プレスリリース

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平成19年(2007年)能登半島地震に関する
陸域観測技術衛星「だいち」による観測の結果について

平成19年4月12日

宇宙航空研究開発機構

 平成19年3月25日午前9時42分頃(日本時間、以下同じ)、能登半島沖(輪島の西南西約40km)を震源とする「平成19年(2007年) 能登半島地震」が発生しました。宇宙航空研究開発機構(JAXA)では、4月10日に行った陸域観測技術衛星「だいち」による観測での画像を解析した結果、被災地の地盤隆起の様子が見られました。

 図1は、4月10日22時27分頃に取得した「だいち」搭載のパルサー(PALSAR)*1の画像データ(図2)と、2月23日にパルサーで取得した画像を差分干渉処理*2させて得た地殻変動図です。2月23日〜4月10日の47日間に、衛星と地面の距離の伸び縮み具合を面的に色で表したもので、輪島市門前町を中心に西の方向に最大約45cmのずれ(隆起)、門前町を含む約40km四方に集中した地盤隆起の様子が見受けられます。国土地理院においても、GPS観測等から断層面のずれによる地殻変動が検出されておりますが、今回の「だいち」の観測では、この地殻変動を裏付ける観測結果が得られました。

※本件に関する問い合わせ先
 宇宙航空研究開発機構 (筑波宇宙センター)
 宇宙利用推進本部 事業推進部 業務課 
 佐々木, 奥田
 Tel:029-868-5277,5288

*1 パルサー(PALSAR):フェーズドアレイ方式Lバンド合成開口レーダ。衛星から発射した電波の反射を受信するマイクロ波センサで、夜や曇天時も撮影が可能です。
*2 差分干渉処理:レーダは地面との距離を測ります。2回の観測の差が距離の差になりますので、地震や地盤沈下等によって発生した地面の陥没や隆起を知ることができます。



【図1】 能登半島周辺の地殻変動図


震源地周辺において色の変化が激しく、最大45cmの隆起が見られます。
色の一周期は11.8cmの変動を表しています。
※訂正がありました


【図2】 4月10日に観測したパルサーによる能登半島画像



宇宙航空研究開発機構 広報部
TEL:03-6266-6413〜6417
FAX:03-6266-6910