワの画像

「はやぶさ」は順調にイトカワに接近しています。イトカワは日々大きく見えるようになっています。左は「はやぶさ」が狭視野光学航法カメラ(ONC-T)で9月10日の15時00分(世界時: 日本時間11日0時00分)に撮影した画像です。撮影時の「はやぶさ」からイトカワまでの距離は約30kmです。右は左の画像の撮影後、9月10日16時42分(世界時: 日本時間11日1時42分)に撮像されたものです。この間、イトカワは自転軸の周りに約50度自転しています。左の画像は前回のリリースとは違う角度から見ています。クレーターや表面の起伏などの地形もはっきり見えてきました。


9月10日に撮像されたイトカワの画像(1度角四方)
左: 15時00分(世界時)、右: 16時42分(世界時)

2005年9月10日 更新
9月9日の小惑星イトカワの画像

「はやぶさ」は順調にイトカワに接近中です。左は「はやぶさ」が狭視野光学航法カメラ(ONC-T)で9月9日の16時28分(世界時: 日本時間10日1時28分)に撮影した画像です。撮影時の「はやぶさ」からイトカワまでの距離は約70kmです。右は左の画像の撮影後、9月9日18時11分(世界時: 日本時間10日3時11分)に撮像されたものです。この間、イトカワは自転軸の周りに約50度自転しています。ジャガイモのような不規則な形状をしていることが良く分かります。クレーターと思われる地形も見え始めています。


9月9日に撮像されたイトカワの画像(25分角四方)
左: 16時28分(世界時)、右: 18時11分(世界時)

2005年9月9日 更新
9月7日の小惑星イトカワの画像

「はやぶさ」は、順調にイトカワへの接近を続けており、かなり大きく撮像できています。


イトカワ:9/4 11:36 日本時間 (1), 9/6 12:32 日本時間 (2).(25 x 25 分角)


イトカワの画像:9月8日1時(日本時間)撮影(3:原画像25分×25分角)、4:処理画像



3 は、「はやぶさ」が、狭視野光学航法カメラ(ONC-T)で9月8日1時(日本時間)に撮影したイトカワの画像です。画像は、v バンド(540nm) フィルタを用い、画像水平方向の偏光子を通して撮影されました。太陽光は画面に向かってやや左側から入射しています。
4 の画像は、これを、拡大、内挿して、鮮鋭化とコントラスト強調の処理を行ったものです。搭載光学科学観測カメラ AMICA 担当科学者らは、何らかのパターンが得られたことに大いに関心を寄せる一方、「表面の画像の濃淡が、地形による陰影によるものか、表面の物質の違いによる反射率の違いによるものか、わかりません」と慎重にみています。今後取得される画像もふくめて正確な解釈を試みていく予定です。
撮影時の「はやぶさ」からイトカワまでの距離は、約220kmで、イトカワに対して毎時7kmほどのゆっくりとしたスピードで接近しています。

2005年9月7日 更新
はやぶさ、イトカワの自転を捉える

この画像は、2005年9月5日18:10から6日0:30(日本時間)にかけて撮影された、20枚の画像を重ね合わせて作成したアニメーションです。
撮像開始時点でのイトカワと探査機との距離は700キロを切っています。このときは、探査機は時速約10キロでイトカワに近づきつつあります。
イトカワは地上観測により、約12時間で自転するということがわかっています。このアニメーションでは、そのうちの半分にあたる自転を記録しています。
自転の向きは予測通りでした。

2005年9月5日 更新
小惑星の形状捕捉に成功 事前観測とよく一致

9月4日朝現在、「はやぶさ」は探査対象の小惑星「イトカワ」から約1,000 kmの地点を、相対速度約10km/hという非常にゆっくりした速度を保ちながら接近を続けています。

同日、搭載の狭視野光学航法カメラ(ONC-T) による撮像で、光度曲線の山と谷を示す2枚の画像を取得しました。この2枚の画像は約3時間の間隔をおいて撮像されたものです。これによるとイトカワは、すでに点ではなく数pixel 以上の広がりを持つ像として捉えられており、「自転軸」やおおまかな楕円体状とおぼしき「形状」に関する情報が得られました。(下図の上下方向が黄道面に垂直な方向を示しています)


[イトカワの画像 : 9/4 02:36 UTC (左), 9/4 05:12 UTC (右). (25 分 x 25 分)]


イトカワについては、事前に光学望遠鏡や電波望遠鏡などを用いた観測から形状モデルの推定が行われ、下記のような「イトカワ」の性質が予測されていました(ISAS/JAXA、JPL/NASAが中心となってこれに関わった)。


[「はやぶさ」から見た相対光度予測]


[9月4日撮像対応するイトカワの形状 Ref.Ostro, S.]


