金星探査機「PLANET-C」

トピックス

2012年1月31日 更新

「あかつき」の現状と今後の運用について

「あかつき」は今後の軌道制御を姿勢制御用1液スラスタ(RCS)で行うこととなったため、2011年10月に、不要となった酸化剤のほぼ全量を投棄しました。これにより探査機が軽量化され、残燃料を有効に軌道制御に活用できる状態となりました。
2011年11月には、金星再会合に向けRCSによる近日点軌道制御を3回に分けて実施。計画通りの軌道変更を行い、現在は2015年に金星に再会合できる軌道を飛行中です。(*)
また、「あかつき」は金星周回軌道再投入までは近日点通過の度に厳しい熱環境下での運用となるため、探査機の健全性には十分に注意をして運用します。
(*)科学観測の観点からは2016年に赤道面に近い金星周回軌道への投入が望ましいのですが、設計寿命を超えた探査機の運用上の課題を考え、2015年に金星周回軌道に投入するケースと比較しながら、今後、探査機の状態を見極めつつ観測成果を最大化する軌道投入計画を立案していく予定です。

2011年11月21日 更新

「あかつき」近日点における3回目の軌道制御を実施

JAXAは、金星探査機「あかつき」の今後の金星再会合に向け、近日点における姿勢制御用スラスタ(RCS)による第3回軌道制御を予定どおり11月21日13時57分(日本時間)から342秒間実施しました。衛星の状態は正常です。
今後は取得したテレメトリデータの解析と軌道決定を進めるとともに、金星再会合に向けた運用を引き続き進めていきます。

2011年11月10日 更新

「あかつき」近日点における2回目の軌道制御を実施

JAXAは金星探査機「あかつき」の今後の金星再会合に向け、近日点における姿勢制御用スラスタ(RCS)による第2回軌道制御を11月10日13時37分(日本時間)から544秒間実施しました。衛星の状態は正常です。
今後は取得したテレメトリデータの解析を進めるとともに、11月21日に計画している第3回軌道制御に向けた準備を進めていきます。
※なお、11月1日に実施した第1回軌道制御の噴射時間は587.5秒でした。

2011年11月2日 更新

「あかつき」近日点における軌道制御を実施

JAXAは、金星探査機「あかつき」の今後の金星再会合に向け、近日点における姿勢制御用スラスタ(RCS)による第1回軌道制御を11月1日13時22分(日本時間)から約10分間実施しました。
今後は取得したテレメトリデータの解析を進めるとともに、11月10日に計画している第2回軌道制御に向けた軌道決定を進めていきます。

2011年9月30日 更新

「あかつき」2015年の金星再会合を目指し、11月に軌道制御を実施予定

金星探査機「あかつき」(PLANET-C)の軌道制御用エンジン(OME)の軌道上のテスト噴射を9月7、14日に実施しましたが、噴射による加速度が想定の約1/9、推力が約40N(ニュートン)程度と、今後の軌道制御に有効な比推力が得られないことがわかりました。また、OMEの破損が進行していると考えられることから、OMEの使用を断念いたしました。
今後は姿勢制御用スラスタ(RCS)による軌道制御を行い、2015年の金星再会合を目指し、11月上旬に近日点軌道制御を実施する予定です。 図:「あかつき」軌道制御時の探査機と金星、地球の位置関係(太陽周回軌道/現在の軌道)

2011年9月15日 更新

「あかつき」の軌道制御用エンジンの第2回テスト噴射の結果について

金星探査機「あかつき」(PLANET-C)の軌道制御用エンジン(OME)の第2回テスト噴射(注1)を9月14日に実施し、取得したデータの解析を進めていたところ、噴射による加速度が、9月7日の第1回テスト噴射時と同様に想定よりも小さな値を示していることが分かりました。
今後の対応については、これまでの2回の試験噴射のデータをふまえて検討していきます。
なお、第2回テスト噴射後の衛星の状態は正常です。
注1:OME噴射状況の再確認等を目的とし、噴射時間は約5秒であった(計画通り)。

