プレスリリース

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第17回地球観測衛星委員会(CEOS)本会合及び
第10回統合地球観測戦略パートナーシップ(IGOS-P)臨時総会
の結果について

平成15年11月26日

宇宙航空研究開発機構

本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。


会合の概要

第17回CEOS本会合

■日程: 平成15年11月18日〜20日午前
■場所: 米国コロラドスプリングス市
■参加者: 文部科学省(蔭山調査員)、 宇宙航空研究開発機構(春山参事他)、 米国大気海洋庁(NOAA)長官、 NOAA環境衛星局長(議長)、 中国科学技術大臣、 米国航空宇宙局(NASA)地球科学局長、 欧州宇宙機関(ESA)地球観測局長、 欧州気象衛星機構(EUMETSAT)長官他 約100名

第10回IGOS-P臨時総会

■日程: 平成15年11月20日午後
■場所及び参加者: 同上

地球観測衛星委員会(CEOS)の概要

CEOSの目的

  1. 衛星計画、データ成果品、フォーマット、サービス、データ応用利用及びデータ政策で宇宙からの地球観測の便益を高める
  2. 地球変動研究を含む、宇宙からの地球観測活動の国際調整を行う
  3. 地球観測システムの補完性・整合性を促進するため、政策・技術情報を交換する

CEOSの主な活動

  • 1984年の創立以来、23の宇宙機関と21の政府・国際機関が参加
  • CEOSの2003年議長はNOAA
  • 本会合(plenary)と2つの作業部会(WGISS・WGCV)等から成る
  • CEOSはIGOSパートナーシップの一員であり、IGOSの 戦略強化のため、戦略実施チーム(SIT)を設立

CEOSメンバー機関

ASI (イタリア宇宙機関)
BNSC (英国国立宇宙センター)
CAST (中国空間技術研究院)
CSA (カナダ宇宙庁)
CNES (仏国立宇宙研究センター)
CONAE (アルゼンチン国立宇宙機関)
CSIRO (オーストラリア連邦科学産業研究機構)
DLR (ドイツ航空宇宙センター)
EC (欧州共同体)
EUMETSAT (欧州気象衛星機構)
ESA (欧州宇宙機関)
ISRO (インド宇宙研究所)
INPE (ブラジル国立宇宙研究所)
KARI(韓国航空宇宙研究所)
NASA (米国航空宇宙局)
NOAA (米国海洋大気局)
NRSCC (中国リモートセンシグセンター)
NSAU (ウクライナ国立宇宙機関)
ROSHYDROMET (ロシア水文気象機構)
RASA (ロシア航空宇宙庁)
MEXT/JAXA (日本、文部科学省/宇宙航空研究開発機構)
SNSB (スウェーデン国立宇宙機関)
USGS (米国地質調査所)

統合地球観測戦略(IGOS)パートナーシップ

  • 1994年7月、日本は宇宙開発委員会長期ビジョン懇談会報告書「新世紀の宇宙時代の創造に向けて」において「全地球観測システム」の構築を提案。
  • 1998年6月、地球環境問題、研究、地球観測データの提供に係わる諸国際機関の協力強化のため、統合地球観測戦略パートナーシップ(IGOS-P)設立。
地球観測衛星委員会(CEOS)
全球気候観測システム(GCOS)
全球陸域観測システム(GTOS)
全球海洋観測システム(GOOS)
全球観測システム(GOS)/
全球大気化学監視計画(GAW)
世界気候研究計画(WCRP)
地球圏・生物圏国際協同研究計画 (IGBP)
国際科学会議(ICSU)
国連環境計画(UNEP)
国連教育科学文化機関(UNESCO)
政府間海洋委員会-国連教育
科学文化機関(IOC-UNESCO)
国連食料農業機関(FAO)
世界気象機関(WMO)

IGOS-Pは、7つの「テーマ」(海洋、大気化学、炭素循環、水循環、陸域災害、沿岸、さんご礁サブテーマ)に取り組んでいる。

主要議題

第17回CEOS本会合

  • 地球観測サミット報告と同作業部会(GEO)との連携
  • データ利用原則と勧告
  • 持続可能な開発に関する首脳会議(WSSD)フォローアップ計画の実施状況
  • 教育・訓練・能力開発のためのデータ提供に関する原則とガイドライン
  • 戦略実施チーム議長の交代

