理事長挨拶・定例会見
平成18年9月
平成18年9月 理事長定例記者会見 立川理事長の定例記者会見の概要をお伝えします。
日 時:平成18年9月19日(火)13:15-14:00
場 所:JAXA 東京プレゼンルーム

トピックス
・H-IIA 10号機の打ち上げ
・19年度の概算要求を提出
・小型衛星の打ち上げ公募締め切り
・M-V-7号機の打ち上げ

H-IIA 10号機の打ち上げ

H-IIA10号機の打ち上げを行いました。同一機種で二桁の打ち上げを行ったことは日本として例をみないことです。お陰様で成功し、H-IIAの打ち上げ成功率は90%になり、世界に肩を並べるところまできました。とはいえ10機程度では信頼性について述べられる段階ではありません。宇宙開発委員会の井口委員長の言うように、国際的には同一機種で20機くらい打ち上げて、はじめて一人前と言えるでしょう。今回初めて夏期の打ち上げに立ち会いましたが、冬は風が大変ですが夏は雷で大変なことがわかりました。特に夜間の機体移動中の雷が危険です。今回、打ち上げを1日延期しましたが、雷に対しては慎重にならざるを得ません。雷の予測を、もっとキメ細かくできないか考えています。雷の専門家の力を借りて雷の予測の精度を上げることを考えています。


関連リンク
H-IIAロケット

19年度の概算要求を提出

8月に19年度の概算要求を提出しました。対前年度比22%増までというシーリングを大幅に上回り、宇宙については特別に26.8%までの要求を認めて頂きました。これはあくまで要求であり、我々としては、この予算においてどのくらいとれるかが重要な課題です。昨年のように2%増ではなく、もっと上げて頂きたいと思っています。特に19年度は、骨太の方針で取り上げて頂いたこと、第三期科学技術基本計画でロケット・衛星について国家基幹技術に入れて頂き、また戦略重点科学技術分野として、超音速の航空機などがリストアップされたため、その観点から多めの要求を認めて頂けたのではないかと思っています。我々としては、是非この機会に宇宙開発予算を昔の正常時に戻るように、年末の予算決定に向けて、努力を続けたいと考えています。


小型衛星の打ち上げ公募締め切り

を希望するのが大学の方のみならず、企業の方からも応募頂いたことです。これは画期的なことです。営利目的ではなく、あくまで研究開発や教育推進での提案と思われますが、中身についてはこれから協議をし、準備できるものからご用意頂き、GOSATの打ち上げ時に数個は載せられるのではないかと考えています。これから、どの衛星を打ち上げられるか決めていきたいと思います。もうひとつの特徴は、大学はみな10kg級の衛星かと思いきや、意外にも50kg級の大きい衛星の応募の方が多かったことです。どのような組み合わせにするかは、これから決めていきたいと思います。この施策は意外に効果的だと感じています。今回は国内を対象にしましたが、おそらく海外からもこのような話が出て来るのではないかと期待しています。いずれにせよ、まずは実績を出してから、反応を見ていきたいと思います。初回の申し込みが21機あったことに、我々も意を強くして、積極的に進めていきたいと考えています。


関連リンク
「小型衛星の打ち上げ機会提供に係る公募」の応募結果について

M-V 7号機の打ち上げ

今週末、M-V-7号機の打ち上げを予定しています。これをもってM-Vの運用を終了いたします。M-V-7号機ではSOLAR-Bを打ち上げます。現在着々と準備が整っており、予定通り打ち上げ可能と考えています。打ち上げは早朝になりますが、太陽に向かうためには、この時間が一番適しているとのことです。最後のM-Vの打上げのため、皆さんにも是非現地で見ていただきたいと思います。もちろんMシリーズはこれで終わりではありません。小型ロケットの位置づけで、固体エンジンを活用したロケットをこれから開発し、4〜5年後には間に合わせようと思っています。


関連リンク
M-Vロケット