2011年9月14日 更新

「あかつき」軌道制御用エンジン、第2回テスト噴射を実施

金星探査機「あかつき」(PLANET-C)の今後の金星再会合に向けた軌道変更計画の検討の一環として、軌道制御用エンジン(OME)の第2回テスト噴射(注1)を実施し、予定通りの時刻(9月14日11時50分(日本時間))に噴射したことを確認しました。
今後は取得したテレメトリデータの解析を進めるとともに、「あかつき」の軌道変更計画を検討していきます。
注1:OME噴射状況の再確認等を目的とし、計画噴射時間は約5秒。

2011年9月9日 更新

「あかつき」軌道制御用エンジン、第2回テスト噴射計画を変更

金星探査機「あかつき」(PLANET-C)の今後の金星再会合に向けた軌道変更計画検討の一環として、軌道制御用エンジン(OME)の第1回テスト噴射(注1)を9月7日に実施し、取得したデータの解析を進めていたところ、噴射による加速度が想定よりも小さな値を示していることが分かりました。これは、第2回テスト噴射(注2)の前提として当初予測していた状況と異なるため、9月14日に計画している第2回テスト噴射の計画を変更し、OMEの噴射状況を再確認することを目的として、約5秒間噴射することといたします。
なお、第1回テスト噴射後の衛星の状態は正常です。
注1:姿勢外乱(横推力等)の定量的把握を目的とし、噴射時間は約2秒であった(計画通り)。
注2:当初計画は姿勢制御ロジックの検証を目的とし、計画噴射時間は20秒であった。

2011年9月7日 更新

「あかつき」の軌道制御用エンジン、第1回テスト噴射を実施

金星探査機「あかつき」(PLANET-C)の今後の金星再会合に向けた軌道変更計画の検討の一環として、軌道制御用エンジン(OME)の第1回テスト噴射(注1)を実施し、予定通り9月7日11時50分(日本時間)に噴射したことを確認しました。
今後は取得したテレメトリデータの解析を進めるとともに、9月14日に計画している第2回テスト噴射(注2)に向けた準備を進めていきます。
注1:姿勢外乱(横推力等)の定量的把握を目的とし、計画噴射時間は2秒。
注2:姿勢制御ロジックの検証を目的とし、計画噴射時間は20秒。

2011年7月4日 更新

あかつき、2015年11月に金星へ

6月30日に開催された宇宙開発委員会の第3回調査部会において、以下の報告をいたしました。
第1、2回の調査部会で推定された不具合原因の解析、検証実験を行った結果から、軌道投入マヌーバ(VOI-1)時に逆止弁が閉塞し、軌道制御エンジン(OME)のスラスタノズル部が破損した可能性が高いことがわかりました。
今後は破損したスラスタノズルの再着火の可否を地上試験および搭載エンジンの試験噴射により見極め、結果に応じて金星軌道再投入操作の実施に向け準備し、 2015年11月に金星に再会合させることを計画しています。
写真:金星投入時を再現した燃焼試験の様子

2011年4月13日 更新

「あかつき」の現在の状況

2011年4月13日に開催された宇宙開発委員会において、「あかつき」の現状について報告をいたしました。3月に科学データ取得と観測機器の健全性確認を兼ねて中間赤外カメラ(LIR)、紫外イメージャ(UVI)、1μmカメラ(IR1)、2μmカメラ(IR2)の4台のカメラを用いて1000万km以上の距離から金星を複数回撮影し、2μmカメラ(IR2)についても金星周回軌道投入マヌーバ(VOI)後の健全性を確認しました。
写真:3月9日に2μカメラ(IR2)を用いて撮影した金星

2010年12月10日 更新

「あかつき」の機能確認作業において金星を撮影

JAXAは現在、金星探査機「あかつき」の金星周回軌道投入失敗の原因究明を行っておりますが、金星最接近時のデータ取得後に行った探査機の機能確認作業において、12月9日9時ごろ(日本標準時)に金星の画像を取得することができました。
(写真:左からUVI画像、IR1画像、LIR画像 ※画像は人工的に着色(UVI画像:青色 IR1画像:橙色)しています。)