・自転軸がほぼ黄道面に垂直であること
・大きさは端から端までが数百メートルであること
・おおまかな楕円体状であること
・自転周期は約12時間

今回の「はやぶさ」の観測結果は、これとよく符合するものです。

2005年9月1日 更新
「イトカワ」まで1900km

8月28日に、はやぶさはイオンエンジンを停止し、ほぼ黄道面上でイトカワへの接近をする飛行モードへ変更しました。
9月1日の運用終了時点で、距離は1,900km, 時速18km で接近中です。
なお、写真は、はやぶさの狭視野光学航法カメラ(ONC-T)により撮影された「イトカワ」の写真です。隣に移っている恒星は、しし座のレグルスです。

しし座とともに(PDF:157KB)

2005年8月26日 更新
「はやぶさ」航法カメラによりイトカワが撮影されました

8月23日
(クリックでアニメーション表示)
8月24日
(クリックでアニメーション表示)

小惑星探査機「はやぶさ」は、9月中旬の小惑星「イトカワ」への到着に向けて順調に飛行中です。
8月15日付けのプレスリリースにおいて、「はやぶさ」搭載の星姿勢計(スタートラッカ)により撮影されたイトカワの画像を公開しましたが、今回、狭視野光学航法カメラ(ONC-T)でもイトカワの撮像に成功しました。

写真は、8月23日及び24日に撮影されたイトカワの画像を重ね合わせてアニメーションにしたものです。背景の恒星に対して動いていることがわかります。

撮影時点での「はやぶさ」とイトカワとの距離は既に1万キロを切り、地球からは約3億3000万キロの距離にあります。

狭視野カメラ(ONC-T)で撮影されたイトカワの軌跡(PDF:49.3KB)

2005年6月13日 更新
日米ジョイントサイエンスミーティング@相模原

5月19~20日、JAXA宇宙科学研究本部で、プロジェクトに関わる日米の科学者が一堂に会しました。小惑星へのアプローチを半年後に控え、サイエンスでも工学でも参加者の間での議論が熱を帯びてきています。

2004年11月16日 更新
第1回はやぶさ国際シンポジウム開催


はやぶさの実物大模型を前に記念撮影。
国内外の100名近い研究者が集まりました。

10月20から22日の3日間、アメリカ、オーストラリア、イタリア、フランスなどからも研究者を迎え「第1回はやぶさ国際シンポジウム」が開催されました。はやぶさの目的と現況についての報告に続き、小惑星探査に関わる理学工学分野の幅広いトピックスで発表が行われました。科学観測の対象としての小惑星についてや、サンプルリターンが成功に備え、その後の分析の基礎となる隕石の研究など、幅広い分野にわたりました。
3日目のセッションの最後には、スターダスト計画やヘラ(HERA)計画など、現在進められている小惑星探査計画についてのディスカッションの場も設けられるなど、「はやぶさ」の先を見据えた議論も展開され、実り多い会合に終わりました。

2004年5月24日 更新
「はやぶさ」地球スイングバイの実施と結果

5月19日に地球スイングバイを行った「はやぶさ」の軌道を確認した結果、1キロの誤差で正確に軌道を飛行していることが確認されました。搭載機器の運用も正常で、小惑星イトカワを目指し飛行中です。

2004年5月20日 更新

地球最接近直前の「はやぶさ」が撮影した日本上空付近の画像

スイングバイのため地球に近づいてきた「はやぶさ」が、最接近時刻の直前、日本付近の上空を通過して撮影した画像です。撮影時刻は5月19日午後1時頃、距離は約6万キロです (昨日公開したアニメーションの最後のフレームの部分です)。
この日は日本列島上空は前線による雲に覆われており、残念ながら日本列島の姿をみることはできません。この写真の左下には、中国大陸(山東半島など)がみえます。その北東側には朝鮮半島の一部、また、前線の雲の北側には、北海道、千島列島の一部、サハリン南部などがみえます。
写真の中央部下側には、日本に接近しつつある台風2号と台風3号の雲が半分ほど写っています。左側が台風2号、右側が台風3号です。

