古川 聡宇宙飛行士が、ISS第28次/第29次長期滞在搭乗員として決定しましたのでお知らせいたします。古川宇宙飛行士は、日本及び国際パートナーの科学実験をはじめとする宇宙環境の利用に重点をおいた活動をISSで行うことになります。
古川宇宙飛行士は、現在、第22次/第23次長期滞在搭乗員の野口聡一宇宙飛行士のバックアップとして、ISS長期滞在にむけた訓練を米国、ロシア、日本で行っています。
- 滞在時期:
- 平成23年春頃から6ヶ月間(予定)
- 滞在期間:
- 約6ヶ月間程度
(ソユーズ宇宙船にて打上げ、帰還) - 主な作業:
- ISSフライトエンジニアとして、「きぼう」を含むISSの各施設の運用及び科学実験、ISSロボットアーム操作を実施。
- 今後の予定:
- 「きぼう」をはじめとしてISSの各施設の運用及び科学実験に必要な訓練を行うとともに、ソユーズ宇宙船搭乗に必要な訓練を実施する予定。
- 参考資料:
- 古川宇宙飛行士 略歴(資料1)
日本人宇宙飛行士の搭乗計画(資料2)
JAXA理事長談話(資料3)
搭乗決定にあたっての抱負(資料4)
資料3
理事長談話
古川 聡 宇宙飛行士の国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在の決定について
平成20年12月17日
この度、国際宇宙ステーションに長期滞在する日本人宇宙飛行士として古川 聡宇宙飛行士が決定したと聞き、非常に喜ばしく思っております。
古川宇宙飛行士は、各ISS参加機関が開発した日本の実験棟「きぼう」を含む施設のシステム運用及び実験運用に係る作業などを行なうことになります。古川宇宙飛行士は、平成21年後半からISS長期滞在を予定している野口宇宙飛行士と共に行った訓練の経験を生かして、様々な任務を確実に遂行してくれると確信しております。
また、2009年5月より6人体制で宇宙実験が行われる予定となっており、宇宙実験の重要テーマである生命科学実験の促進に、古川宇宙飛行士の医師としての専門能力を存分に発揮して活躍されるものと期待しております。
古川宇宙飛行士のISS長期滞在は、若田・野口両宇宙飛行士に続き日本人として3人目となりますし、また、JAXAでは彼らに続く新人飛行士の選抜作業も順調に進めております。今後、継続的な日本人宇宙飛行士のISS長期滞在を通じて有人宇宙活動の実績を重ね、技術・知見の蓄積を行なっていく所存です。更に、日本人宇宙飛行士が定常的にISSに長期滞在し国際社会で目に見える形で活躍することにより、次世代を担う若者が触発されるばかりでなく、有人宇宙活動が社会に役立つ成果を生み出すものと考えております。
このたびの決定にあたり、NASAをはじめとする内外の関係者の皆様方から賜りましたご尽力に対し、心から感謝いたします。
宇宙航空研究開発機構
理事長 立川 敬二
資料4
搭乗決定にあたっての抱負
これまで激励、支援してくださった多くの皆様に心から感謝致します。
2008年は、土井宇宙飛行士、星出宇宙飛行士の大活躍で、「きぼう」日本実験棟の船内保管室、船内実験室が国際宇宙ステーション(ISS)に組み付けられ、運用が開始されました。筑波の地上局からは日本人管制官チームが、「きぼう」日本実験棟を24時間体制で見守っています。そして、2009年2月から若田宇宙飛行士、同12月からは野口宇宙飛行士がISSに長期滞在します。さらに、2010年2月頃には山崎宇宙飛行士がISSに飛行予定です。その後も、日本人宇宙飛行士のISS長期滞在が続いていきます。我々日本人チームの活動を通して、将来の日本の有人宇宙活動の発展に貢献できるよう、皆で力を合わせて努力していきたいと考えています。
自分としては、医師としての専門能力を活かし、宇宙での科学実験、特に生命科学実験の促進に寄与したいです。そして、ISS第28次/第29次長期滞在ミッションを成功させるため、全力で訓練に取り組んでいきたいと思います。
JAXA宇宙飛行士 古川 聡