プレスリリース

プリント

JAXA技術のライセンス先企業である株式会社日進産業が
東京商工会議所主催の「勇気ある経営大賞」の「優秀賞」を受賞

平成18年10月12日

宇宙航空研究開発機構

 独立行政法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、研究開発の結果生まれた特許等の知的財産の民間移転を促進すべく活動しており、これまでにも多くの技術が実用化されています。

 実用化事例のひとつである、「ロケットにおける断熱材技術」を応用して建築用の塗布式断熱塗料を開発し販売している株式会社日進産業(東京都板橋区 代表取締役 石子 達次郎)が、今般、東京商工会議所が主催する「勇気ある経営大賞」の「優秀賞」を受賞いたしました。

 「勇気ある経営大賞」は、独自の技術・技能や経営手法によって新たな製品・サービスを生み出すなど、勇気ある挑戦をしている革新的・創造的な中小企業またはそのグループを東京商工会議所が選定し表彰するもので、今年度が第4回の表彰になります。

 株式会社日進産業は約10年前から建築業界を中心に塗布式断熱材「シスタコート」を販売しており各業界から注目を集めていましたが、平成17年にJAXAから、「H-IIロケットの先端部の衛星保護カバー(フェアリング)用に開発された断熱材技術」の実施許諾を受け、民生分野での製品化に成功。幅広い温度帯に対応できる高性能塗布式断熱材「GAINAシリーズ」を開発し販売を開始しており、同社の現在の主力商品となっています。
 今回の受賞は、「JAXAとの連携により幅広い分野での応用可能な断熱塗料を開発したこと」が、その理由となっています。JAXAとしても、JAXA研究開発成果を利用して企業としての更なる飛躍の一歩を踏み出した成功事例のひとつであり、また、JAXA研究開発成果が産業活性化に貢献できた事例と考えています。

 JAXAでは、今後とも、更に研究成果を社会に還元するための活用促進を図り、我が国の産業競争力強化にいっそう貢献していきます。



(補足資料)


JAXAの断熱材技術の概要

  • 概要
    • H-IIロケットの衛星フェアリング開発の過程で生まれた技術で、H-IIAロケットにも利用
    • シリコン系とエポキシ系の二種類があり、主な成分はマイクロバルーンとシリコン又はエポキシ樹脂
    • 「国際新技術フェア2002」において、「第2回優秀新技術賞/優秀新技術特別賞」を受賞

  • 特徴
    • 施工性:スプレー塗装可能。常温で硬化
    • 接着性(他の接着剤の併用不要)
    • 軽量(密度 0.3〜0.35(g/cm3))
    • 耐熱温度(エポキシ系 約300℃  シリコン系 約500℃)
    • 断熱性(低熱伝導率 80℃ 0.05〜0.107w/(m・k))
    • 高温での機械特性(熱衝撃、衝撃加重、振動加重に強い)

  • JAXAでの適用例
     本断熱材は、JAXAが開発した大型ロケットH-II、H-IIAロケットのフェアリング(打上げ時の風圧、熱等に対して衛星を保護する役目をする直胴部を含む円錐状のカバー)の断熱材として使用しています。

  • 株式会社日進産業の会社概要
  • 代表者
    所在地
    創業
    資本金
    業務内容
    これまでの実績
    :石子 達次郎
    :東京都板橋区中台1-56-3
    :昭和52年4月
    :1000万円
    :機械工事、設計、開発(昇降機、物流機器等)、断熱事業
    :産業分野(公的設備・鉄道・通信・倉庫・工場等)、一般
     建築分野、リフォーム分野(屋根・外壁・室内)等
    http://www.nissin-sangyo.jp/gaina/index.html

  • 株式会社日進産業の会社概要・製品概要に係るお問合せ先
       株式会社日進産業 (担当:石子・杉本) Tel 03-5916-4451


  • 東京商工会議所「勇気ある経営大賞」
  • 主催:
    後援:
    内容:
    東京商工会議所
    東京都、日本商工会議所、東京都商工会議所連合会
    独自の技術・技能や経営手法によって新たな製品・サービスを生み出すなど、勇気ある挑戦をしている革新的・創造的な中小企業またはそのグループを東京商工会議所が選定し表彰するもので、今年度が第4回。


宇宙航空研究開発機構 広報部
TEL:03-6266-6413〜6417
FAX:03-6266-6910