プレスリリース

プリント

スペースシャトルSTS-114ミッションの準備状況について

平成16年8月27日

宇宙航空研究開発機構

本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。


1-1  STS-114ミッション

  1. 概要
    • STS飛行計画番号:STS-114
    • 打上げ予定:2005年3月6日以降
    • 打上げ場所:NASAケネディ宇宙センター
    • オービタ:スペースシャトル「ディスカバリー号」
    • 飛行日数:12日間(予定)
    • 搭乗員数:7名
  2. 目的
    • 耐熱システムの軌道上点検
    • 耐熱システムの修理技術のデモンストレーション
    • ISSへの物資/機器の補給・運搬・交換
    • ISSの姿勢を制御するコントロール・モーメント・ジャイロ(CMG) 4基のうち故障した1基の交換
    • 軌道上保管装置用の保管パレット取り付け

1-2 STS-114搭乗員


[STS-114搭乗員]
船長     : アイリーン・コリンズ
   シャトル全体指揮
パイロット :ジェームス・ケリー
   シャトル運用、ロボットアーム
MS1 :野口 聡一
   船外活動主担当
MS2 :スティーブン・ロビンソン
   船外活動担当
MS3 :アンドリュー・トーマス
   船外活動時の船内指揮
MS4 :ウエンディー・ローレンス
   ロボットアーム
MS5 :チャールズ・カマーダ
   物資輸送、ロボットアーム

MS: ミッションスペシャリスト(搭乗運用技術者)


2 ミッション安全確保に向けた対策



2-1 断熱材落下防止

外部燃料タンク耐熱システム改良
  1. デブリ脱落の可能性がある箇所の選別
  2. 設計変更による断熱材の剥離防止及び着氷防止策。
    (現在改修作業中)


2-2 打上時の状態監視

外部燃料タンク分離後画像取得および地上への画像転送
  1. 外部燃料タンク腹部格納庫デジタルカメラ(自動撮影)
  2. 搭乗員による撮影
    • デジタルスチルカメラ (静止画)
       +ビデオカメラ(動画)(野口撮影)
    • 取得映像は地上へ転送
    • 野口はシャトル側の撮影機材準備及び、撮影主担当

2-3 軌道上耐熱システム点検

  1. ロボットアーム延長ブームによる強化炭素複合材パネル・オービタ先端部の点検(飛行2日目)
    • 若田宇宙飛行士がNASA宇宙飛行士室の代表として開発試験に参加
  2. ランデブー・ドッキング前のタイル撮影
    • 国際宇宙ステーション(ISS)よりタイル部を撮影(飛行3日目)
  3. シャトルロボットアームによる点検
    • ISSへのドッキング前に点検 (飛行3日目)

2-4 軌道上耐熱システム修理

  1. 船外活動にて修理デモンストレーションを実施 (飛行5日目)
      (野口主担当)


2-5 ISSへの緊急避難

搭乗員の更なる安全確保のため、シャトル計画実施部門が独自に対応策を検討
  • 軌道上検査の結果、修理不可能の場合、または、修理実施後に安全に帰還困難と判断された場合の対応。
  • シャトルクルー7名は破損したシャトルでの帰還を断念しISSへ緊急避難。地上側では救援ミッションのためのシャトルを打ち上げる。
  • シャトルによる救出プラン、緊急脱出プランを整備中。
  • ISSにて計9名のクルーを維持するのに必要な環境制御計画の検討中。



宇宙航空研究開発機構 広報部
TEL:03-6266-6413〜6417
FAX:03-6266-6910