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第18回地球観測衛星委員会(CEOS)本会合
及び第11回統合地球観測戦略パートナーシップ
(IGOS-P)臨時総会の結果について

平成16年11月24日

宇宙航空研究開発機構

本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。


第18回CEOS本会合について

【第18回CEOS本会合】
■日程: 平成16年11月16日(火)〜17日(水)
■場所: 中国 北京 China World Hotel
■参加機関および人数:約20機関、約80名
■議長:中国科学技術大臣
■日本側出席者:古濱理事(JAXA)、白川調査官(気象庁)、西尾教授(千葉大学) 他
■主な論点
  1)地球観測作業部会(GEO)とCEOSの連携の強化  
  2)衛星データ利用勧告の実施状況の確認
  3)持続可能な開発に関する首脳会議(WSSD)フォローアップ計画の実施状況の確認

*15日(月):CEOS戦略実施チーム(議長:JAXA古濱理事)会合
*16日(火):CEOS20周年記念シンポジウム



GEOとCEOSの連携の強化

>CEOSが「複数システムからなる次世代全球観測システム」(GEOSS)の地球観測衛星による観測の調整を積極的に行うために、GEOに対する以下の提案を採択。

  • CEOSはGEOSS年間作業計画で必要とされる、地球観測衛星による観測に関する調整を行う。
  • 主にCEOSの分科会を通しGEOSSが必要とする科学的・技術的な助言を行う。
  • CEOS議長がGEOに対するコンタクトポイントとなる。

>CEOSタスクフォース(議長:SIT議長)を設置。メンバーシップと付託事項が承認された。
  • CEOS議長と常設理事国(欧州宇宙機関(ESA)/欧州気象衛星機(EUMETSAT),米国航空宇宙局(NASA)/米国海洋大気庁(NOAA) 、MEXT/JAXA )がメンバー。
  • GEOとの関係、CEOSの構造及びCEOS5ヵ年計画の見直しに関する勧告を2005年中期までに準備。


衛星データ利用勧告の実施状況の確認

経緯
第17回本会合(2003年11月)においてデータ利用タスクフォースによるデータ利用原則及び勧告が採択され、各参加機関による勧告の実施とその報告が今会合までのアクションアイテムとなった。
【データ利用勧告】

  • データの即時提供 
  • データ検索提供システムの整備
  • 持続可能な開発のためのデータ提供の促進
  • 全球気候観測システム(GCOS)気候モニタリング原則の遵守  等
◆勧告への対応
  • データ利用に関するワークショップの実施(平成16年5月、中国・武漢)
  • CEOS参加機関による、データ利用勧告の実施状況報告
>引き続き、CEOS参加各機関におけるデータ利用勧告の実施がCEOSアクションとなった。

WSSDフォローアップ計画の実施状況の確認

経緯
第16回CEOS本会合(2002年11月)にて採択。WSSDフォローアップ計画は、1)教育訓練、2)水資源管理、3)災害管理、4)気候変動、5)地球地図・地理情報システム(GIS)の5分野から成る。CEOS議長の提案により初年度(2003年)は優先分野として1)及び2)を実施することで合意。
◆教育訓練-米国海洋大気庁(NOAA)と国連宇宙空間平和利用委員会(UNOOSA)が主導
◆水資源管理- MEXT/JAXAと欧州宇宙機関(ESA)が主導
>我が国の対応として以下の報告を行った

  1. 教育訓練
    アジア太平洋パイロットプロジェクト(インドネシア、タイ、アジア工科大学における衛星データ利用訓練セミナー)の実施により、同地域の教育訓練活動の推進に貢献
  2. 水資源管理
    地球規模水循環集中観測期間プロジェクト(CEOP)、国際洪水ネットワーク(IFNet)、全球降水観測計画(GPM)の推進により水資源管理の向上に貢献
>WSSDフォローアップ計画については、来年の持続可能な開発に関する委員会(CSD)に報告することとなった。

IGOS-P臨時会合について

【第11回IGOS-P臨時総会】
■日程: 平成16年11月18日
■場所: 中国 北京 China World Hotel
■参加機関および人数:約 15機関、約50名
■共同議長: 国連環境計画(UNEP)、英国国立宇宙センター(BNSC)
■日本側出席者:古濱理事(JAXA)、小池教授(東京大学)、西尾教授(千葉大学)他
■主な論点
  1)IGOSテーマの承認
  2)GEOとIGOS-Pの連携の強化
  3)社会経済データワークショップ報告



IGOSテーマの承認

>沿岸テーマの承認
沿岸テーマの戦略計画案が提出され審議の後、承認された。今後実施段階へ移行する。(実施機関:政府間海洋学委員会(IOC)、CEOS(NOAA他))

  • テーマの優先課題
    • 災害、開発、都市化等による危険にさらされている沿岸地域人口
    • 水循環、生物地球化学的循環、生産性などを含む、沿岸地域の生態系

◆実施中のIGOSテーマ戦略計画
  • 海洋テーマ 
  • 炭素循環テーマ
  • 水循環テーマ
  • 陸域災害テーマ
  • 大気化学テーマ
  • 沿岸/さんご礁サブテーマ
  • 陸域テーマ
  • 雪氷圏テーマ
>我が国は上記各テーマに参加。特に、世界気象機関(WMO)、世界気候 研究計画 (WCRP)とともに事務局機能を分担する水循環については、テーマの実施を促進するために、2月に「水循環ワークショップ」を東京にて開催する予定であることを報告した。

IGOS-PとGEOの連携の強化

>下記の方針でGEOへの貢献を行うことを第5回GEOにおいて提案する。

  • GEOSSの全球観測システム実施の定義・構築・立案のための協調的アプローチを提供する。
  • GEOSSが必要とする科学的・技術的な助言を行う。
  • GEOSSによって作業部会等が設置された場合には専門家が参加する。



社会経済データワークショップ報告

◆ 「IGOS-Pに関する社会経済データワークショップ」(2004年9月 米国・ニューヨーク)の開催結果が報告された。
>以下が合意された。

  • IGOSの各テーマチームは、国際科学会議(ICSU)と連携し、テーマへの社会経済的要素の追加について検討する。
  • ICSUはIGOS共同議長と連携し、今後のIGOSテーマにおける社会経済的要素の取り扱いについて検討する。




今後の予定CEOSアクションIGOSアクション
平成16年
11月
第5回地球観測作業部会(GEO)
(カナダ・オタワ)
各議長から、GEO実施計画書へのコメントを通し、GEOとの連携について提案を行う。
平成17年
2月
   
第6回GEO
(ベルギー・ブリュッセル)
第3回地球観測サミット
(同上)
  • CEOS議長はCEOSがGEOの創設メンバーとなる旨、コミットする。
  • CEOSタスクフォースはGEOとの連携及びCEOSの構造の見直しについての勧告を準備する。
IGOS共同議長は、GEOの創設メンバーとなる旨コミットするか否か、またいかにしてコミットするかについて、パートナー機関と検討を行う。
5月
第16回CEOS戦略実施チーム会合

26日 第12回IGOS-P本会合

中期
CEOS特別会合
CEOSタスクフォースによる勧告案の報告

11月 第19回CEOS本会合
(英国・ロンドン)
CEOSタスクフォースによる勧告案の承認について審議



参考資料




参考資料



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