プレスリリース

プリント

宇宙環境利用に関する地上研究の公募について

平成16年12月15日

宇宙航空研究開発機構

本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。


  1. 第7回までの成果及び評価
    (1)   目的
     宇宙環境利用に関する地上研究公募制度は、JEM利用初期段階の利用立ち上げを目的とした国内研究支援をはじめ、宇宙環境利用の裾野拡大、新たなる研究領域の開拓及び研究コミュニティの育成を目的とし、平成9年度に発足、これまでに毎年度1回ずつ計7回の公募を実施した(別紙1に分野別の選定件数を示す。)。

    (2) これまでの実績及び主な成果
    • 研究成果の発表等も多く行われ、実績は採択数586件においてのべ講演1859回、論文等の投稿1231回、特許申請46件にのぼる。
    • 本制度で得られた成果を発展させた研究テーマのうち、ライフサイエンス国際公募へは54件(うち10件採択)、微小重力科学分野国際公募へは13件(うち3件採択)のテーマの応募があった。

      別紙2に、これまでの成果を示す。)

    (3) 評価
     公募地上研究制度の運営方針、研究テーマの選定、評価等を行う公募地上研究推進委員会において、平成15年9月から平成16年1月にかけて、これまでの地上研究公募についての評価を行った結果、本制度は「裾野拡大」、「研究領域の拡大」、「研究コミュニティの育成」に貢献しており、制度発足時の目標を達成するレベルに到達しているとの評価がなされた。


  2. 第8回テーマ募集の実施計画
    (1)   募集方針
    • 宇宙開発委員会の提言を踏まえ、第7回募集時に設定した募集区分を引継ぎ、「成果の早期創出、定常段階での有望な成果創出、初期段階の利用の補強」および財源の多様化への対応も考慮した募集区分とする。
      表1参照

    • 曝露部利用分野については、「小規模なミッションによる曝露部混載利用」を今後の方針として、機構が利用者に提供すべき曝露部混載利用インフラのニーズ調査を目的に、小規模な実験ミッションにつながる研究提案を募集する(曝露部利用分野は、第7回は未募集)。

    • 募集区分や募集分野については、国際宇宙ステーション、JEM計画の進捗状況を踏まえた応募条件を設定する。

    (2) 募集概要
    (1) 「きぼう」利用重点課題研究:
    JEM利用初期段階の利用の補強のための実験テーマ候補となる研究提案発掘を目的とし、日本が提供する既存実験装置の利用を前提とする地上研究を募集。本研究ではフライトテーマ募集への応募が目標。
    (2) 次期宇宙利用研究:
    JEM利用初期・中期段階の実験テーマ候補となる研究提案発掘を目的とし、日本が提供する既存実験装置のほか、海外の実験装置、次世代の実験装置(実験インフラ)の利用テーマの創出につながる地上研究を募集。
    (3) 宇宙利用先駆(さきがけ)研究:
    JEM利用中期以降の実験テーマ候補となる、JEM利用概念の拡大につながるアイデアレベルの提案を対象とする研究を募集。
    (4)

    落下施設・航空機利用研究:
    地上の短時間微小重力実験機会である落下施設・航空機を利用して、十分な成果の早期創出が期待され、微小重力の有効性の提示が可能な研究を募集。

    第8回のテーマ募集の概要を表2に示す。


    (3) 募集スケジュール
     
    公募発出 :平成16年12月15日(水)
    応募受付 :平成16年12月22日(水)
    応募〆切 :平成17年 2月18日(金)
    査読による評価 :  同   3月〜4月
    分野毎の評価パネルによる審査(書類審査、面接審査)
      :  同   4月〜6月
    公募地上研究推進委員会による総合審査
      :  同   6月下旬




<添付資料>


表1 宇宙開発委員会利用部会報告を踏まえた第8回募集の方針

表2 第8回宇宙利用に関する地上研究公募 テーマ募集の概要(PDF:31.5KB)
別紙1 公募地上研究制度における応募、採択状況(PDF:17.7KB)
別紙2 公募地上研究制度の成果(PDF:17.0KB)


宇宙航空研究開発機構 広報部
TEL:03-6266-6413〜6417
FAX:03-6266-6910