・古川宇宙飛行士の国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在
・「きぼう」日本実験棟からの小型衛星放出実証ミッション
・小惑星探査機「はやぶさ」関係
・23年度第一次気球実験
・被災地に向けた活動
・国際会議、国際シンポジウム
・今後の予定
6月8日、古川宇宙飛行士の搭乗するソユーズ宇宙船が、カザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地から無事打ち上げられました。ソユーズ宇宙船は、6月10日に国際宇宙ステーション(ISS)とドッキングを行い、古川宇宙飛行士が入室して約5ヶ月半に及ぶ長期滞在が始まりました。私も現地まで赴いて古川宇宙飛行士が元気な姿で飛び立つ様子を見送りましたが、この機会に新しく就任されたロシア連邦宇宙局ポポフキン長官にお会いし、ディスカッションなどを通じてお互いの交流を深めました。
ISSの「きぼう」日本実験棟から直接小型衛星を放出する技術実証ミッションを立ち上げました。搭載する衛星を公募したところ8件の応募があり、選定委員会により3衛星*を選定し、15日に宇宙開発委員会に報告しました。
*「RAIKO」(和歌山大学)、「FITSAT-1」(福岡工業大学)、「WE WISH」(明星電気)
このミッションはNASAとの共同ミッションで、NASA側での衛星は選定中ですが、2012年の9月頃を目標にロケットでISSへ打ち上げた後、「きぼう」のロボットアームから軌道上へと放出されます。JAXAではH-IIAロケットによる相乗り衛星の打ち上げを行ってきましたが、こうした新しい試みが出来ることを嬉しく思います。
(1)「はやぶさ」帰還カプセル展示の来場者数が55万人を越えました(6月13日現在、557,878人)。年度内も引き続き展示を実施しますので、まだご覧になっていない方はぜひお近くの会場までお越しください。
(2)『世界で初めて小惑星から帰還した探査機』として、「はやぶさ」がギネスに認定されました。
(3)『初の太陽周回天体表面への往復と試料の帰還』として、「はやぶさプロジェクトチーム」が米国ナショナル・スペース・ソサエティのフォン・ブラウン賞を受賞しました。この賞は1993年から2年ごとに表彰が行われており今回で9回目となります。
6月1日と8日の2回、大樹航空宇宙実験場(北海道大樹町)にて気球実験を行いました。実験は無事終了し、それぞれ目的とする観測データの取得が出来ました。
5月に若田・野口両宇宙飛行士が被災地を訪問しましたが、続いて山崎宇宙飛行士も被災地を訪れ、福島県郡山市(6月11日)と青森県三沢市(6月12日)で現地の子供達に講演などを行いました。また、被災地向け教育プログラムとして、宇宙をテーマにした体験プログラムや工作教室等のワークショップキャラバンを開始しました。
(1)国連宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)本委員会がオーストリアのウィーンで開催され、COPUOS 50周年、有人宇宙飛行50周年を記念した展示、記念会合などが行われました。(6月1〜10日の期間)
(2)第28回宇宙技術および科学の国際シンポジウム(ISTS)が、沖縄県宜野湾市で開催されました。ISTSは日本が主催のシンポジウムで2年に1度開催されますが、今回は論文の投稿数が過去最高となり、また多くの沖縄の方にご参加いただき大変盛り上がりました。(6月5日〜10日の期間。参加者:18ヶ国 約880人 、展示会場の来場者数:16,000人)