宇宙航空研究開発機構
宇宙航空研究開発機構(JAXA) は、GPSの信号が届きにくく、測位の利用効率が悪い都市部のビル街や山間地における測位利用率を大幅に改善し、衛星測位ユーザの利便性向上に寄与する準天頂衛星システムの開発を進めております。
一方、本年4月から始まる110番、119番通報時の位置情報通知の義務化に伴い、第3世代携帯電話にGPS受信機が搭載されるようになり、衛星からの測位信号が届かない屋内や地下街などにおいても、屋外と同じように測位できること(測位のシームレス化)が、強いニーズとして高まっています。
当機構では、準天頂衛星システムによる技術実証を行うために、準天頂測位衛星から送信する測位信号の受信機器の開発を進めており、こうした取組みの一環として、測位衛星技術(株)(GNSS)と共同で、屋内での正確な位置や情報を得ることができる地上補完装置(IMES:Indoor Messaging System)*の試作機を開発するとともに、(株)NTTドコモ、(株)日立製作所、測位衛星技術(株)(GNSS)、及び新衛星ビジネス(株)(ASBC)と5者でシームレス測位に関する共同研究に取り組んできました。
今回、IMES試作機と、市販と同等の携帯端末のソフトウェアに軽微な改修を施した試作機とを用いて、実験を実施し、屋内・地下街での測位が、屋外と同じように携帯端末(試作機)で行えることを確認しました。さらに、IMES試作機から送信される屋内測位用の信号が、屋外のGPS信号と干渉せずに利用可能なことも、今回の実験において検証できました。
今後、この共同研究成果は、大規模商用店舗における子供見守りサービスや、時空間メディアサービスなど実環境での実証実験に応用されることが期待されています。
*: JAXA/GNSS共同で特許申請中
宇宙航空研究開発機構 広報部
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