プレスリリース

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H-IIAロケット固体ロケットブースタ(SRB-A)改良型
認定型モータ地上燃焼試験(その1)の結果について (速報)

平成16年11月10日

宇宙航空研究開発機構

本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。


1.はじめに
 フライトモータと同一仕様の認定型モータにより、ベル型ノズル実機大モータデータ取得試験にて取得した性能、構造・熱設計、環境条件に関わる各種技術データの再現性を含めた妥当性を評価し、フライトモータの設計及び製造・検査工程を確定することを目的として、燃焼試験を実施した。
2.結果概要
(1) 実施日時:平成16年11月9日(火)11時00分点火
(2) 場所:種子島宇宙センター竹崎固体ロケット地上燃焼試験場
(3) 主要結果
 モータの推進特性、推力方向制御系の動作は正常で、推力、燃焼圧力、ノズルの温度、歪等の計測データを良好に取得した。また、燃焼後のモータ、ノズル及び設備に異常はなかった。図1に試験状況を示す。
 主要推進特性は、予測と一致しており良好であった。
項目予測値実測値
最大燃焼圧力[MPa] 10.6 10.5
最大推力[kN] 2040 2020
全燃焼時間[秒] 115 114
(注) 予測値、実測値ともに推進薬温度は23℃の値
試験時の天候は、東北東の風6.8m/秒、気温24.6℃、
湿度57%、気圧1018.2hPaであった。
3.ノズル表面後退の状況
燃焼試験後の外観目視による観察の結果では、ライナアフト部の表面後退の量・凹凸ともに、これまで3回のベル型ノズルの燃焼試験結果(平成15年4月、16年2月、9月)と比較して、同程度と推定される。
4.今後の調査・評価予定
モータ及びノズルを(株)アイ・エイチ・アイ・エアロスペース(群馬県富岡市)に返送し、表面後退量計測、ノズル分解・切断等による詳細調査及び各種データの分析を行い、11月下旬を目途に、評価を取りまとめる予定である。さらに、12月中旬を目途に今回と同一設計による2回目の認定型モータ地上燃焼試験を実施する予定である。




図1 認定型モータ地上燃焼試験(その1) 試験状況


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