宇宙航空研究開発機構
本日開催された宇宙開発委員会調査部会において、下記のとおり報告をいたしました。
1.概要
H-IIAロケット6号機打上げ失敗の原因究明の一環として、固体ロケットブースタの回収の可能性を検討するため、海洋科学技術センターの協力を得て、固体ロケットブースタの探索を実施した。
2.探索方法
固体ロケットブースタには着水後から音波を発信するように設計された音響ビーコンが装着されており、当機構の用意したビーコン探査用音波受信機を装備した深海調査システムを船舶にて曳航して、探索を実施した(図1)。
3.探索状況
これまでの探索の結果、2ヵ所(南側及び北側)の海域から音響ビーコンと思われる音波が確認された。
当該海域には固体ロケットブースタと同様にビーコンを搭載した第1段ロケットが水没しており、解析により固体ロケットブースタが第1段ロケットより遠くへ(南側へ)落下すると考えられることから、北側に第1段ロケット、南側に固体ロケットブースタが水没していると推定している。
但し、悪天候による作業の遅れや当機構が準備したビーコン探査用音波受信機の故障により、位置の特定には至っていない。
その後も、予備的に準備していた音響発信ソナー(サイドスキャンソナー)により位置の特定を試みたが困難であるため、一時那覇港に寄港しビーコン探査用音波受信機の修理後、再度探索を実施することとした。
※深海調査システム:曳航式深海底調査システム「6,000m級ディープ・トウ・カメラシステム」等。海洋科学技術センターより借用。
※音響発信ソナー(サイドスキャンソナー):曳航体等から、進行方向と直交した(左右)方向に音波を送信し、海底や人工物からの散乱波を受信し、海底の凸凹を面的に調査する装置。海洋科学技術センターより借用。
12月24日 | 横須賀港出港 |
29日 30日 |
29日に現場海域に到着したが海況が悪く待機 |
31日 1月 1日 |
ビーコン探査用音波受信機による探査により音響ビーコン と思われる音波を探知したが、正確な位置は特定できず。 |
2日 3日 |
ビーコン探査用音波受信機に不具合が発生。 予備の音響発信ソナーによる探索に切り替え |
4日 | 海況が悪く待機 |
5日 6日 7日 |
予備の音響発信ソナーによる探索 |
8日 9日 |
那覇港へ向け回航 |
5.今後の対応予定
1月10日 | : 那覇港に寄港 |
1月11日〜 | : ビーコン探査用音波受信機の修理及び機能確認 : 修理後速やかに那覇港を出港 |
1月 中旬 | : 探索の再開 |
宇宙航空研究開発機構 広報部
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