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プロジェクトマネージャから:HTV


プロジェクトマネージャ 虎野吉彦
平成20年6月、ついに「きぼう」日本実験棟が国際宇宙ステーション(ISS:International Space Station)に取り付けられ、本格的な利用活動が始まります。私たちが開発している宇宙ステーション補給機(HTV:H-II Transfer Vehicle)は、その活動のための食料品や衣類などの日用品、宇宙環境(微少重力等)を利用した実験装置、あるいはISSの交換用機器などを地上からISSに補給する役目を担っています。
このHTVの初号機を平成21年度に打ち上げるよう開発を進めており、その後は年1機程度の打ち上げによって、ISSでの有人活動を積極的にサポートする計画です。

ISSへの補給手段は、HTV以外に、スペースシャトルやロシアのプログレスと欧州のATV(Automated Transfer Vehicle)がありますが、HTVとスペースシャトルにはISSの船内用物資(日用品や実験装置)も船外用物資(ISS交換機器や曝露実験装置)も輸送できると言う特徴があります。
平成22年にはスペースシャトルが退役する計画ですので、それ以降、船外用物資や大型の実験装置はHTVでしか輸送できなくなるため、HTVへの期待が世界的に非常に高まっています。

HTVは、全自動でISSに接近・相対停止できる機能がありますが、宇宙空間でのいくつかのポイントで地上あるいはISSからの人間による指示がない限り次のステップには進まないようにしています。これは、人間がISSに居るため、万一のことを考えた安全手順です。
また、HTVは有人安全に関する厳しい要求を満足するように設計されており、今後の有人宇宙輸送機の基本となる機能を備えています。
従って、HTVで培った宇宙輸送技術は、今後計画される有人、無人(全自動)を問わず、月飛行や惑星間飛行に応用されることになり、我が国のみならず世界的な将来の宇宙活動を支えていくことになります。

(2008年6月26日 更新)