2010年12月8日 更新

「あかつき」金星周回軌道投入計画の見直し

12月7日に金星周回軌道投入マヌーバ(VOI-1)を実施した金星探査機「あかつき」が、計画通り金星周回軌道へ投入できなかったことが分かりました。JAXAでは調査・対策チームを新たに設置し、投入が出来なかった原因とその対策を調査すると共に、「あかつき」が再び金星に接近する6年後に向けて、金星周回軌道の投入計画を見直す予定です。

2010年12月8日 更新

「あかつき」金星周回観測軌道への投入結果

5月21日、種子島宇宙センターから打ち上げた金星探査機「あかつき」は、金星周回軌道へ投入するための金星周回軌道投入マヌーバ(VOI-1)を12月7日8時49 分(日本標準時)から実施しましたが、軌道推定の結果、金星周回軌道への投入ができなかったことを確認しました。
JAXAでは調査・対策チームを設置し、「あかつき」の金星周回軌道投入に失敗した原因について調査中です。今後の「あかつき」の運用や対応状況、調査結果については随時お知らせいたします。

2010年11月18日 更新

「あかつき」の金星周回軌道投入日決定

金星探査機「あかつき」は金星を周回する軌道に入るための軌道制御エンジン(OME)の噴射を、12月7日8時49分00秒(日本時間)に実施する予定です。同日9時1分00秒には軌道制御エンジンの噴射を終了し、その後Z軸地球指向への姿勢変更等を経て、同日12月7日21時頃には金星周回軌道を決定する予定です。
「あかつき」は金星軌道投入後、約2年をかけて金星の大気を調査します。

2010年10月25日 更新

「あかつき」搭載カメラで「いて座」を撮像

10月8日に「あかつき」搭載カメラによる「いて座(一部)」の撮像を実施しました。今回の撮像では、臼田宇宙空間観測所との通信中に探査機のカメラ取り付け面を「いて座」方向に向け、中間赤外カメラ(LIR)、紫外イメージャ(UVI)、1μmカメラ(IR1)、2μmカメラ(IR2)を動作させて画像を取得しました。
あかつきのカメラは「紫外線」や「赤外線」という目に見えない光をとらえます。紫外線をとらえるUVI・赤外線をとらえるIR1が写し出した「いて座」は人間の目とは見え方が異なっています。
LIRおよびIR2に関しては、観測波長域や検出器温度状況から今回の撮像条件では星が検出されないことが事前に予測されており、それぞれの条件下で適正な画像を取得し、現時点で各カメラが健全な状態であると確認しました。

2010年7月6日 更新

「あかつき」世界初セラミックスラスターで軌道制御に成功

6月28日に金星探査機「あかつき」は、地球から1,460万km、太陽から1.06天文単位の距離で、今回新規に開発した窒化珪素(Si3N4)製セラミックスラスターである、500N(ニュートン)の軌道制御エンジン(OME)の噴射に成功しました。
セラミックスラスターの軌道上での噴射成功は、世界で初めての事です。
このエンジンは、主に金星周回軌道へ投入する時の逆噴射に使われるもので、今回の実証により、ほぼ計画通りの軌道制御が行われたことを確認しました。
次回の軌道制御は11月上旬頃に実施予定で、金星への最接近および金星周回軌道への投入は12月7日となる予定です。

2010年5月23日 更新

「あかつき」順調に飛行中!

5月21日、H-IIAロケット17号機によって打ち上げられた金星探査機「あかつき」は、太陽電池パネルの展開、太陽捕捉制御など一連のシーケンスが正常に行われていることを確認しました。
また「あかつき」が5月21日20:50頃、地球との距離が約25万kmの地点で、機器の状態を確認するために撮影した地球の画像が届きました。

2010年5月21日 更新

「あかつき」打ち上げ成功!!

