プレスリリース

プリント

「きぼう」における
文化・人文社会科学利用パイロットミッション(芸術利用)の実施について

平成21年4月15日

宇宙航空研究開発機構

 宇宙航空研究開発機構では、宇宙での芸術活動の検証を目的に、文化・人文社会科学利用パイロットミッション(*)を実施しています。
 平成21年4月14日(火)(日本時間20時30分〜21時40頃)に、下記の芸術利用を実施しました。




実施テーマ: 「微小重力の身体と衣服設計に関する基礎実験」 -宇宙でのファッショナブルライフ-
代表研究者: 東京芸術大学 助教 宮永 美知代(みやなが みちよ)  (専門:美術解剖学)
実施目的: 無重力空間では、地上とは違った身体の使い方やしぐさになり、無重力にあった自然な姿勢をとります。そんな宇宙空間で長く暮らす未来の人類はどんな身体に変化するでしょうか。
このテーマでは、宇宙に適応(進化)した未来の身体を美術解剖学的な視点から想像し、未来のファッションを提案します。
また、宇宙から地球に帰還する人たちの身体的・心理的な印象を捉えたファッションも提案します。
実施概要: 人間の2本の足は、移動手段として進化しました。無重力ではその足がそれほど重要な役割を果たさなくなるのではないかと考え、宇宙飛行士にその感覚・体感を模擬してもらい、考察します。
その情報をもとに、無重力がもたらす心理的、身体的な変化を巧みに捉えた未来の衣服デザインへの可能性を調べます。


若田宇宙飛行士の様子を見守る宮永助教(左)
(JAXAユーザー運用エリアにて)

宮永先生のコメント
 倫理委員会をはじめ、いくつもの関門をくぐり、晴れて本日、若田宇宙飛行士にこの芸術テーマを実施していただけました!ただただ、感激です。若田さんは無重力に完全に適応されているように見え、行っていただいた姿勢や動作は想像していた以上に興味深かったです。無重力の人体とファッションについて新たな疑問も湧いてきて、これからのファッショナブルライフのチームとしての展開が本当に楽しみです。4月14日は、私にとってのメモリアルデイとなりました。
 若田宇宙飛行士そして、この芸術利用を支えてくださっている多くの皆様に深く感謝申し上げます。


*)文化/人文社会科学利用パイロットミッションについては、JAXA HPをご覧ください。
http://iss.jaxa.jp/utiliz/epo/index.html