通信総合研究所
宇宙航空研究開発機構
独立行政法人通信総合研究所(CRL)と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、航空機搭載映像レーダ(航空機搭載合成開口レーダ、略称Pi-SAR)を共同で開発し、これまで国内のいくつかの研究機関とともに、その機能の検証および観測実験を進めてまいりました。本年度後半から来年度においては、本レーダのより広い応用分野の開拓と実証を目指し、また合成開口レーダ技術を利用した新しい研究分野と研究者の育成を目的として、国内の幅広い研究者から本レーダを用いた研究提案を募集し、それに基づいた実験観測を実施することといたしました。
本年9月1日に実験提案の募集を発表し、10月17日の締め切り日までに、国内の大学、国立研究機関、企業等の研究者から37件の研究提案が提出されました。当該分野の研究者の協力を得て、各研究提案書の学術的・実用的な意義や実現可能性について検討を行った結果、条件付き採択も含めて全37件の研究提案(下記)を採用し、本実験において実施することに決定いたしました。
2003年 9月 1日 | 研究公募 発出 |
2003年10月17日 | 研究提案の提出締め切り |
2003年12月8日 | 採択された研究提案の発表 |
2004年 1月中旬 | 第1回研究者会議(東京)--研究計画報告 |
2004年2月上旬 | 実験(1) |
2004年夏季(7-9月) | 実験(2) |
2004年秋季(10-12月) | 実験(3) |
2005年冬季(1-3月) | 実験(4) |
2005年3月 | 第2回研究者会議??研究成果(中間)報告 |
2006年1月 | 第3回研究者会議??研究成果(最終)報告 |
各実験((1)〜(4))において、それぞれ3日間程度、採択された研究提案に沿って、日本各地の実験サイトをPi-SARにより観測する。
研究提案者名 | 所属 | 研究題目 |
---|---|---|
藤田 正晴 | 東京都立科学技術大学 航空宇宙システム工学科 |
Pi-SARのポーラリメトリック較正、および都市域におけるポーラリメトリック散乱メカニズムの解明 |
山口 芳雄 | 新潟大学 工学部情報工学科 |
Fully Polarimetric Interferometric SARデータの有効利用方法の研究 |
星 仰 | 茨城大学 工学部 情報工学科 |
高分解能多波長ポラリメトリック画像データによるラジスキー距離の地物特性の分析と木構造によるマクロ分類 |
佐藤 源之 | 東北大学 東北アジア研究センター |
方形周回飛行によるポーラリメトリックSAR高精度3次元イメージング |
木村 宏 | 岐阜大学 工学部電気電子工学科 |
SAR偏波校正における地形の影響評価 |
福田 盛介 | 宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究本部 宇宙情報・エネルギー工学研究系 |
高分解能SARで分布ターゲットを撮した場合の偏波とテクスチャの関係の解析研究 |
島田 政信 | 宇宙航空研究開発機構 地球観測利用推進センター |
一様散乱体に近い森林と表面散乱体を用いたLバンドポラリメトリ校正、短時間繰り返し飛行のポラリメトリックSAR干渉を用いた苫小牧樹高推定、そして、長時間航空機繰り返し干渉処理による有珠山等火山陥没検出の研究 |
佐竹 誠 | 通信総合研究所 電磁波計測部門 |
Pi-SARを用いたALOS/PALSARの較正実験 |
森山 敏文 | 通信総合研究所 電磁波計測部門 |
Polarimetric SARデータを用いた地表面傾斜推定に関する研究 |
香西 克俊 | 神戸大学 海事科学部海洋情報科学講座 |
ポラリメトリックSARによる船舶の同定と周辺海域モニタリング |
伊藤 陽介 | 鳴門教育大学 生活・健康系(技術)教育講座 |
多偏波干渉SARデータによる溜め池管理情報の抽出 |
