プレスリリース

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技術試験衛星VIII型「きく8号」のイオンエンジン異常について

平成20年1月28日

宇宙航空研究開発機構

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、平成18年12月18日15時32分(日本時間)に種子島宇宙センターから打ち上げた技術試験衛星VIII型「きく8号」においては、軌道制御を行うスラスタとしてイオンエンジンを搭載しています(北側・南側にA系統・B系統の各2基ずつ)。当該イオンエンジンのうちA系統の南側スラスタAについて、平成20年1月15日に噴射できない異常が発生し、これまで調査を行ってきましたが、A系統の電源部(電源A)に問題があることが判明しました。

 1月23日に冗長系であるB系統に切り替えたところ、北側スラスタBは正常ですが、南側スラスタBに点火の不安定現象が発生し、現在、その改善処置を行っています。なお、南側スラスタBの不安定現象が解消されない場合においても、化学燃料スラスタによる代替手段を講じることにより、予定されたミッション期間中の運用には支障が無い見通しを得ております。

 現在、同衛星による実験を正常に実施しており、引き続き、電源Aの異常の原因究明と南側スラスタBの改善処置を行います。

 参考までにイオンエンジンの搭載位置及び外観の図を示します。

図 イオンエンジンの搭載位置及び外観