プレスリリース

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古川宇宙飛行士のNASA極限環境ミッション運用(NEEMO)への参加及び
ISS第18次長期滞在搭乗員支援宇宙飛行士への任命について

平成19年7月25日

宇宙航空研究開発機構

 宇宙研究開発機構(JAXA)は、国際宇宙ステーション(ISS)長期宇宙滞在に向けて第13回NASA極限環境ミッション運用(NEEMO13)訓練に参加させ、リーダーシップ、フォロワーシップ、チームワーク、自己管理等の能力向上を図り、ISS長期滞在に向けた能力を修得させることにしました。

 また、古川宇宙飛行士は、ISS第18次長期滞在搭乗員支援宇宙飛行士(クルーサポートアストロノート)に任命されました。 業務内容としては、ISS第18次長期滞在搭乗員全員に対して約6ヶ月のミッション全体に関わる支援を地上にて行うことになります。 

※NEEMO: NASA Extreme Environment Mission Operations
※ ISS第18次長期滞在搭乗員には若田宇宙飛行士が平成19年2月に任命されております。
※昨年度実施したNEEMO10には、若田宇宙飛行士が参加しました。

(1)実施期間: 平成19年8月6日から15日の間(米国時間)
(2)実施場所: 米国海洋大気局(NOAA)海底研究室(アクエリアス)
(フロリダ州キー・ラーゴ沖)
(3)訓練参加者: コマンダー
 ニコラス・パトリック (NASA宇宙飛行士)
搭乗員
 リチャード・アーノルド (NASA宇宙飛行士)
 古川 聡 (ふるかわ さとし) (JAXA宇宙飛行士)
 クリストファー・ガーティ(NASA探査プログラム)
技術支援員
 ジム・バックリー (ノースカロライナ大学)
 ラリー・ウォード (ノースカロライナ大学)
(4)ミッション概要:
・月・火星探査で必要な作業のシミュレーション(構造物建設、地形の把握)
・次世代宇宙服開発関連の試験

これらの作業は、実際のミッションと同様、ジョンソン宇宙センター管制室からの指示のもと進められるとともに、遠隔操作によるローバとの協調作業も想定しています。また、従来よりも火星探査を意識した訓練となっており、通信の遅れ(約20分)などが模擬されると共に、現場におけるクルーの自立性を重要視した内容となっております。
なお、居住スペース内では、緊急時における患者への対応を想定した医学訓練も行われる予定です。

参考リンク:
NEEMOホームページ(NASA)  http://www.nasa.gov/neemo
古川宇宙飛行士略歴  http://iss.jaxa.jp/astro/furukawa/index.html



(参考)

NASA極限環境ミッション運用(NEEMO) ミッションについて

 米国海洋大気局(NOAA; National Oceanic and Atmospheric Administration)が所有する海底研究室(アクエリアス)(岸から約5.6キロ、海底約19メートル)を利用し、宇宙飛行に類似した環境下で国際宇宙ステーション(ISS)における長期滞在ミッション等のためのリーダーシップ、フォロワーシップ、チームワーク、自己管理等の能力訓練機会を提供すると共に、ISSおよび月・火星探査に向けた新技術・ミッション運用技術の開発等を行うことを目的として、実施するものです。
 平成18年度はJAXAの若田宇宙飛行士が、コマンダーとして第10回NEEMO(NEEMO10)に参加し、月・火星での船外活動時に使用する宇宙服開発に必要なデータ取得や遠隔ローバを使用した構造物の建設、通信や航法の技術確認を行いました。


アクエリアスのレイアウト図(C)UNCW

※アクエリアスのサイズ: 直径・約3m、長さ・約13m
アクエリアスの概観 (画像提供:NASA)


NEEMO10の様子 (画像提供:NASA)


写真説明:
(上)アクエリアス内でデータに目を通す
  若田宇宙飛行士
(右上)船外活動
(右)船外活動中の若田宇宙飛行士