・宇宙機関長会議(HOA)の開催について
・野口宇宙飛行士の長期滞在について
・陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)による緊急観測について
・温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)の観測データの解析結果の一般提供について
・シンポジウム等について
・今後の宇宙政策の在り方に関する有識者会議への出席について
・組織改正について
・今後の予定
3月11日に宇宙機関長会議(HOA)が東京で開催されました。日本での開催は8年ぶりとなり、久しぶりの開催となりました。課題は国際宇宙ステーション(ISS)の運用延長問題をどのように進めるかという議論です。まずはアメリカ航空宇宙局(NASA)がISSの延長を行いたいという態度を表明し、その後、各国、各機関で議論を行い速やかに決定していこうと決めました。今後の課題はISSの運用期間延長にあたり、如何にISSの利用を推進していくかが主体になります。今まではISSの建設を一生懸命に行ってきたので、利用をどのように拡大していくかを議論しました。日本としても大いにISSの利用を拡大すべきであると考えており、世界共通のテーマを作り、共同で実験を行うこと、および各国のISS利用成果を持ち寄って定期的に報告会を開いてISS利用成果を公表することを提案しました。
ISS計画に関する共同声明文も発表し、結論を出したと言えます。
このHOAの機会を利用して、2機関間の会談を行い、各機関との問題についても話合いました。ISSの利用問題をここでも話しました。その中で特徴的な話は、ロシア連邦宇宙局(FSA)は、プーチン首相までISSの運用期間延長の了解を得ているようですが、ロシア国民もISSの利用に高い関心を持っており、各国、各機関とも同じような状況だということです。
野口宇宙飛行士の長期滞在が、80日以上過ぎました。「きぼう」日本実験棟のロボットアームの子アームのチェックアウトが終わったので、これから利用できるようになりました。また、野口宇宙飛行士を含む宇宙飛行士全員とアメリカ合衆国のオバマ大統領との交信イベントも行われました。
2月27日にチリで大地震がありましたが、「だいち」による緊急観測の要請があり観測しました。2月27日、3月1日、2日に撮影し、それぞれデータを提供しました。
「いぶき」の観測データ解析結果(二酸化炭素など)に関しては、これまで科学コミュニティーには提供していましたが、2月18日から一般への提供を開始しました。
「国際宇宙ステーション『きぼう』が拓く有人宇宙活動」シンポジウムを2月14日に開催しましたが、若田宇宙飛行士を含む、長期滞在を行った6名の宇宙飛行士が揃い、皆さんへの報告会を行いました。大阪市、名古屋市でも同様の報告会を実施し、それぞれ約500名と300名の方々にお集まりいただき、盛大に開催できました。
3月16日に、今後の宇宙政策の在り方に関する有識者会議に出席とプレゼンテーションを依頼され、JAXAの概要等を説明しました。
4月1日からいくつかの組織改正を行います。「宇宙科学研究本部」を「宇宙科学研究所」に名称変更します。これは宇宙科学研究推進検討委員会(委員長:核融合科学研究所顧問 本島修)の提言に基づくものです。JAXA発足当初より、名称は本部でなく研究所が良いという話があり、科学研究者の方々の要望も取り入れ、名称変更を行います。
また、イプシロンロケットをプロジェクト組織化します。プロジェクト長は、森田泰弘教授が引き続き行います。
さらに、宇宙ステーション補給機(HTV)の回収機化するための研究開発室を設けることにしました。
・山崎宇宙飛行士が搭乗予定のスペースシャトルミッションSTS-131の打ち上げ
(4月5日以降@NASAケネディー宇宙センター ※打ち上げ予定日は変更となる可能性があります。)
・JAXA産業連携シンポジウム2010(3月24日@都市センターホテル)
・月探査ナショナルミーティング(4月3日@有楽町朝日ホール)
・「地球観測衛星による気候変動監視への期待」シンポジウム(4月15日@ホテルパシフィック東京)