地球スイングバイ後の「はやぶさ」から撮影した地球

5月19日午後の「はやぶさ」地球スイングバイのあと、遠去かりつつ撮影した地球です。撮影は、搭載カメラのうち広角カメラ(ONC-W2)で行いました。これで、今回のスイングバイ時に、3台すべてのカメラで地球や月を撮影できたことになります。
それぞれの写真の撮影時刻と、そのときの地球との距離は次の通りです。

・上 撮影時刻 5月19日午後8時10分(日本時間)
 距離 9万5000キロ

・中 撮影時刻 5月19日午後9時(日本時間)
 距離 11万キロ

・下 撮影時刻 5月20日午前0時(日本時間)
 距離 16万キロ

2004年5月19日 更新

「はやぶさ」搭載カメラによる日本上空付近のアニメーション

「はやぶさ」搭載の小惑星分光多色カメラ(AMICA)で、日本上空付近を撮影した画像をもとに作成したアニメーションです。カメラ自体は複数の色フィルタを持っていますが、今回は連続して撮影するために1色のフィルタで撮影しており、映像はモノクロになっています。
5月19日の12時半(日本時間)前後に、約5分ごとに撮影された16枚の画像をつなぎあわせています。アニメーションでは、東南アジア上空から次第に北上し、日本に近づいていく様子がわかります。
日本付近に接近しつつある2つの台風(台風2号、台風3号)と、日本上空に伸びている前線の雲が写っています。
撮影時点での地球との距離は約6万キロです。

「はやぶさ」光学航法カメラ(広角カメラ)で捉えた地球(アニメーション)

「はやぶさ」には、望遠カメラと広角カメラの、2種類のカメラが搭載されています。これまでの画像は全て望遠カメラでしたが、今回は広角カメラでも地球を撮影しています。7枚の連続して撮影された画像をもとに、アニメーションにしてあります。
広角カメラですので、望遠カメラの画像に比べて、地球は小さく写っています。
撮影は日本時間で5月19日の午前11時半頃になります。この時点での「はやぶさ」と地球との距離は約8万キロメートルで、静止軌道の約2倍の高さになります。



「はやぶさ」から撮影された地球

この画像は、5月18日午後10時(日本時間)に撮影された、地球の画像です。この時点での「はやぶさ」と地球との距離は約29万5000キロです。5月17日に撮影された画像に比べて距離が近くなっているため、より鮮明で大きな画像になってきています。撮影地点は大西洋を中心にした範囲です。写真の右側にみえている大陸は、アフリカ大陸とヨーロッパ大陸です。アフリカ大陸の西北部、イベリア半島、イギリスの一部などがみえます。写真の左側には、南北アメリカ大陸が写っています。左下側には南アメリカの東北部がくっきりと見えます。中央アメリカ付近は雲に覆われています。メキシコ付近からアメリカ合衆国中央部、キューバ島などもみえます。この画像は、「はやぶさ」搭載の小惑星多色分光カメラ(AMICA)で撮影されました。画像は、搭載されている単色フィルタの画像3枚から合成したものです。

2004年5月18日 更新
「はやぶさ」、地球と月を撮影

地球スイングバイに向けて、「はやぶさ」は順調に地球に近づいています。 16~17日にかけて、地球及び月を撮影することに成功しました。

「はやぶさ」から撮影された地球

この画像は、5月17日午前3時30分(日本時間)に撮影された、地球の画像です。この時点での「はやぶさ」と地球との距離は約91万キロです。この画像は、アメリカ大陸南部(テキサス州付近)が中心に写っています。写真全体に、北アメリカ大陸がみえます。また、太平洋、大西洋の青い海や、大陸上空の雲の様子などもわかります。この画像は、「はやぶさ」搭載の小惑星多色分光カメラ(AMICA)で撮影されました。画像は、搭載されている単色フィルタの画像3枚から合成したものです

「はやぶさ」から撮影された月 (その1)

