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「はやぶさ」による小惑星イトカワの撮影成功について

平成17年8月15日

宇宙航空研究開発機構

 小惑星探査を目指す第20号科学衛星「はやぶさ」は、平成15年5月に打ち上げられて以来、平成16年5月の地球スウィングバイを経て、順調に飛行を続けています。8月12日現在、「はやぶさ」探査機は、イトカワから約3万5千キロメートルの距離にあり、毎秒38メートルで接近していて、今月下旬、距離が3,500キロメートル、接近速度毎秒10メートルの時点までイオンエンジンを運転する計画で、イトカワ近傍に静止できるのは9月中旬の予定です。

 これに先立ち、先月29日から30日、今月8日から9日、および12日に、「はやぶさ」搭載の星姿勢計(スタートラッカ)で到着目標である小惑星イトカワを捉え、のべ24枚の撮影に成功しました。また、これらの画像をもとに、地上からの電波による観測とを複合させて、「はやぶさ」探査機の精密な軌道決定が行われました。このような軌道決定は、世界的に初の試みといってよいでしょう。
 撮影された写真の代表例は、JAXAメインサイト(http://www.jaxa.jp)及び宇宙科学研究本部ウェブサイト(http://www.isas.jaxa.jp)にて公開されております。
 なお、「はやぶさ」搭載の狭視野光学航法カメラ(ONC-T)でも、今月下旬にかけて撮影が計画されており、逐次上記ページに掲載の予定です。
 ○写真:「はやぶさ」から撮影された小惑星イトカワ(8月12日までの画像の合成)

 なお、本年7月31日に「はやぶさ」探査機は、リアクションホイール(姿勢制御装置)3基のうち1基が故障し、2基による姿勢維持機能に切り替えて飛行中でありますが、当初より2基の運用も想定しており、運用に支障はなく、小惑星近傍での一連の科学観測とサンプル採集は可能であると考えております。

 今後、新たな情報が得られるに従い随時、お知らせをいたします。

注:星姿勢計(星の画像を撮影し、衛星の姿勢を計算するための装置)



「はやぶさ」の星姿勢計(スタートラッカ)による小惑星イトカワの写真


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