第10回IGOS-P臨時総会

  • テーマ(炭素、水循環、陸域災害)の承認等
  • 地球観測サミット作業部会(GEO)とIGOS-Pの連携強化

地球観測サミットの報告と同作業部会との連携

■地球観測サミット(平成15年7月31日、米国国務省主催)報告

  • 地球観測サミット原則を策定
    • 包括的で調整された持続可能な地球観測システムの構築
    • 完全でオープンなデータ交換
    • 能力開発の強化
    • 10年実施計画の策定
  • 10年実施計画策定のための作業部会(GEO)の設置
  • 平成16年4月の東京閣僚級会合で10年実施計画の基本的枠組みを、同年末の欧州地球観測サミットで同実施計画を採択予定

■GEOとCEOSの連携

  • GEO各分科会へCEOS代表が参加し、10年実施計画の策定に貢献
    • 利用者要求分科会/能力開発分科会・・・ESA及びNOAAが共同議長
    • 国際調整分科会・・・JAXAが参加

データ利用に関する原則と勧告

■データ利用タスクフォース

  • データ利用タスクフォース(議長:NASA、JAXAから春山参事が参加)の報告
  • 世界のデータ利用成功例の調査と分析

■データ利用に関する原則と勧告

(原則) (勧告)
  • データの継続性
  • データ提供能力の強化
  • 利用者との連携
  • 政策的便益の増進
  • データの即時提供
  • データ検索提供システムの整備
  • 持続可能な開発のためのデータ提供の促進
  • 全球気候観測システム(GCOS)気候モニタリング原則の遵守

■CEOS参加機関及び同作業部会は、勧告の実施状況を.平成16年度本会合へ報告

WSSDフォローアップ計画の実施状況

  • 前回本会合時に1)教育訓練、2)水資源管理、3)災害管理、4)気候変動、5)地球地図・地理情報システム(GIS)の協力分野を合意。平成15年度は1)と2)を優先分野として実施。
  • 教育訓練(NOAAと国連宇宙空間平和利用委員会(OOSA)が主導)
  • 水資源管理(ESAとMEXT/JAXAが主導)
  • JAXAは、アジア太平洋パイロットプロジェクト*で同地域の持続可能な開発へ貢献
*タイ及びインドネシアにおいてパイロットプロジェクト、アジア工科大学(AIT)等においてセミナー等を実施。

教育訓練のためのデータ提供原則とガイドライン

■教育・訓練暫定作業部会(WGEdu)

 教育訓練と能力開発のためのデータ提供原則と実施ガイドラインを策定、承認。

(データ提供原則)
教育訓練・能力開発のためにできるだけ廉価でデータを提供
  • データ提供は当該機関のデータ政策に従う
  • データ提供の最終決定は当該機関が行う
  • 限定量の衛星データを提供
(実施ガイドライン)
データ提供のために、プロジェクトの公募、WGEduの中に分科会を設置し、審査、承認。

CEOS議長及び戦略実施チーム(SIT)議長の交代

  • 新CEOS議長として、Xu Guanha中国科学技術大臣が就任、
    以下の重要分野を表明
    • データ利用
    • 教育訓練・能力開発
    • 地球変動研究と災害監視
    • 国連及びアジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)との連携強化
  • 古濱SIT*副議長の議長への昇格が承認された。
    *CEOS戦略実施チームは、IGOSの宇宙部分の企画・調整及びその他地球観測に関わる戦略の策定調整を行うCEOS幹部で構成されるチーム

IGOSテーマの進捗

■IGOSテーマ戦略計画の承認と実施への移行 (括弧内は実施機関)

  • 全球炭素循環(地球圏・生物圏国際共同研究計画(IGBP))
  • 全球水循環(世界気候研究計画(WCRP)、世界気象機関(WMO)、CEOS(JAXA))
  • 陸域災害(国連教育科学文化機関/国際科学会議(UNESCO/ICSU)、CEOS(ESA))

■策定中のIGOSテーマ戦略計画

  • 大気化学(WMO、CEOS(ESA、JAXA))
  • 沿岸(政府間海洋学委員会(IOC)、CEOS(NOAA、JAXA))

■IGOSテーマの新規提案

  • 陸域(CEOS(NASA)、仏国立宇宙センター(CNES))

IGOS-PとGEOの連携の強化

  • IGOS-PにGEOリエゾングループを設置、GEOの各作業部会(利用者要求、構造、国際協力、データ利用、能力開発)へIGOS-P代表が参加
  • GEOの地球観測システム構築10年実施計画策定に貢献
  • GEO第2回会合(平成15年11月28〜29日、伊バビーノ市)において、IGOS-Pの進捗について報告(予定)

今後の予定

平成15年11月 第2回地球観測サミット作業部会(GEO-2)
平成16年2月 CEOS/SIT会合(東京)
IGOS世界会議(東京)
4月 東京閣僚級会合
5月 第11回IGOS-P総会(ローマ)
11月 第18回CEOS本会合(北京)
12月 欧州地球観測サミット(ブリュッセル)



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