宇宙航空研究開発機構(JAXA)及び自治体衛星通信機構(LASCOM)は、平成20年11月14日(金)に平成20年度四国地方非常通信訓練に参加いたしました。訓練では、平成20年2月に打ち上げた超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)の可搬型地球局を用いて高精細映像等の伝送を行い、災害時における通信衛星の有効性を実証することを目的として、基本実験を下記のとおり行いましたのでお知らせいたします。
1.日時:平成20年11月14日(金) 10:00〜12:00
2. 場所:徳島県立防災センター(以下、防災センター) 視聴覚教室、本館会議室及びグラウンド(徳島県板野郡北島町)(JAXA及びLASCOM参加会場)
3. 実験内容
可搬型地球局をJAXA地球観測センター(埼玉県鳩山町)に1台と防災センターグラウンドに3台設置し、防災センターに「県災害対策本部/現地本部/被災地」を仮想的に配置し、災害現場における「きずな」の通信システム及び地球局の実用性に係わる検証を実施しました。なお、別紙に実験概要を示します。
- (1)災害状況把握/被災地の映像配信被災地の状況を把握する為、被災状況をハイビジョンカメラで撮影し、その映像を無線LANから「きずな」を経由して現地本部(会議室)へ8Mbpsで伝送しました。
ハイビジョン映像であることから、被災現場の映像を、よりリアルに伝送することが可能となり、被災現場の状況を的確に把握することができました。
- (2)災害状況把握/地球観測衛星「だいち」(ALOS)画像の配信被災地全体の状況を把握する為、地球観測衛星「だいち」が宇宙から実際に撮影した地上のリアルタイムのハイビジョン観測映像をJAXA地球観測センターで受信し、その映像を「きずな」経由で県災害対策本部に10Mbpsで伝送しました。
(1)と比較し宇宙からの観測映像であることから災害地域全体の状況を的確に把握することができました。
- (3)災害情報の共有 災害情報の伝達、指示、情報共有を実施する為、県災害対策本部と現地本部(会議室)にハイビジョンテレビ会議システムを設置し、「きずな」経由(16Mbps)で2地点間を結び、災害情報の共有を行いました。ハイビジョン映像の特長を生かし、ホワイトボード上の文字や被災状況地図など鮮明に映し出すことが可能になり、効率的・効果的に情報共有や指示・伝達を実施することができました。