5月21日6時58分22秒に、金星探査機「あかつき」を搭載したH-IIAロケット17号機を、種子島宇宙センターから打ち上げました。H-IIAロケット17号機は正常に飛行し、打ち上げ約27分29秒後に「あかつき」を分離した事を確認しました。
今後の「あかつき」の最新情報は、引き続きあかつき特設サイトで発信していく予定です。
(写真提供:三菱重工業)

2010年5月18日 更新

「あかつき」「IKAROS」打ち上げは21日(金)6:58に再設定

H-IIAロケット17号機による金星探査機「あかつき」と小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」の打ち上げは、気象状況を確認した結果、5月21日(金)6時58分22秒に行うことになりました。
これにともない、打ち上げライブ中継は21日(金)6:30から放送する予定です。インターネットでの配信をはじめ、JAXA i、相模原キャンパス、大学等でのパブリックビューイングや、さらには一部のCATV、携帯電話などで、打ち上げの模様をご覧いただけます。

2010年5月10日 更新

「あかつき」「IKAROS」VABへ移動

種子島宇宙センターで衛星フェアリングに格納された金星探査機「あかつき」と小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」は、5月9日、H-IIAロケット17号機が待つ大型ロケット組立棟(VAB)に移動されました。
今後H-IIAロケット17号機への結合作業を行い、最終確認を行い、18日の打ち上げを待つばかりとなります。

2010年5月6日 更新

「あかつき」「IKAROS」衛星フェアリングに格納

5月4日、種子島宇宙センターの衛星フェアリング組立棟(SFA)で、金星探査機「あかつき」や小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」を衛星フェアリングに格納する作業が行われました。衛星フェアリングは衛星・探査機を覆い、打ち上げ時に空気抵抗、摩擦熱や音響振動から守るためのものです。
今後この衛星フェアリングは、大型ロケット組立棟(VAB)へ運ばれた後、H-IIAロケット17号機の先端に取り付けられる予定です。

2010年4月30日 更新

「あかつき」PAF結合作業を実施

4月30日、金星探査機「あかつき」は、種子島宇宙センターの衛星フェアリング組立棟(SFA)で、ロケットと探査機をつなぐ台座である「Payload Attach Fitting (PAF)」への結合作業が行われました。
今回「あかつき」と一緒に打ち上がる小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」は、PAFの中に既に格納されています。
今後「あかつき」は、衛星フェアリングへ格納され、大型ロケット組立棟(VAB)へ運ばれた後、H-IIAロケット17号機へ取り付けられる予定です。

2010年3月19日 更新

「あかつき」種子島に到着

3月17日相模原キャンパスを出発した金星探査機「あかつき」は、19日17:30頃、種子島宇宙センターの第2衛星組立棟(STA2)に無事到着しました。
皆さまから寄せられた「あかつき」やプロジェクトチームへの応援メッセージは、特設サイトで随時公開中です。

2010年3月18日 更新

「あかつき」種子島へ向け出発!

金星探査機「あかつき」が、種子島宇宙センターへ向け、3月17日夕方、相模原キャンパスを出発しました。「あかつき」は、19日には種子島宇宙センターへ搬入される予定です。そして打ち上げに向け、最終準備作業に入ります。
皆さまから「あかつき」とプロジェクトチームへの熱い応援メッセージもお待ちしています。

2010年3月12日 更新

「あかつき」相模原キャンパスで機体公開

3月12日、相模原キャンパスで、金星探査機「あかつき」と小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」を報道機関向けに公開しました。
今後「あかつき」と「IKAROS」は種子島宇宙センターへ輸送され、打ち上げに向け最終準備作業に入ります。

