プレスリリース

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MTSAT-1R/H-IIA・F7の打上げ結果について(速報)

平成17年3月2日

宇宙航空研究開発機構
株式会社ロケットシステム
三菱重工業株式会社

本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。


H-IIAロケット7号機の結果概要

  • H-IIAロケット7号機を種子島宇宙センター吉信射点(LP1)から平成17年2月26日(土)午後6時25分00秒(日本標準時)に打上げた。
  • H-IIAロケット7号機は予定された飛行経路を順調に飛行し、リフトオフから40分02秒後にMTSAT-1Rを所定の軌道に投入。
  • 衛星分離後、7,200秒(リフトオフからの時間)まで第2段再々着火実験に係るデータを計画通り取得した(引き続き約16,000秒までデータ取得した)。

H-IIAロケット7号機打上げシーケンス

飛行経路



■MTSAT-1R軌道投入結果
計画値(許容値)飛行結果誤差
遠地点高度(km) 35786 (±180) 35793 7
近地点高度(km) 250 (±4) 249 -1
軌道傾斜角(度) 28.5 (±0.02) 28.5 0.0
(注)飛行結果:MTSAT-1Rの追跡データにより決定された軌道

特記事項

機体・設備間に発生した通信アラームについて
 X-60分以降の作業へ移行する直前に、アンビリカルコントローラ(2段機体と設備間の信号のやりとりを制御する機体側の機器)と設備との間に通信アラームが発生した(計4回発生し、その都度通信アラームをリセット)。なお、リセット以前に通信状態は復帰した。
 本通信アラームによるX-60分以降の作業への影響を調査した結果、作業の進行に影響(自動シーケンスに対する影響)のないことが確認できたため、新しい打上げ時刻を18時25分として打上げ準備作業を再開した。
 なお原因は調査中である。

(アンビリカルコントローラについて)
  1段機体及び2段機体に搭載されているアンビリカルコントローラは、地上と機体に搭載された機器との間の信号を中継するための機器で、地上設備からの制御信号の中継(搭載機器の電源オン・オフ、機体バルブ制御等)といった機能を有する。X-20秒の時点で、本機器の電源はオフにされ、ロケットの飛行に干渉しないよう機能的に分離される。

フェアリング探索・回収状況

 2月27日(日)早朝から、捜索船、航空機により漂流予測海域にて探索を実施した。夕方までの探索により、全体の約70%程度の回収を行い、探索・回収作業を終了した。

SRB-A探索計画

 2月26日(土)打上げ直後より、航空機2機によるSRB-A落下状況の目視確認を実施した。解析により求めたSRB-A落下予測海域上空において、降下する2つの赤い光を確認したが、着水点の特定には至らなかった。現在、得られた情報を元に落下海域の絞込みを実施中である。
 今後3月5日(土)〜17日(木)にかけて、独立行政法人海洋研究開発機構の協力を得て、曳航体に取り付けたソーナーシステムにより、SRB-Aの探索を実施する計画である。

まとめ

  • MTSAT-1Rを所定の軌道に投入した。
  • これまでの評価の結果、各コンポーネントにおける機能・性能が良好であることを確認した。
  • 今後、飛行データの詳細な評価を実施する。



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