理事長挨拶・定例会見

平成19年3月
平成19年3月 理事長定例記者会見 立川理事長の定例記者会見の概要をお伝えします。
日 時:平成19年3月8日(木)13:30-14:15
場 所:JAXA 東京プレゼンルーム

トピックス
・日本人宇宙飛行士初のISS長期滞在決定
・ロケット打ち上げの民間移管
・宇宙デブリ問題
・宇宙探査シンポジウム
・『だいち』の活用方法
・今後の予定

日本人宇宙飛行士初のISS長期滞在決定

国際宇宙ステーション(ISS)への日本人宇宙飛行士の長期滞在が決定しました。ようやく日本人初の長期滞在者が決まり、ISS計画に参加している成果のひとつが出てきたところだと思っています。若田宇宙飛行士は2008年8月から約3ヶ月滞在する予定です。


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ロケット打ち上げの民間移管

H-IIAロケット12号機の打ち上げが無事終わりました。これをもってJAXAによる打ち上げが終わり、今後はJAXAが打ち上げサービスを購入することになります。三菱重工業株式会社(MHI)が、まず最初に月周回衛星「SELENE」の打ち上げを行うことになります。三菱重工(MHI)には無事に打ち上げを行ってほしいと思います。本来は平成17年に民間移管を予定していましたが、H-IIAロケット6号機の失敗で延期されていました。ようやく約束通り民営化されることになります。日本のロケットの信頼性は高まっており、保険料率も引き下げられました。


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宇宙デブリ問題

宇宙のデブリ問題で、国連の宇宙空間平和利用委員会の小委員会が2月22日にガイドラインを決定しました。国連の宇宙空間平和利用委員会にかけられた後、国連総会で取り上げられると聞いています。JAXAとしても宇宙のデブリを出さないように検討しており、すでに着手しているものもあります。しかし、これまでに打上げたものに関しては回収することが難しいです。10cm以上のものは軌道もわかっているので、避けるよりほかありません。長い将来を考えると、デブリを発生させないようにし、どのように取り除くかが重要です。各国も賛成していることですので、中国を含めて皆で考えなければなりません。


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宇宙探査シンポジウム

昨日まで宇宙探査シンポジウムを京都で開催しました。NASAの長官、ESAの長官、イギリスの長官、韓国の長官にお越しいただき、皆にキーノートスピーチをしていただきました。これから宇宙探査を国際協力で頑張っていこうというための会であり、主要国には宇宙探査をどうするかについて話をしていただきました。日本の検討状況については前々日(3月6日)に紹介し、昨日(3月7日)は諸外国の話を聞きました。これによって宇宙探査への関心がさらに高まればよいと考えています。シンポジウムに引き続き、ワークショップをNASAとJAXAの共催で行っています。ワークショップは昨年から約1年かけて行ってきており、そろそろ一定の結論を出して、今後どうするか具体的に決めたらよいと思っています。現在盛んにディスカッションを行っているところです。


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「だいち」の活用方法

本日、資料を2つお配りしています。『だいちの目』という刊行物は、陸域観測技術衛星「だいち」の衛星写真がどのように使えるかを具体的に示したものです。まもなく販売される予定です。もう一つは、国際的な支援活動として行っている「世界寺子屋運動支援」の資料です。日本が独自で作った寺子屋=教育施設を作って、その国の方に衛星からの写真を差し上げるというものです。1号目はアフガニスタンです。日本ユネスコ協会は社団法人であり、そこを支援しようと始めたものです。世界中に300ヶ所を目指して寺子屋を寄付していると聞いており、そのうちから10ヶ所ぐらい選んで、このような写真を写そうという計画です。


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今後の予定

今後の予定としては、JAXAが昨年からロボット推進チームを作っており、3月28日にロボットシンポジウムを行います。参加者の皆さんからご意見を拝聴したいと考えています。ご興味のある方はぜひお越しいただきたいと思います。


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