2010年3月3日 更新

「あかつき」打ち上げ日決定! 特設サイトオープン

金星探査機「あかつき」や小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」、その他4基の小型副衛星を載せるH-IIAロケット17号機の打ち上げ予定日時が、5月18日6時44分14秒に設定されました。
本日オープンした「あかつき特設サイト」で、「あかつき」の準備状況から打ち上げ、金星軌道到達までの最新情報をお伝えしていきます。どうぞお楽しみに!
特設サイトでは、応援メッセージの募集も開始しました。皆さまから「あかつき」とプロジェクトチームへの応援をお待ちしています。

2010年2月10日 更新

「あかつき」メッセージキャンペーン ご登録ありがとうございました

1月10日に終了した「あかつき」メッセージキャンペーン。世界中の皆さんから「あかつき」へ応援のメッセージをいただきました。インターネットからご登録された方、地域、学校、科学館等で団体登録してくださった方、あわせて260,214名のご登録をいただきました。多くの著名人からも「あかつき」へメッセージをお寄せいただいています。
皆さんからいただいたメッセージは、今後アルミプレートに印刷され、「あかつき」の機体へ取り付けられることになります。そしてその後、種子島宇宙センターへ輸送され、打ち上げの準備に入る予定です。

2009年12月17日 更新

年末年始も「あかつき」メッセージキャンペーン!

2010年度打ち上げ予定の金星探査機「あかつき」(PLANET-C)にあなたの名前とメッセージを載せて金星へお届けする、メッセージキャンペーンを実施しています。
これまで小沢鋭仁環境大臣や、漫画家の松本零士先生さん、小山宙哉さん、歌手の平原綾香さん、作家の志茂田景樹さん、デジタルファインアーティストKAGAYA さん、若田光一宇宙飛行士らSTS-127クルーなど、著名な方々からもメッセージをいただいています。団体からのご応募も、多数寄せられています。団体からのご応募は、いただいたイメージのまま「あかつき」へ搭載されます。
募集期間が1月10日(日)まで延長されました。年末年始の休暇中に親戚や友達を誘って、ぜひご登録下さい。(画像:JAXA i 来場者のメッセージ)

2009年11月30日 更新

「あかつき」相模原キャンパスで機体公開
メッセージキャンペーンも残り1ヶ月!

11月27日、相模原キャンパスの飛翔体環境試験棟で、金星探査機「あかつき」を報道機関向けに公開しました。今後「あかつき」は引き続き総合試験が実施されます。
「あかつき」メッセージキャンペーンは早くも折り返し地点。残り1ヶ月を切りました。まだ応募されてない方はぜひ登録をお願いします。
今回のキャンペーンは、団体申し込みの場合、紙に書いたイメージのまま金星へ送ることができるのが大きな特長です。学校、職場等で、皆さんの想いを1枚の紙に寄せ書きして、ご応募下さい。

2009年10月23日 更新

お届けします!あなたのメッセージ、暁の金星へ

2010年度打ち上げ予定の金星探査機「あかつき」(PLANET-C)は、打ち上げ後約半年で金星周回軌道に到着し、約2年をかけて金星の大気を調査する探査機です。この「あかつき」にあなたのお名前とメッセージを載せて、金星へお届けします。学校や塾、職場など団体での応募も可能ですので、ぜひお誘いあわせの上、ご参加ください。
あなたの「想い」、お待ちしています。募集期間は12月25日まで。

2009年6月1日 更新

「PLANET-C」総合試験開始

6月からPLANET-Cの総合試験を開始しました。
総合試験では、一時噛み合わせ試験後それぞれに最終調整を行なってきた各機器・部品を再び集め、 組み上げ、様々な試験を行なっていきます。
※写真:衛星構体が入ったコンテナが運び込まれる様子


2009年1月6日 更新

一次噛み合わせ試験を終え、衛星を解体中

年末に引き続き衛星の解体が行われています。上の写真は観測用の2μm赤外線カメラIR2を上部パネルから取り外すところです。上部パネルに様々な機器が取り付けられていましたが、 現在は既にそのほとんどが外されています。

