プレスリリース

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陸域観測技術衛星「だいち」を用いた防災利用実証実験における
岐阜県、財団法人岐阜県建設研究センターとの協力について

平成19年9月11日

宇宙航空研究開発機構
岐阜県
岐阜県建設研究センター

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、陸域観測技術衛星「だいち」の防災利用の拡大を図るため、風水害に関する防災利用実証実験を、岐阜県、財団法人岐阜県建設研究センターと協力して行うこととし、平成19年9月11日に、立川JAXA理事長と、古田肇岐阜県知事、奥田邦夫財団法人岐阜県建設研究センター理事長との間で調印式を行いました。
 この実証実験は、水害等の被害の恐れが予測される地域に関して、JAXAが持つ「だいち」の画像と、岐阜県が持つ地域地理情報を共有することにより、平時には防災情報の整備、災害発生時には災害状況把握に役立てることを主な内容としています。「だいち」に搭載された合成開口レーダのパルサー(PALSAR)を用いて、悪天候下や夜間においても、水害による浸水域を抽出することができれば、防災機関等の初動がこれまでよりも早くなることが期待されます。
 また、岐阜県、財団法人岐阜県建設研究センターにおいては、GIS(地理情報システム:Geographical Information System)を活用した情報基盤整備が進んでいることから、このたびの協力により、災害に関する情報や情報技術の向上も期待されます。
 なお、実証実験には、地域における大学有識者からの協力も得ることとしております。
 岐阜県、財団法人岐阜県建設研究センターとの間で締結した協定の主な内容は以下のとおりです。

  1. 実験内容と役割分担
    【JAXA】
    • 岐阜県が防災情報の整備・更新に資するための平常時の「だいち」の画像提供
    • 岐阜県からの緊急観測要求に対応した「だいち」による観測
    • 災害発生区域における「だいち」等の衛星データを利用した被害区域図の作成
    【岐阜県、財団法人岐阜県建設研究センター】
    • 平常時における「だいち」の画像を活用した防災地理・地図情報の整備、JAXAへの地域地理情報の提供
    • 被害が発生しそうな場合のJAXAへの緊急観測要求
    • 災害発生区域における被害実績情報の提供
    • 県域統合型GISシステムの技術情報の提供と利用する観点からのアドバイス
    【三者共同】
    • 「だいち」等の画像データで作成した被害区域図の精度検証と有用性の評価
    • 「だいち」等の画像と県域統合型GISを活用した防災活動支援ツールの作成と相互利用(想定例:避難経路、被害家屋解析等がGIS上で簡単に作成できるツール)
  2. 協力期間:平成19年9月11日から平成20年度末(平成21年3月末)まで