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平成16年度宇宙ベンチャー制度の共同研究提案の選定結果について

平成17年2月23日

宇宙航空研究開発機構

本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。


1. 報告事項

「宇宙ベンチャー制度」の共同研究提案を審査する選定委員会を1月13日、14日、17日の3日間に分けて開催し、5件の共同研究提案を選定したことについて報告する。



2. 概要

  1. 中期計画及び年度計画(平成16年度)において、「新しい発想で新たな宇宙利用を開拓するため、新機関を中心に大学・研究機関・産業界がチームを作って活動するための仕組み」を整備・運用することとした。

  2. これを踏まえ、「宇宙への参加を容易にする仕組み(宇宙オープンラボ)」を実現する施策のひとつとして、平成12年度から平成15年度まで、旧NASDA技術研究本部にて運営していた「宇宙開発ベンチャー制度」を前身とした「宇宙ベンチャー制度」を整備し、JAXAが求める技術課題をフロンティア課題として、昨年6月からWebサイトを利用して募集を開始した。

  3. 「宇宙ベンチャー制度」は、今日の民間企業における技術革新の進展をJAXAが取り入れ切れていない状況、また民間企業がJAXAの求める技術を認知しない状況を打開し、JAXA研究開発の外で生まれる優秀な技術的発想を、新しいJAXAビジョンや組織に取り入れられるような仕組みの第一歩として整備したものである。非宇宙航空分野で既に開発されている技術を宇宙に適用し、またアイデア段階でも将来的に宇宙への適用が必要になると考えられる技術を育成するために、資金面および技術面で支援するものである。

  4. 従来の宇宙開発ベンチャー制度では大括りにした分野を示して研究テーマを公募していたが、JAXAが求める技術課題により合致させるため、予めJAXA内で技術課題を募集し、具体的に提示することとした。技術課題は、JAXAにとって将来のプロジェクト遂行に必要となると想定される宇宙航空技術の中で、新しいあるいは異なる分野の外部パートナーと共同して取り組むことができ、また、共同開発の萌芽に結びつくようなものとしている。

  5. JAXA 提示のフロンティア課題12項目に対し、今年度締め切りまでに6項目のフロンティア課題を解決する提案として、8件の応募があった。

    番号課題
    1 宇宙空間での使用を想定した空気浄化技術
    2 宇宙空間での検査機能を持ったロボティクス・システム構想検討
    3 宇宙ステーション上のカメラ撮影・映像配信ビジネスモデル
    4 先進耐熱複合材料の開発
    5 高温水蒸気水電解装置
    6 宇宙輸送機の機体構造ヘルスモニタリング技術の開発
    7 軌道上加速度環境計測システムの開発
    8 超撥油性表面処理の研究開発
    9 宇宙用低温接着剤の開発
    10 耐紫外線高比張力材料の開発
    11 科学観測用大気球の皮膜に用いる超極薄フィルムの開発
    12 衛星搭載用小型・低ノイズ・高効率電源
    (詳細は http://aerospacebiz.jaxa.jp/solution/open-labo/ )


3. 選定手順及び選定基準

  1. 選定手順
     JAXA 産学官連携部とフロンティア課題の提案者が所属する部等からなる選定委員会において、応募者よりヒアリングを行い、審査により選定した。

  2. 選定基準
     JAXA が求めるフロンティア課題へのソリューションを与えるもので、新規技術の獲得や宇宙発のビジネスに繋がる可能性のある案件について、独自性・新規性、技術的優位性、実現可能性、社会・産業への貢献度を選考基準として各提案について総合的に検討し、決定した。


4. 選定結果

 添付資料に示す通り、8件の応募の中から5件を選定した。



5.今後の進め方

 提案によって、半年〜1年後に研究成果を審査し、次の段階に進めるかどうかを判断する。最長で3年間、継続できることとしている。



















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