下の写真は机の上に並べられた取り外し後の観測用カメラです。 手前から順に、紫外線イメージャUVI(青いプレートの下にある黒いカメラ)、1μm赤外線カメラIR1、中間赤外カメラLIR(透明なケースに入っているカメラ)、 雷・大気光カメラLAC(金色のシートに包まれているカメラ)です。

2008年12月26日 更新

一次噛み合わせ試験終了

12月23日、観測用カメラのテストが行なわれました。5つのカメラ全てに電源を入れ、実際に観測用のコマンドを送って順調に作動するかを確認しました。

写真(上)は1μm赤外線カメラに光を入れている様子を撮影したものです。上面に白い円盤状のアンテナがついているのがPLANET-C衛星本体です。太陽電池パドルを取り外した後なので、前回の写真では隠れていた白いアンテナが見えています。カメラは衛星本体の手前側右端に取り付けられています。カメラの前方に金星代わりの明るいランプがあるため、後ろの壁に衛星のシルエットがはっきりと映っています。

12月25日、様々な試験も終わり、衛星の解体が始まりました。写真(下)はその様子で、上部パネルを慎重に衛星本体から外していくところです。

2008年12月18日 更新

一次噛み合わせ試験実施中

2008年10月1日より、PLANET-Cの一次噛み合わせ試験を実施中です。この試験では、約3カ月かけて、実際の探査機で使用される飛翔モデルの部品をほぼ打ち上げ時の状態に組み上げます。大きなクリーンルームを使い、実際の飛翔時に近い形態で機械的な合わせや電気的な整合性・機能を確認する重要な試験です。これまで個々に開発されてきた各部品や観測機器が一堂に会し、衛星の形が出来上がっていく様子は圧巻です。
写真(上)は試験の作業風景です。右が観測用機器を含む様々な部品が取り付けられている上部パネル、左の黒い筒は燃料タンクを支えるスラストチューブです。

12/8〜9には衛星の組上げが行われました。探査機の上部パネルと下部パネルが組み付けられ、ついに衛星の形になりました。組み上がった状態で様々な試験を実施した後、月末には解体され、各部品ごとに再び調整や試験が行われます。
写真(下)は組み上がったPLANET-Cです。写真中の衛星本体右端に4つの観測用カメラが取り付けられており、上から順に中間赤外線カメラ、紫外線カメラ、1μmカメラ、2μmカメラです。また、頭を抱えている腕のように衛星上部に折りたたまれているのが、太陽電池パドルです。

2008年7月9日 更新

「PLANET-C」打ち上げ時に相乗りする小型副衛星が決定

2008年7月3日に「PLANET-Cに相乗りする小型副衛星の選定委員会」を開催し、PLANET-CとともにH-IIAロケットに相乗り搭載して打ち上げる、小型副衛星の候補を4機選定しました。

  • WASEDA-SAT2(早稲田大学)
  • 大気水蒸気観測衛星(鹿児島大学)
  • Negai☆″(創価大学)
  • UNITEC-1(大学宇宙工学コンソーシアム(UNISEC))

これらのうちUNITEC-1は、世界で初めて、宇宙機関以外で金星に向けた軌道を目指します。

2006年5月17日 更新

「金星の素顔を透視」する高性能な検出器の開発を進めています

金星探査機「PLANET-C」に搭載される5台のカメラのうち、波長2ミクロン前後の赤外線を観測対象とするカメラが「IR2」です。それが目的としているのは、金星の厚い雲の下にある高温大気、その動きや微量成分の分布を観測することです。いわば「金星の素顔を透視」するカメラといえるでしょう。「IR2」のレンズは赤外線観測に適した材料で作られており(ニコン製)、デジタルカメラでいうCCDなどに相当する撮像素子には、プラチナシリサイド(PtSi)素子を使っています(三菱電機製)。

