金星探査計画「あかつき」

2010年5月21日打ち上げ > 運用中

プロジェクトトピックス


2012年1月31日 更新

「あかつき」の現状と今後の運用について

「あかつき」は今後の軌道制御を姿勢制御用1液スラスタ(RCS)で行うこととなったため、2011年10月に、不要となった酸化剤のほぼ全量を投棄しました。これにより探査機が軽量化され、残燃料を有効に軌道制御に活用できる状態となりました。
2011年11月には、金星再会合に向けRCSによる近日点軌道制御を3回に分けて実施。計画通りの軌道変更を行い、現在は2015年に金星に再会合できる軌道を飛行中です。(*)
また、「あかつき」は金星周回軌道再投入までは近日点通過の度に厳しい熱環境下での運用となるため、探査機の健全性には十分に注意をして運用します。
(*)科学観測の観点からは2016年に赤道面に近い金星周回軌道への投入が望ましいのですが、設計寿命を超えた探査機の運用上の課題を考え、2015年に金星周回軌道に投入するケースと比較しながら、今後、探査機の状態を見極めつつ観測成果を最大化する軌道投入計画を立案していく予定です。

チームリーダが語る私たちのミッション


我が国初の金星探査機「あかつき」は2010年5月21日早朝、種子島から打ち上げられ金星を目指しました。同年12月7日に金星に最接近しましたが、残念ながら金星をめぐる軌道への投入は失敗に終わりました。
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プロジェクト概要


プリント

地球の双子星、金星の謎を探る「あかつき」
金星探査時代の幕開けは日本から

(提供:池下章裕)

金星探査機「あかつき」(PLANET-C)は、火星探査機「のぞみ」(PLANET-B)に続く日本による惑星探査計画で、金星の大気の謎を解明することが目的です。
金星は「地球の兄弟星」と言われてきました。その理由は、金星の大きさや太陽からの距離が地球に近く、太陽系の創生期に地球と似た姿で誕生した惑星と考えられているからです。ところが現在の金星は高温の二酸化炭素の大気に包まれ、硫酸の雲が浮かぶ、地球とはまったく異なる環境です。上空では時速400キロに達する暴風があまねく吹いています。なぜ金星がこのような姿をしているのか、それがわかれば、地球が金星と違って穏やかな生命あふれる星となった理由や気候変動を解明する手がかりが得られます。つまり地球環境を理解する上で重要な探査対象なのです。
この「あかつき」は、そのような金星探査の時代の先駆けとなるものです。
2010年5月、「あかつき」はH-IIAロケット17号機によって打ち上げられました。その後、順調に飛行を続けた「あかつき」は2010年12月7日に金星を周回する軌道に入るための軌道制御エンジンの噴射を実施しましたが、金星周回軌道への投入に失敗しました。JAXAでは調査・対策チームを設置し、投入が出来なかった原因とその対策を調査すると共に、「あかつき」が再び金星に接近する可能性のある約6年後に向けて、金星周回軌道への再投入の計画を検討しています。


赤外線でより詳しく金星の素顔を調査
日本も一躍、惑星探査のパイオニアに

「あかつき」は、金星表面からの距離300kmから8万kmまで変化する楕円軌道に投入されます。この距離の違いを利用して、金星全体の気象現象や地表面を広い範囲で調べたり、金星から宇宙空間へと逃げ出す大気の観測や雲のクローズアップ撮影を行います。また金星表面には毎秒100mにも達する「スーパーローテーション」と呼ばれる暴風が吹き荒れていますが、これまでこの自転速度の60倍にも及ぶ風速が発生する原因は気象学的にも理由がつかず、金星最大の謎とされてきました。「あかつき」では、雲の下の大気や地表の様子までを赤外線による観測を行ってその謎の解明に迫ります。その他、これまで確証のつかめなかった金星での雷の放電現象や、火山活動の有無等を調査することもミッションに含まれています。この計画によって、日本は惑星探査の新たなパイオニアとなることを目指します。


主要諸元

国際標識番号 2010-020D
打ち上げ日時 2010(平成22)年5月21日 6:58
打ち上げロケット H-IIAロケット17号機
打ち上げ場所 種子島宇宙センター
形状 太陽電池パドルを有する箱形
質量 約500kg(打ち上げ時)
軌道 金星周回楕円軌道
軌道高度 近金点300km×遠金点80,000km
軌道傾斜角 約172度
軌道周期 約30時間

Twitter

金星探査機「あかつき」の最新情報をお届けします。
「あかつき」チーム
@Akatsuki_JAXA


パンフレット