プレスリリース

プリント

陸域観測技術衛星「だいち」搭載
パンクロマチック立体視センサ(PRISM)の取得画像について

平成18年2月15日

宇宙航空研究開発機構

 宇宙航空研究開発機構は、平成18年1月24日に打ち上げた陸域観測技術衛星「だいち」搭載のパンクロマチック立体視センサ(PRISM)について、初期機能確認試験の一環として画像を取得しましたのでお知らせします。

 別紙の写真は、地球観測センター(埼玉県比企郡鳩山町)において、2月14日10時30分(日本時間)頃に、富士山(図1)と静岡県清水港(図2)をPRISMにて観測したものを受信した画像です。

 なお、本センサは高分解能の3方向立体視が可能であり、地球観測衛星のデータとしては世界初の試みとなります。

  今後、高性能可視近赤外放射計2型(AVNIR-2)及びフェーズドアレイ方式Lバンド合成開口レーダ(PALSAR)の画像が取得でき次第、お知らせする予定です。



図1:PRISMが観測した富士山

※各画像をクリックすると、高解像度画像が表示されます。


※ 画像の説明
 図1は宇宙航空研究開発機構が開発した陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載のパンクロマチック立体視センサ(PRISM)によって、2006年2月14日の昼間(10時30分頃)に観測された富士山の画像です。右図に示すPRISMの後方視、直下視、前方視の各画像を用いて高さ情報を抽出し、その上にPRISM直下視画像を重ね合わせて鳥瞰図にしました。手前は甲府盆地で詳細な町並みや道路、河川の様子が見えるとともに、中央右よりには本栖湖、その奥には冠雪した富士山と山頂へと続く富士スバルラインの様子を見ることができます。
 なお,この鳥瞰図は高さ方向を2倍に強調して表しています。

※ 観測画像をもとに立体化したものをムービーにしました。[MPEG 3.6MB]



図2:PRISMが観測した静岡県清水港

※各画像をクリックすると、高解像度画像が表示されます。


※ 画像の説明
 図2は、陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載のパンクロマチック立体視センサ(PRISM)によって、2006年2月14日の昼間(10時30分頃)に観測された静岡県静岡市の清水港付近の画像です。左図に示すPRISMの直下視画像から、清水港を拡大しました。2.5mの地上分解能を有するPRISM画像では、港やヨットハーバに停泊する船舶、道路を走る自動車、JR東海道線の清水駅駅舎や住宅街を見ることができます。

注釈:
 地上分解能とは画像中で識別できる地上の物理的な大きさの目安を表します。



パンクロマチック立体視センサ(PRISM)

PRISMは、可視域を観測する光学センサで、地表を2.5mの分解能で観測することができます。また、標高データを含む地形データを取得するために3組の光学系を持ち、衛星の進行方向に対して前方、直下、後方の3方向の画像を同時に取得します。これにより、地表の3次元データを高精度かつ。高頻度に取得することができます。


宇宙航空研究開発機構 
地球観測利用推進センター 広報係
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