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H-IIAロケットの打上げ再開について

平成16年12月8日

宇宙航空研究開発機構

本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。


  1. 宇宙航空研究開発機構(JAXA)では、昨年11月のH-IIAロケット6号機の打上げ失敗を重大かつ真摯に受け止め、宇宙開発委員会からのご提言、ご助言をいただきながら、信頼性確保の体制を強化するとともに、直接原因である固体ロケットブースタ(SRB-A)に対する対策とH-IIAロケット全体にわたる再点検を実施してきたところである。

  2. その結果、プロジェクトの担当者のみならず三菱重工業(株)による信頼性の確認と外部有識者を含むロケット点検チーム及び信頼性推進評価室による評価を得たうえで、高い信頼性を有するSRB-A改良型の開発の目途を得るとともに、H-IIAロケット全体にわたって従来より高い信頼性の確保がなされたと判断しており、JAXAとして、H-IIAロケットの確実な打上げ再開が実施可能な状況になったと考えている。

  3. 今後、本年度冬期の打上げ再開に向けて、準備作業を進めるとともに、SRB-A改良型の3回目の地上燃焼試験等による最終的な確認及び再点検の課題のうち残る項目についての射場での整備作業を行っていくこととしたい。これらの作業の実施にあたっては、今後とも、より一層の慎重さで臨むとともに、信頼性確保を第一として進めていく。

  4. また、再点検によるロケット機体の改修については、その範囲は限られたものであるとともに試験等による入念な検証を行ってきているものであり、5号機までの実績に加えて今回の再点検等による信頼性向上によって、H-IIAロケットは従来以上の信頼性の確保ができていると判断している。従って、JAXAとしては、打上げ再開にあたって、技術的に実用の衛星を打ち上げることは可能であると考えている。

  5. 以上を踏まえ、H-IIAロケット7号機による運輸多目的衛星新1号(MTSAT-1R)の確実な打上げに向けた準備を進めていきたい。



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