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データ中継技術衛星(DRTS)「こだま」の状況について

平成15年10月29日

宇宙航空研究開発機構

本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。


1. 状況

  1. データ中継技術衛星(DRTS)「こだま」において、平成15年10月29日0時30分頃(日本時間、以下同じ)から、姿勢制御用装置の地球センサ(ESA)(注)の信号に異常が発生した。
  2. 以降、断続的に地球センサに異常信号が頻繁に発生し、故障検知機能が働き、3時42分頃に衛星は電力的に安全な太陽捕捉モードに移行した。
  3. 現在は、電力的に安全な太陽捕捉モードの状態を継続しており、衛星の動作状態の確認を実施している。

2. 推定原因

 この原因は、太陽フレアの発生によるものと推定される。

3. 今後の対応

原因であると思われる太陽フレアの沈静化を待って、三軸姿勢の確立を行い 定常運用に復帰させる予定である。


(注) 地球からの赤外線により地平線を検出し、衛星の南北方向と東西方向の姿勢を検出する姿勢制御用のセンサ。

(参考) 10月28日、太陽表面でフレアと呼ばれる大規模な爆発現象が発生、地球が激しい磁気嵐に見舞われる可能性があると米海洋大気局(NOAA)が警告している。磁気嵐は29日から30日にかけて地球に到達。今回は、過去30年間で最大の可能性もある。【共同通信】



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