こちらの画像は、5月16日午後8時30分(日本時間)に撮影された、月の画像です。この時点での「はやぶさ」と月との距離は、約71万キロです。写真の中央付近を赤道が通っており、左側が北、右側が南になります。写真に写っている場所は、ほぼ月の裏側になります。写真右上に黒い小さな点がみえますが、これは月の裏側にある大きなクレーター、オリエンタル盆地(Mare Orientale)になります。上側の一部には月の表側の海「嵐の大洋」が写っています。右下のやや黒っぽい部分は、月の裏側にある、「アポロ」などのクレーター(サウスポール・エイトケン盆地の一部)と思われます。この画像は、「はやぶさ」搭載の小惑星多色分光カメラ(AMICA)で撮影されました。画像は、搭載されている単色フィルタの画像3枚から合成したものです。

「はやぶさ」から撮影された月 (その2)

この画像は、5月17日午後8時(日本時間)に撮影された、月の画像です。「その1」の約1日後に撮影されたものです。この時点での「はやぶさ」と月との距離は、約34万キロになります。写真に写っている地域は基本的に「その1」とほぼ同じですが、距離が近くなったために、月の全体がよりはっきりと写っています。左下に写っている黒い点は、モスクワの海 (Mare Moscoviense)と思われます。この画像は、「はやぶさ」搭載の小惑星多色分光カメラ(AMICA)で撮影されました。画像は、搭載されている単色フィルタの画像3枚から合成したものです。

2004年4月16日 更新
小惑星「イトカワ」の、おおまかな形が明らかに

小惑星「イトカワ」のJPL レーダーモデルアレシボ天文台の大型電波望遠鏡 最近のレーダー観測から「はやぶさ(MUSES-C)」が目指す小惑星「イトカワ」のおおまかな形が明らかになりました(写真上)。
世界最大口径を誇るアレシボ天文台の大型電波望遠鏡(直径305m、中米プエルトリコ、写真)から「イトカワ」に向けて電波を発射し、その反射波の時間や周波数のズレを長期間にわたり精密に観測することで、遠方の天体の形や回転を調べるもので、NASA・ジェット推進研究所(JPL)のスティーブ・オストロ氏らグループによって実施されました。

「はやぶさ」は2005年夏に予定されている「イトカワ」への到達後、数か月かけて詳細な観測を行ないます。アレシボ天文台での観測で明らかになった「じゃがいも」の、より詳細な表面の様子が「はやぶさ」に搭載された高性能カメラで捉えられることになります。さらに赤外線やX線などさまざまな波長での観測結果や、うまくいけば地球に戻ってくる「ITOKAWA」のかけらが、太陽系の起源についてのより詳細な情報を我々にもたらしてくれることでしょう。

「はやぶさ」は、2004年5月に「地球スイングバイ」を行ない、「イトカワ」に向かう軌道に入ります。

写真上:小惑星「イトカワ」のJPL レーダーモデル(Data by S. J. Ostro et al., Meteoritics and Planetary Science (in press) )
写真右:アレシボ天文台の大型電波望遠鏡 [Photo courtesy of the NAIC - Arecibo Observatory, a facility of the NSF]

2004年1月30日 更新
2万時間のイオンエンジン運転試験を終了

「はやぶさ」に搭載されているイオンエンジン「μ10」と同型エンジンの地上試験が終了しました。通算2万0614時間(約859日間)は、これまでの「はやぶさ」のエンジン1基あたりの運転時間の約7倍で、ミッションで想定されている総運転時間の1.3倍に相当します。今後、地上試験に使われたエンジン部品の詳細な解析を経てデータを取得し、実機の運用や今後のイオンエンジンの開発に役立てられることになります。

2003年11月4日 更新
「はやぶさ」は順調に飛行中

「はやぶさ」に搭載されたイオンエンジンは、惑星間航行の主推進機として順調に運転を続けています。現在3基のイオンエンジンの合計運転時間は約6000時間(1基あたり約2000時間)に達しています。現在「はやぶさ」は地球の後方約7200万kmの距離を地球の公転と同じ方向に飛行しています。今後「はやぶさ」は2004年5月に地球に再接近し「スウィングバイ」を行う予定です。この「スウィングバイ」でさらに速度を増し、2005年夏に目的の小惑星「ITOKAWA」に到着する予定です。

写真:(左)はやぶさ (右)地上でのイオンエンジン試験運転の様子

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