鷲尾 十郎 | 三菱スペース・ソフトウェア(株) 鎌倉事業部 |
ポラリメトリックSARデータを用いた船舶特徴量の抽出手法に関する基礎研究 |
江淵 直人 | 北海道大学 低温科学研究所 |
オホーツク海沿岸域および沖合域の海氷観測 |
小松 輝久 | 東京大学 海洋研究所行動生態計測分野 |
合成開口レーダを利用した藻場マッピングの可能性に関する検討 |
古津 年章 | 島根大学 総合理工学部 |
高分解能多周波・多偏波SARによる汽水域環境観測 |
西尾 文彦 | 千葉大学 環境リモートセンシング研究センター |
ポラリメトリSARによるオホーツク海における海氷パラメーターの高精度化と海氷域における検証-海氷厚さ推定のアルゴリズム開発- |
西尾 文彦 | 千葉大学 環境リモートセンシング研究センター |
Pi-SARによる海氷観測とALOSの検証実験について |
灘井 章嗣 | 通信総合研究所 電磁波計測部門 |
合成開口レーダを用いた海洋現象計測技術の開発 |
山田 康晴 | 国際農林水産業研究センター 国際情報部 |
ALOS/PALSARを利用して中山間地農業やアジア農業に応用することを視野に入れた基礎的研究 |
大内 和夫 | 高知工科大学 物質・環境システム工学科 |
傾斜面上の森林と高分解能SAR偏波画像の統計量との相関性の研究 |
山之口 勤 | 財団法人リモート・センシング技術センター 研究部 | Pi-SARデータに基づく結球作物類の分類・生育状況把握手法研究 |
山川 正 | 三菱マテリアル資源開発株式会社 地球IT部 |
ポーラリメトリックSARデータによる森林バイオマス抽出技術の研究-PALSAR同期実験 |
渡辺 学 | 宇宙航空研究開発機構 地球観測利用推進センター |
ALOS試作成果物(バイオマスマップ、湿原マップ)検証データの収集 |
本郷 千春 | 千葉大学 環境リモートセンシング研究センター |
Pi-SAR画像による畑地精密土壌図の作成 |
野口 慶一 | 資源・環境観測解析センター 調査研究部 |
レーダー波照射方向と対象物の散乱特性の関係 |
山川 正 | 三菱マテリアル資源開発株式会社 地球IT部 |
ポーラリメトリックSARデータによる地質情報抽出技術の研究-PALSAR同期実験 |
古田 竜一 | 宇宙航空研究開発機構 地球観測利用推進センター |
広範囲に分布した地すべりの危険度予測手法の確立のためのPi-SARインターフェロメトリによる緩慢地すべりの変動抽出手法とその適用限界の検討 |
梅原 俊彦 | 通信総合研究所 電磁波計測部門 |
自然災害の状況把握に対するSARの有効性に関する研究 |
浦井 稔 | 産業技術総合研究所 地球科学情報研究部門 |
航空機SARを用いた薩摩硫黄島における火山地形の観測 |
藤井 直之 | 名古屋大学大学院 環境学研究科 地震火山・防災研究センター |
火山活動に伴う地殻変動・表層変化の検出 |
岩下 篤 | 九州東海大学 工学部宇宙地球情報工学科 |
阿蘇山及び布田川・日奈久断層系における変動解析 |
岩下 篤 | 九州東海大学 工学部宇宙地球情報工学科 |
八重山諸島西表島における変動解析 |
大村 誠 | 高知女子大学 生活科学部 |
Pi-SARによる桜島火山の地形変化の観測 |
冨山 信弘 | 財団法人リモート・センシング技術センター研究部 | Pi-SARによる不法投棄箇所の検出可能性に関する検討 |
田殿 武雄 | 宇宙航空研究開発機構 地球観測利用推進センター |
多周波・多偏波SARによる積雪モニタリングに関する基礎的研究 |
鈴木 勝裕 | 北海道工業大学 | SAR観測データを利用する積雪物理量推定アルゴリズムの有効性の検証と開発 |
中村 和樹 | 通信総合研究所 電磁波計測部門 |
積雪による湿地林・森林からの後方散乱の寄与と植生分類・バイオマス推定への影響 |
(以上37件,順不同)
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