宇宙航空研究開発機構
本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。
H-IIAロケット6号機打上げ失敗の原因と推定した固体ロケットブースタ(SRB-A)への対策の妥当性評価を目的として実施したベル型ノズル実機大モータデータ取得試験結果およびそれを受けて実施する認定型モータ地上燃焼試験(その1)(以下、QM1)の計画概要について報告する。
燃焼試験は平成16年9月16日に実施され、予定していた計測データを良好に取得した。
試験に供したモータを工場に返送し、詳細調査、各種データの分析および設計の妥当性評価を実施した。その結果の概要は以下に示すとおりである。
ベル型ノズル実機大モータデータ取得試験結果の評価も含め、10月12日から15日にかけてSRB-A改良型の詳細設計審査(CDR)を実施し、設計変更が妥当であることを確認した。
なお、試験結果の詳細評価については、H-IIAロケット再点検専門委員会に報告する予定である。
設計変更が妥当であることが確認できたことを受け、今後、認定型燃焼試験を実施し、フライトモータの設計および製造・検査工程を確定する計画である。
以下に1回目の認定型燃焼試験である認定型モータ地上燃焼試験(その1)の計画概要を示す。
(1)試験目的
フライトモータと同一仕様の認定型モータにより、ベル型ノズル実機大モータデータ取得試験にて取得した性能、構造・熱設計、環境条件に関わる各種技術データの再現性を含めた妥当性を評価し、フライトモータの設計および製造・検査工程を確定することを目的とする。
(2)試験計画概要
試験には、フライトモータと同一の設計、製造・検査工程によるモータを供する。9月16日に実施した燃焼試験のモータと比較し、今回は組立工程に気密試験を追加する等の変更が行われている。なお、これらの変更は当初よりQM1から適用を計画していたものである。モータおよびノズルの概要を図1に示す。
試験時の計測項目は、燃焼圧力、推力、モータケースおよびノズルの温度・歪み、燃焼中の画像などで、総計約250点のデータを取得する。
(3)試験実施時期および場所
試験は、11月9日(火)午前11時を点火予定として種子島宇宙センター固体ロケット燃焼試験場で実施する。
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