独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)と東大阪宇宙開発協同組合(SOHLA)は、「小型衛星技術についての協力に関する取決め」を、平成16年5月20日に締結いたしました。
本協力により、JAXAは、研究開発成果を社会に還元することをとおして、社会経済の発展に貢献することを目的とし、SOHLAは、より汎用性の高い小型衛星を開発して産業化を図り、地域の活性化を行うことを目的としています。
本取決めにより、JAXAは、SOHLAが開発を進めている小型衛星(SOHLA-1、SOHLA-2)に対して、JAXAが保有する小型衛星に関する技術情報を開示し、技術支援を行います。
SOHLA-1及びSOHLA-2の開発にあたっては、東京大学や大阪大学が実験機器の開発に参画しており、また、大阪府立大学航空宇宙工学科もシステム設計に参画することとなっており、産学官連携のプロジェクトとして実施していくこととしています。
JAXAは、昨年8月に関西における宇宙開発利用の拠点として「関西サテライトオフィス」を開設し、地元の企業、特に中小企業の方々の'ものづくり'の知見に基づいた敷居の低い(近づき易い)宇宙開発や、新しい宇宙利用の開拓を目指してきました。
今回の協力により、中小企業による宇宙関連産業参入への先鞭をつけ、地域経済の活性化に貢献するとともに、宇宙産業の新たな展開に資することを期待しております。
- 問い合わせ先
宇宙航空研究開発機構 広報部
〒105-8060 東京都港区浜松町2-4-1
世界貿易センタービル
Tel. 03-3438-6107〜9 Fax. 03-5402-6513
東大阪宇宙開発協同組合
〒577-0011 大阪府東大阪市荒本北50-5
クリエイション・コア東大阪405
Tel. 06-6747-8081 Fax. 06-6747-8095
参考
宇宙航空研究開発機構及び東大阪宇宙開発協同組合との間の
小型衛星技術についての協力に関する取決めの概要
- 目的
機構は、機構の業務に係る成果普及及び活用促進の一環として、その研究開発成果を社会に還元し、また、SOHLAは、より汎用性の高い小型衛星を開発し産業化を図ると同時に地域の活性化に貢献するため、小型衛星技術に係る協力を実施する。
- 役割分担
SOHLAは、小型衛星「SOHLA-1」及び「SOHLA-2」(以下「SOHLA1/2」という。)を開発・製造する。機構は、SOHLA1/2の開発・製造に必要な機構が保有する技術情報等の開示、及びそれに関連する技術支援を行う。
- 機構施設の供用
SOHLAは、機構と協議のうえ、SOHLA1/2の開発・製造にあたって、機構の所有する試験施設・設備を利用することができる。
- 研究協力者
SOHLAは、機構と協議のうえ、衛星システム部については大阪府立大学、実験部については東京大学及び大阪大学、その他SOHLAの指定する者(下請け契約者を含む。)と協力してSOHLA1/2の開発・製造を実施する。
- 機構成果の利用
SOHLAは、SOHLA1/2の開発・製造に必要な機構が保有する技術成果を非独占的に利用することができる。また、SOHLAは、本取決めに係る成果を利用して、SOHLA1/2以外の人工衛星(それを構成するコンポーネント及び部品等を含む。)を開発・製造することができる。ただし、当該人工衛星を第三者に対して販売する場合の取り扱いについては別途協議するものとする。
- 協力期間
協力は、取決めの締結日から5年間有効とする。ただし、相手方に対し書面による申し出をしない限り、同一条件をもってさらに1年間延長し、以後同様とする。