このPtSi素子、画素数は100万画素(1024×1024)とたいしたことがないように聞こえるかもしれません。しかし市場に出回っているデジタルカメラやビデオカメラとは桁違いの性能を誇るものです。宇宙空間の過酷な環境下でも性能を発揮(安定度)し、暗いものから明るいものまで捉える能力(ダイナミックレンジ)に優れ、測定値の正確さ(リニアリティ)なども非常に高いレベルにあります。実は画素数も、このタイプの撮像素子としては現時点での最高レベルのものなのです。

写真はPtSi検出器の試作品です。1024×1024=100万画素の受光面は約17mm×17mmの大きさで、ICパッケージに取り付けられています。すでにこの素子は冷却評価試験で良好な結果が得られています。この設計に微修正を加えたものをPM/FM(最終試作・実機搭載)素子とすべく、2006年5月から製作に入ります。

探査機に搭載されるもう1台の赤外線カメラ「IR1」と「IR2」が、探査機の主力カメラです。「IR1」と「IR2」は、観測対象とする波長は異なるものの、ほぼ同じ素子を用います。そのいずれも、レンズや素子のほか、冷却装置を備えたカメラ本体は国内の精密機器メーカー(住友重機械工業)が担当し、純国産で開発が進められています。
欧米が先行する宇宙開発分野での日本独自のチャレンジは決して容易なことではありません。しかしこの取り組みを通じてノウハウを蓄積し、日本ならではの先端技術を磨くことで、最先端の宇宙科学を推進できると信じ、エンジニアとサイエンティストが一丸となって開発に当たっています。

2005年8月29日 更新

「大気超回転」と火山の謎に挑む、赤外線カメラを開発中

金星探査機「PLANET-C」は、さまざまな波長域の光を5台のカメラでとらえることで、金星の大気の動きを詳しく観測します。そして、太陽系の気象学で最大の謎となっている「大気超回転」を解明しようとしています。「大気超回転」とは、金星の大気が金星の自転周期の約60倍もの速さで回っている現象です(自転周期243日に対し、大気は4日)。波長1ミクロン域の赤外線をとらえる「IR1カメラ」は、金星の昼と夜の両方を観測することで、その謎を解く手がかりを得ようとしています。

「IR1」は、昼には金星全面を覆う雲層(45-65km)からの太陽散乱光をとらえ、雲層下部での大気の動きを検出します。夜には雲層下部の観測に加え、地表の物質組成や活火山を調べようとしています。実は金星では、火山活動の跡があることは知られていますが、活火山はまだ見つかっていません。活火山を見つけられれば、金星の内部を知ることや、惑星の進化史のヒントを得られることになるため、観測チームは大きな期待を寄せています。

ところで、金星の夜側を観測する際には、強く輝く太陽は、視野の近くにあるため、観測をじゃましてしまうことになります。そこで、太陽の光をさえぎって観測データを守るための「遮光筒」が重要な役割を担うことになります。写真は角型や丸型の遮光板で構成された、新型遮光筒のテスト風景です(長野県の臼田宇宙空間観測所の大暗室にて実施)。

2005年4月13日 更新

雷・大気光カメラが、大幅な軽量化を実現

金星探査機「PLANET-C」には5つのカメラが搭載されますが、そのうちの1つが、世界の惑星探査ミッションで初となる「雷・大気光カメラ」(LAC=Lightning and Airglow Camera)です。このカメラは1秒間に5万回という「高速撮像」を行い、一瞬の雷光を確実に捉えます(肉眼で稲妻が見えるのは、残像現象によるものです)。
そして発光の有無をリアルタイムで判断する「自動イベント検出」の機能を有しています。これは多くの撮像トライアルのうち、発光を捉えたものだけをデータとして残す、たいへんユニークで特徴的な機能です。
LACは厳しい重量制限をクリアするために2004年秋に設計変更を行い、70%以上(約5.2kg→約1.5kg)という大幅な軽量化を実現しました。また撮像素子もMCP(マイクロ・チャネル・プレート)から、より信頼性・耐久性の高い固体素子のAPD(アバランシェ・フォト・ダイオード)への変更を想定し、試作機による検証を続けています。
開発チームはLACが、20年以上にわたり続いてきた「金星における雷放電の存在」をめぐる論争に終止符を打つ決定的な証拠を、世界で初めてつかんでくれるものと期待をしています。



