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「すざく」搭載観測機器(XRS)に発生した不具合の状況について

平成17年8月9日

宇宙航空研究開発機構

 宇宙航空研究開発機構が平成17年7月10日12時30分(日本標準時、以下同じ)に内之浦宇宙空間観測所から打上げた第23号科学衛星「すざく」(ASTRO-EII)は、太陽電池パドル展開、3軸姿勢制御モード確立、X線望遠鏡伸展などを経て、観測機器の立上げ等を含む初期運用を継続しておりましたが、8月8日に観測機器の3種類の内の1つであるX線微少熱量計(XRS)(NASA等と共同開発)に以下の不具合が発生しました。

 XRSは、検出器(X線カロリメーター)を絶対温度60ミリ度(摂氏マイナス273.09度)で動作させるため、検出器を冷凍機で冷却し、さらにその冷凍機を液体ヘリウムや固体ネオンで取り巻く構造になっています。当初冷却装置は順調に準備が行われ、7月27日には、検出器を世界で最も低い温度である60ミリ度に冷却することに成功し、予定したとおりのX線分光性能も確認されました。しかし、その後、充填されていた液体ヘリウムが全て気化してしまう不具合が昨日発生しました。この結果、検出器の冷却が出来なくなったことから、当初予定していた観測は困難な状況となりました。原因は、現在調査中です。

 なお、他の観測機器は、順調に準備が進められており、まもなく観測状態に移行する予定です。
注)XRS:X-Ray Spectrometer (別紙参照)




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