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ポータブル放射率測定装置の共同開発について

平成17年12月20日

宇宙航空研究開発機構

 宇宙航空研究開発機構と宇部興産(株)機能品・ファインカンパニーは、宇宙機(人工衛星、ロケット搭載装置等)の熱設計で必要とされる材料の放射率を測定するポータブル放射率測定装置の共同開発を行いました。

 この装置は、黒体光源、積分球、センサから成る測定部と、データ処理、表示、電源から成る表示部の、2つから構成されています。

 従来にない「小型」「軽量」「高性能」なハンディータイプの測定器で、装置の特徴は300Kの理想黒体の全ふく射エネルギーの95%以上をカバーした波長範囲で評価していること、および積分球による全方向にふく射する半球放射率を直接求められることです。半球放射率の測定精度は0.05です。測定は常温大気中で2分以内に可能です。測定部の寸法は14×7×8cm、重さ約1.5Kgと扱い易くなっています。

 製造中の材料の品質保証と確認、または宇宙機等に実装された状態での品質管理等に役に立ち、現場測定を迅速に行うことができます。

 ポータブル放射率測定装置は宇宙開発に限定することなく、航空機・自動車・原子力・半導体・建設等で使用される各種部材や装置の熱設計・管理に広く活用できる測定装置であると考えています。

注)ポータブル放射率測定装置:ある温度の物質からふく射する割合を測定する装置
  黒体光源:放射率1でふく射する光源
  積分球:任意の入射角に対する全方向反射の測定が可能な装置
  黒体:完全な吸収体、放射体
  半球放射率:半球方向にふく射する黒体との割合



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