「雷・大気光カメラ」の概略図(2005年春・最新版)
1)設計変更前のLAC(左)
2)設計変更後のLACの外観(中央)と光学系(右上)
 太陽光や金星の雲の照り返しをさえぎるフードを持たないため、観測は探査機が金星の影に入る時間帯(金星の夜の側)のみを観測する。
3)受光面におけるフィルターの配置図(右下)
検出器受光面を5分割し、特定の波長の光だけを透過するフィルターを5種類、撮像素子に直付けし、画素ごとに異なる観測対象を撮像させることにする。フィルターを回転させる機構などが不要となり、カメラの軽量化に大きく貢献した。

参考リンク:金星「雷」論争についての解説


2004年10月18日 更新

探査機本体の試作モデルを設計中

今年4月に正式なスタートを切った「PLANET-C」プロジェクトでは現在、探査機の試作モデルを設計しています。
PLANET-Cには、金星の地表から高層大気までを観測するため、さまざまな波長の赤外線や紫外線などを測定する特殊なカメラが5台搭載されます。その際に重要なのは「探査機の内部をいかに涼しく保つか」です。赤外線は「熱線」とも呼ばれていて、測定器自体が高温になると正確な測定ができなくなってしまいます。
金星は地球よりも4000万kmほど太陽に近いため、探査機の熱を効率よく宇宙空間に逃がすための設計(熱構造設計)や、搭載機器から発する熱を抑えるために、地球を周回する人工衛星よりはるかに厳しい条件が課せられることになります。宇宙開発分野ではまだ利用実績の少ない部品を採用する必要もあり、放射線被曝試験も入念に行なっています。全国の研究機関やメーカーで構成される開発チームでは、将来の地球観測ミッションへの応用も視野に入れつつ、これらの開発を急ピッチで進めています。

写真は、搭載カメラのひとつである「中間赤外線カメラ」の評価用モデルによる試験画像です。被写体は温度をわずかに違えた2枚の黒い板で、その温度差が明るさの差としてはっきりと画像に映し出されています。このカメラは「非冷却ボロメータ」と呼ばれる新しいタイプの検出器を採用しており、検出器そのものを冷却しなくても赤外線の測定が可能です。そのため、冷却が必要な従来型の赤外線カメラに比べ、画期的に小型化されています。
このカメラは金星の雲の温度や運動を明らかにしてくれることでしょう。

2004年2月27日 更新

いよいよ探査機の「試作モデル」に着手します

PLANET-Cプロジェクトチームはこれまでに、探査機の初期設計や金星観測カメラ群の開発をすすめてきました。観測カメラには宇宙開発ではまだ利用実績の少ない画素数の多い赤外線センサーを搭載したものがいくつも採用されています。そこで、放射線被曝試験を含む多くの実験を行ない、こうしたセンサーの宇宙環境での信頼性を確認し、性能を最大限に引き出すための努力を続けてきました。 金星の夜側の大気や地表面から発せられる淡い赤外線や雷の発光を拾い集めるには、照りつける強力な太陽光を排除する高性能のフードを開発することが重要な課題となっていました。また「熱線」とも呼ばれる赤外線を正確に測るためには探査機の内部を涼しく保つ必要があります。地球周回衛星に比べより太陽に近づく金星周回探査機は、宇宙空間に熱を逃がすための、より巧みな設計・構造が求められました。
こうした作業もほぼ一段落し、プロジェクトチームは2004年4月から、探査機の試作モデルの開発・製作にとりかかります。満を持しての新たなスタートとなるわけです。

写真は開発中の赤外線カメラです。赤外線カメラ群を含む各種の科学観測機器の開発には、北海道大学、東北大学、極地研究所、東京大学、大阪府立大学、熊本大学などの大学や研究機関も参加しています。