海洋科学技術センター
宇宙航空研究開発機構
海洋科学技術センター(理事長 平野拓也)と宇宙航空研究開発機構(理事長 山之内秀一郎)の共同プロジェクトである地球フロンティア研究システム気候変動予測研究領域の山形俊男領域長(東京大学教授兼任)は、アメリカ気象学会スべルドラップ金メダルを受賞することが決まった。これは、山形領域長の長年の海洋力学と気候力学分野における国際的に卓越した業績が評価されたもので、アメリカ気象学会からの受賞理由は「海洋力学と気候力学に関する研究、特に太平洋におけるエルニーニョ現象とインド洋における大気海洋相互作用現象の研究」において著しい成果を挙げたことによるものである。2004年1月14日、ワシントン州シアトルで開催されるアメリカ気象学会第84回年次総会の主要行事である授賞式において、上記のメダルが授与される。また、山形領域長は、この顕著な貢献により同時にアメリカ気象学会特別会員に選ばれた。
近代海洋学のパイオニアであるスべルドラップ博士に因んで名付けられたもので、大気と海洋の相互作用に関する研究で顕著な貢献をした科学者に贈られるアメリカ気象学会の最高の栄誉である。これまでには、風による黒潮や湾流の生成に関する理論を初めて打ち出したストンメル博士や、スベルドラップ博士と共に波浪予測理論を世界で初めて開発したムンク博士らが受賞している。また、国際太平洋研究センター(IPRC:ハワイ大学・海洋科学技術センターの共同プログラム)のジュリアン・マクレアリー所長も1996年に「エル・ニーニョの海洋力学、赤道域下海流と東部境界海流の研究」において同メダルを受賞している。日本人では、1988年に風による波の観測及び実験的研究で受賞した九州大学名誉教授の光易恒博士以来、2人目の快挙である。
山形領域長は、1971年に東京大学理学部を卒業後、1977年に同大学から博士号を授与された。シンプルな数理モデルから大規模な大気海洋大循環モデルに至る多様なモデルを用いて、大気海洋に生起するさまざまな大規模現象のメカニズムを明らかにしてきた。これまで、マサチューセッツ工科大学ウッズホール海洋研究所のバー・スタインバッハスカラーに選ばれ、また、日本気象学会賞、日本海洋学会賞等多くの賞を受賞している。1995年から、東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻の教授として研究・教育に従事。地球フロンティア研究システムにおいては、設立時(1997年)より気候変動予測研究領域の領域長および、国際太平洋研究センター(IPRC:ハワイ大学・海洋科学技術センターの共同プログラム)のプログラムデイレクターとして活躍してきた。1948年生まれ、栃木県出身。(下記略歴参照)
昭和46年 | 東京大学 理学部地球物理学科卒業 |
昭和48年 | 同上 大学院理学系研究科地球物理学専攻 修士課程修了 |
昭和52年 | 理学博士 (東京大学) |
昭和51年6月 | 米国ウッズホール海洋研究所 1976年度GFDフェロー |
昭和56年4月 | 日本海洋学会 岡田賞受賞 |
昭和62年5月 | 日本気象学会 学会賞受賞 |
平成元年6月 | 米国ウッズホール海洋研究所/マサチューセッツ工科大学大学院1989年度バー・シュタインバッハスカラー |
平成9年4月 | 日本海洋学会 学会賞受賞 |
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