宇宙航空研究開発機構
本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。
軌道上
※1:GCF(Granada Crystallization Facility、タンパク質結晶生成装置)
※2:GCB(Granada Crystallization Box、タンパク質の結晶生成用のセル) ※3:CGBA(Commercial Generic Bioprocessing Apparatus) 打上
帰還
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利用機関 | 搭載タンパク質数 |
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理化学研究所 横浜研究所ゲノム科学総合研究センター 播磨研究所ハイスループットファクトリー 播磨研究所ストラクチュローム研究グループ |
16種類 4種類 5種類 7種類 |
農業生物資源研究所 | 3種類 |
タンパク3000プロジェクト大学拠点(3拠点) | 4種類 |
蛋白質構造解析コンソーシアム(4社) | 5種類 |
先導的応用化研究 | 9種類 |
ESAタンパク質 | 6種類 |
JAXA技術研究用タンパク質 | 2種類 |
合計 | 45種類 順不同 |
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第3回宇宙実験で得られた結晶については、利用機関において3ヶ月程度(平成16年8月頃)を目処に、放射光施設等によるデータ取得及び結晶品質の評価を行った後、構造解析を実施し、1年後を目処に結果をとりまとめる予定。
第4回宇宙実験に向けては、JAXAで開発中の高密度化した結晶生成セルも一部搭載する予定。
第1回のX線による結晶評価と構造解析の結果については、7月を目処に宇宙開発委員会に報告する予定。
これまでにわが国が実施してきた同種の実験と比べて長期間の実験であり、さらに、実験開始後約1年、約2年及び約3年経過毎に実験試料を回収するため、最長約3年間にわたる微小粒子の捕獲数変化、曝露材料の経年変化を評価することが可能である。
第2回回収試料に関する状況
平成13年8月21日に打ち上げられ、平成16年2月27日に試料#2の船内回収、4月30日に試料#2の地上回収が行われた。5月11日にモスクワで試料#2がJAXAへ引渡され、5月16日に我が国に持ち帰った。また、試料回収より約1年後(平成17年5月)を目処に評価状況をとりまとめる予定である。
第1回回収試料、第3回回収試料に関する状況
試料#1に関しては、JAXA、各研究者による評価が、ほぼ完了したところであり、別途、評価状況を宇宙開発委員会へ報告する予定である。また、最終試料(試料#3)については、曝露実験を継続中であり、最終試料回収から約1年後(平成18年12月)を目処に総合評価結果を宇宙開発委員会へ報告する予定である。
線虫国際共同実験
ゲノム科学のモデル生物として多くの研究者に利用されているC. elegans(線虫)が宇宙実験において有用であることの確認と, 実験技術の確立を図ることを目的とし、フランス国立宇宙研究センター(CNES)が計画した線虫国際共同実験へ、日仏の宇宙協力の一環として参加。他の宇宙機関としてはNASA及びCSAが参加する。約10日間のISSでの飛行による微小重力や宇宙放射線の影響を各国の協力により多角的に解析する。実験試料はESAの実験装置と共に平成16年4月19日に8Sフライトのソユーズで打上げられ、ロシアサービスモジュールでの実験の後、4月30日に帰還した。
飛行サンプルの回収
実験試料の線虫は、モスクワからフランス・ツールーズへ輸送され、5月3日にJAXAに引き渡されたのち、5月6日に筑波宇宙センターに到着。 軌道上の微小重力の実験群と地上で実施した実験群を比較する。今後1年間でJAXAおよび各研究協力者により解析され、成果を各機関の実験参加者合同で報告する予定。
宇宙航空研究開発機構 広報部
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