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国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在する
日本人宇宙飛行士の決定について

平成20年5月14日

宇宙航空研究開発機構

 国際宇宙ステーション(ISS)計画に参加しているカナダ・欧州・日本・ロシア・米国の各宇宙機関は、第20次長期滞在搭乗員の滞在計画について調整を行ってまいりましたが、この度、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の野口聡一宇宙飛行士が、第20次長期滞在搭乗員として、古川聡宇宙飛行士がそのバックアップ搭乗員として決定しましたのでお知らせいたします。
 野口宇宙飛行士は、「きぼう」の組立てが全て完了し、6人体制で運用されるISSにおいて、科学実験をはじめとする宇宙環境利用に重点をおいた作業を軌道上で行うことになります。

滞在時期: 平成21年後半から平成22年前半まで(予定)

滞在期間: 約6ヶ月間程度
(ソユーズ宇宙船にて打上げ、帰還)

主な作業: ISSフライトエンジニアとして、「きぼう」を含むISSの各施設のシステム運用、科学実験、ISSロボットアーム操作や船外活動を実施。

今後の予定: 「きぼう」を始めとしてISSの各施設のシステム運用及び実験運用に必要な訓練を行うとともに、ソユーズ宇宙船搭乗に必要な訓練を実施する予定。

参考資料: 野口・古川宇宙飛行士 略歴
日本人宇宙飛行士の搭乗計画
JAXA理事長談話

参考リンク:  宇宙ステーション・きぼう広報情報センター
http://iss.jaxa.jp/



野口宇宙飛行士の略歴

野口 聡一(のぐち そういち)
宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙飛行士
(2008年5月現在:43歳)


1965年


神奈川県横浜市生まれ
1989年3月 東京大学工学部航空学科卒業
1991年3月 同大学院工学系研究科航空学専攻修士課程終了
1991年4月 石川島播磨重工業(株)入社
1996年6月 宇宙飛行士候補者に選ばれる
1996年8月 訓練開始
1998年4月 搭乗運用技術者(MS)として認定
2001年4月 STS-114のMSに任命
2005年7月26日
〜8月9日
スペースシャトル「ディスカバリー号」に搭乗し、日本人として初めて、船外活動のリーダーを務め、3回の船外活動等を実施
2007年2月 ISS第18次長期滞在クルーである若田宇宙飛行士のバックアップクルーに任命され、現在訓練中



古川宇宙飛行士の略歴

古川 聡(ふるかわ さとし)
宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙飛行士
(2008年5月現在:44歳)


1964年


神奈川県横浜市生まれ
1989年3月 東京大学医学部医学科卒業
2000年 同大学博士(医学)取得
1989年〜1999年 東京大学医学部附属病院第1 外科学教室勤務
1989年〜1994年 病院の麻酔科、外科に勤務し、消化器外科の臨床及び研究に従事
1999年2月 宇宙飛行士候補者として、星出彰彦、角野(現 山崎)直子とともに選ばれる
1999年4月 訓練開始
2001年1月 宇宙飛行士として認定
2001年4月
ISS 参加機関の国際協力のもとに実施されるISS 搭乗宇宙飛行士のアドバンスト訓練に参加
2004年5月 ソユーズ-TMA 宇宙船フライトエンジニア資格を取得
2006年2月 搭乗運用技術者(MS) として認定




理事長談話

日本実験棟「きぼう」に長期滞在する日本人宇宙飛行士の決定について

平成20年5月14日


 本日、国際宇宙ステーション(ISS)計画で我が国が開発している「きぼう」日本実験棟に長期滞在する日本人宇宙飛行士として野口聡一宇宙飛行士が、また、そのバックアップとして古川聡宇宙飛行士が決定したと聞き、非常に喜ばしく思っております。

 

 野口宇宙飛行士は、「きぼう」を含む各ISS参加機関が開発した施設のシステム運用及び実験運用に係る作業などを行うことを目的としており、ISSへの訪問は2回目となります。

 野口宇宙飛行士は、前回のSTS-114の宇宙飛行及び若田宇宙飛行士のバックアップ搭乗員として訓練を行った際の経験を生かし、若田宇宙飛行士に続く日本人2回目の長期滞在の任務を確実に実施できると確信しております。

 若田、野口両宇宙飛行士がISSに長期滞在することで、我が国は着実に有人宇宙活動の経験と実績を重ねて技術・知見の蓄積を図っていくことになります。今後、両宇宙飛行士に続いて日本人宇宙飛行士が定期的にISSに長期滞在することが予定されており、我が国にとって、宇宙での有人活動がますます身近なものになるものと考えております。

 このたびの決定にあたり、NASAをはじめとする内外の関係者の皆様方から賜りましたご尽力に対し、心から感謝いたします。

宇宙航空研究開発機構
理事長  立川 敬二