プレスリリース

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小型副衛星INDEXの打上げについて

平成17年2月2日

宇宙航空研究開発機構

本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。


  1. 概要
    平成17年度夏頃の打上げを予定している光衛星間通信実験衛星(OICETS)の打上げに際し、小型副衛星INDEX(INnovative technology Demonstration Experiment)を相乗りさせることについて報告する。

  2. 経緯
    ○   ドニエプルロケットを用いてOICETSを平成17年度夏頃打上げる計画については、昨年12月27日の宇宙開発委員会において報告し、1月25日の宇宙開発委員会推進部会において打上げ計画についての確認を受けた。
    INDEXは、JAXA宇宙科学研究本部が取り組む研究の一環として、平成17年度夏頃の相乗り打上げを目途としてきた小型副衛星(ピギーバック衛星)であるが、当面、H-IIAロケットにおける副衛星搭載機会の確保が難しいことから、OICETSの打上げに相乗りすることを検討した。

  3. INDEX打上げに関する検討結果
    以下の検討を踏まえ、OICETSの相乗り小型副衛星として、INDEXをドニエプルロケットにより打ち上げることとする。
    (1)   INDEXは、今後のJAXA衛星開発における技術実証に資する小型副衛星である。
    (2) INDEXは、ドニエプルロケットによるOICETSの打上げにおいて、小型副衛星として相乗りするための搭載制約を満たしている。
    (3) INDEXの開発準備状況はOICETSの打上げ時期と整合している。
なお、OICETSの投入軌道は、INDEXに搭載された理学観測機器にとっても適した軌道条件であり、理学観測の成果も期待される。



INDEXの概要


INDEX(INnovative technology Demonstration EXperiment)


<主要諸元>
形状:724mm×626mm×609mm(H)  重量:約70kg  
軌道:高度610kmの円軌道    ミッション期間:1ケ月 (延長ミッション:+2ヶ月)

<コアミッション>
データ処理・衛星制御機器の統合化、電源系の高効率化・高密度化、小型3軸姿勢制御システムなどにより実現した高機能小型衛星技術を軌道上で実証し、次世代の衛星開発に向けて実績を積み重ねる。
(新規実証技術)
  • 多数決論理による高速プロセッサーを用いた統合化衛星制御
  • 70kg衛星による3軸制御衛星技術・光ファイバージャイロ搭載
  • 超小型宇宙用GPS受信機搭載
  • SOIデバイスの利用
  • 可動部のないサーマルルーバー技術
なお、コアミッションに加えて以下の軌道上データを取得する。
  • 薄膜反射器による太陽集光パドル搭載
  • マンガン系リチウムイオン2次電池搭載
  • 試験用太陽電池セル搭載
  • オーロラ観測機器オーロラ微細構造を多波長カメラで高速撮像し、同時にオーロラ発光現象を引き起こす電子やイオンを高時間分解能で観測する。華々しく活動するオーロラ発光現象の成因に迫る。
搭載観測機器:多波長オーロラカメラ、イオン/電子エネルギー分析器


ドニエプルロケットの概要


打上げサービス   :ISCコスモトラス社(ロシア・ウクライナ)
ロケット製造 :ユジノエ社(ウクライナ)
打上げ射場 :バイコヌール(カザフスタン)
打上げ実績 :商業打上げとして4回実施し、全て成功。
(ICBMとしては、150回以上打上げを実施。うち4機失敗)


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